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つゆだくのサンドイッチ? 「和サンド」が人気

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日経トレンディネット

パンケーキ、ポップコーン、フレンチトーストのブームに続き、2015年ごろから盛り上がっているのが、サンドイッチ人気。その火付け役は、陶芸家・大沼道行氏が考案し、夫人がSNSで発信して人気を集めた具だくさんサンドイッチ「沼サン」といわれている。サンドイッチ専門店が増え、多くの店が個性的でユニークな形態や組み合わせで差異化を競っているなか、じわじわと人気を集めているのが"和"の要素を取り入れたサンドイッチだ。

JR東日本グループのジェイアール東日本フードビジネス(北区)は2016年4月15日、「ニュウマン新宿」のエキナカに、和がコンセプトのサンドイッチ専門店「ワズサンドイッチ ニュウマン シンジュク(Wa's sandwich NEWoMan SHINJUKU)」(以下、「Wa'sサンドイッチ」)をオープン。実はニュウマンのエキナカは、JR利用者以外は入場券が必要、電車ホームから直接入れるのは埼京線・中央線のみなどの不利な立地条件。にもかかわらず、看板商品のだしが香る「煮たまごサンド」は1日に200個以上売れているという。

渋谷のサンドイッチ店「キャメルバック サンドイッチ&エスプレッソ(CAMELBACK sandwich&espresso)」(以下「キャメルバック」)では、元寿司職人の成瀬隼人氏が作る「すしやの卵サンド」(410円)が人気。駅からかなり離れたテイクアウト専門の小さな店だが、休日には 80個以上も売れるという。また安政元年(1854年)に創業した老舗「丸山海苔店」の日本茶専門店「寿月堂」(歌舞伎座内の総合施設「GINZA KABUKIZA」5階)では、海苔と和の具材を使用した「築地 シーフードサンド」が人気。最高で1日50食売り上げたこともあり、歌舞伎観劇用にテイクアウトする人も多いとのこと。

和の要素をとりいれたサンドイッチはどのようなもので、なぜいま人気を集めているのか。それぞれの店に取材した。

和サンドに必要なのは「うまみ」「こぼれ」「つゆだく」

「Wa'sサンドイッチ」出店のきっかけは、ニュウマン新宿にサンドイッチ専門店を出店することが決定した際、施設側から今までにない業態を求められたことだという。「70もの飲食業態を運営している弊社は、寿司店や蕎麦店など、まったく異なる業態から食材をピックアップできる。一般的なサンドイッチ専門店とは異なり、新商品の企画を考える際にも、従来の枠にとらわれずにできるのが強み。そこで"和のDNA"を盛り込むことで差別化ができるのではないかと考えた」(Wa'sサンドイッチを運営するジェイアール東日本フードビジネス ベーカリー事業部の土橋正大スーパーバイザー

商品企画で特に意識したのが「うまみ」「こぼれ」「つゆだく」の3点。例えば1日200個も売れる看板商品「煮たまごサンド」は、カツオと昆布のだしのうまみをたっぷり感じられる味わいに仕上げている。多くの商品に使用している「Wa'sマヨ」は塩麹と西京味噌を隠し味にしたマヨネーズで、こちらも和のうまみを強調。こぼれとは具のボリュームの多さで、具を感じてもらうサンドイッチを目指したという。

例えば、「通常の卵サンドは1個につき卵を30g程度使用しているのに対し、煮たまごサンドでは90gも使っている」(土橋氏)。つゆだくで追求したのは、ジューシーさ。食感も味も異なる4種類の葉野菜をあふれるほどはさんだ「緑野菜たっぷりサンド」(税込み640円)がそのシンボルだという。

新宿名物のサンドイッチとなるよう、新宿ならではの食材も取り入れた。1日に100個以上売れる「新宿赤鬼和三盆たまご焼きサンド」は、土橋氏が新宿を歩き回って探し出した卵焼き専門店「赤鬼」の卵焼きを使用。8月9日から発売している「ハムとチーズと牛たんサンド」は、ハムとチーズだけでは出せない日本人好みのうまみを牛タンを加えることで引き出した商品だという。「日本で独自の発展を遂げた食パンやコッペパンを使い、世界的に注目されているうまみや日本独自の発酵食品の味わいを生かし、世界に誇れる新しい和のサンドイッチ文化を発信したい」(土橋氏)という。

