汐留で初速好調 『いたいコンサルすごいコンサル』リブロ汐留シオサイト店

ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店を訪れた。9月はトップコピーライターの書いたコミュニケーション論が売れ筋だったが、今回、店長が注目したのは、元コンサルタントがコンサルタント選びの必勝ノウハウを明かした一冊だ。

コンサル起用のポイント明かす

その本は長谷部智也『いたいコンサルすごいコンサル』(日本経済新聞出版社)。著者の長谷部氏は戦略コンサルティングファームに16年在籍してパートナーまで上りつめ、今は事業会社の役員に転じており、コンサルタントを起用する側としての経験も豊富だ。

著者によれば、現在コンサル業界は第4世代に突入し、思い切り大衆化している時代だという。大衆化とは、「有象無象」と表現せざるを得ないほどコンサルタントの個体差が拡大いる状況を指しており、そこを見分けることができなければ、コンサルタントを起用したプロジェクト自体が失敗に終わるリスクが増大していると指摘する。

そこで著者は見分けるための10の質問を用意する。いわく「最終提言を『第0日に30秒』で語れるか」、いわく「すらすらと『定石』が出てくるか?」、いわく「『直言』できるか?」……。さらに「組織の『空気感』がわかるか?」「『パートナー』がしっかりと時間を使うか?」などと質問が続く。これらを起用するプロジェクトに沿って聴いてみると、おのずと、いたいコンサルか、すごいコンサルかを判別できると記す。模範解答にもダメな回答にも言及しながら質問の意図を解説する記述は、実体験に基づいているだけに迫力がある。

コンサル大衆化でニーズ広がる

「発売前はあまり注目していなかったが、入荷したらすぐ動いたので、追加注文して平台にも並べると、大きく動いた」と店長の大城優樹さん。「周辺の会社でコンサルの起用が広がっているのかもしれない」と見る。実際本書にも、経営層が全社的な戦略局面で起用する大型案件より、部長クラスの決済予算で起用できるプロジェクトが増えている実態が指摘されており、コンサルの大衆化という状況が本書を必要としているようだ。

力強い本そろい、売り上げ競う

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)「言葉にできる」は武器になる。梅田悟司著(日本経済新聞出版社)
(2)いたいコンサルすごいコンサル長谷部智也著(日本経済新聞出版社)
(3)問題は英国ではない、EUなのだエマニュエル・トッド著(文春新書)
(4)やり抜く力アンジェラ・ダックワース著(ダイヤモンド社)
(5)ザ・会社改造三枝匡著(日本経済新聞出版社)

(リブロ汐留シオサイト店、2016年10月3日~10月9日)

1位は9月に同店を訪れたとき紹介した本。トップコピーライターによる「伝える」ことの本質を問う1冊は、根強く売れ続けている。今回紹介した『いたいコンサルすごいコンサル』は2位に入っている。3位は前回紀伊国屋書店大手町ビル店を訪れたときに紹介した欧州連合(EU)論。新書ということもあってか汐留でも関心が高い。4位、5位もこのところ紹介してきた本で、8月から9月にかけて発売された強い本が、今月もしっかりと売れ行きを伸ばしている。

(水柿武志)

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