高級寿司店仕込みの本格卵焼きサンド

渋谷のサンドイッチ店「キャメルバック」は2014年12月にオープン。スタッフはサンドイッチ作り担当の元寿司職人・成瀬隼人氏と、コーヒー担当の鈴木啓太郎氏の2人だけ、テイクアウト専門の小さな店だ。

成瀬氏は子供のころから毎日毎食パンでもいいほどの大のパン好きだったが、米国留学時代、「パンの本場なのにおいしいサンドイッチがない」という驚きから、自分がおいしいと思えるサンドイッチを作る店をやりたいと考えていたという。しかし、米国で生活費を稼ぐ必要に迫られて働いた寿司店で寿司の魅力に開眼。帰国後、寿司の名店として知られる「磯はん」(西荻窪)で本格的な修行を積んだのちに今の店を開いた。人気商品の「すしやの卵サンド」はキャメルバックのオープン当初、付け合わせとして提供していたものが非常に好評だったため、サンドイッチとして商品化したとのこと。

8種類あるサンドイッチはすべて注文を受けてから作るため、完成まで10分以上かかる(取材時も、15分ほど外のベンチで待った)。すしやの卵サンドを食べてみたところ、まるでスフレのように柔らかな食感にまず驚き、スイーツのような甘さの卵焼きと、ツンとくる和辛子独特の刺激との調和に、さらに驚いた。

平日50個前後、休日は80個前後を準備していても、毎日13時過ぎには売り切れるというのも納得。特に卵好きな韓国では日本国内より知名度が高く、これ目当てでわざわざ訪れる韓国人観光客も多いという。韓国での知名度の高さに着目したビジネスの打診も何件かあったが、大量生産できないのですべて断っているとのこと。

プロが使う高級海苔「こんとび」を使ったサンドイッチも

寿月堂は、1854年創業の老舗である丸山海苔店が始めた日本茶専門店。「銀座 歌舞伎座店」は2013年の歌舞伎座リニューアルと同時に、総合施設「GINZA KABUKIZA」5階にオープンした。その際、「せっかく歌舞伎座もリニューアルしたのだから、自分たちも独自メニューを販売しよう」と考えて商品開発を開始。「自社製品である海苔を使ったもの」「歌舞伎見物の前後に食べられ、歌舞伎を見ながらも食べられるテイクアウト可能な商品」ということから、海苔を使ったサンドイッチの販売を開始した。

具材には築地で仕入れた新鮮な魚介類を使用し、丸山海苔店の「こんとび」を使用している。「こんとび」とは養殖の段階で黒い海苔に天然の青緑色の海苔が点々と混ざった海苔。野趣あふれる味わいは食通から「昔の海苔に一番似ている」と高く評価され、ミシュランの星付き寿司店をはじめ、フランス・モナコの高級レストランなど多くのプロに愛用されているという。

海苔を使ったサンドイッチを食べるのは初めてだが、こんとび海苔の鮮烈な香りに驚くと同時に、パンと海苔の相性の良さにも驚いた。「家庭でも簡単に真似ができるため、召し上がった方の中には店頭でこんとびの海苔を買って帰るお客様もいて、販促にも役立っている。サンドイッチに海苔という発想がユニークであることと、プロの寿司職人が使用する品質の高い海苔・こんとびをサンドイッチの具材にしていることから、他では味わえないユニークさを感じていただいているのでは」(丸山海苔店の丸山慶太社長)

サンドイッチはもともと自由度の高い料理だが、専門店が増えてそれぞれが目新しさを競うようになり、むしろ個性が見えにくくなっている面もあった。そのなかで今回取材した3店の和サンドは、狙いがはっきりしているせいか、どれも非常にインパクトが強く印象に残った。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2016年10月7日付の記事を再構成]

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