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あと半年早ければ… 「2枚挿し」対応スマホ

佐野正弘のモバイル最前線

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日経トレンディネット
最近、日本でも2枚のSIMを挿入して同時に利用できる「デュアルSIM・デュアルスタンバイ」(DSDS)に対応したSIMフリースマートフォン(スマホ)が、相次いで発売されている。これにはどのようなメリットがあるのだろうか。

SIMフリースマホ新機種共通の特徴

MVNOの拡大に伴い急増しているSIMフリースマホ。2016年9月末にも相次いで各社が新製品を発表した。

9月27日にはレノボが、空間を正しく認識できるグーグルのAR技術「Tango」を搭載した「Phab 2 Pro」などスマホ/タブレットの新機種を発表。中でも注目はレノボ傘下のモトローラが提供するフラッグシップモデル「Moto Z」「Moto Z Play」である。

最上位モデルのMoto Zは、SIMフリー端末としては高額(8万5800円)ながら、最薄部約5.2mmと非常に薄い。Moto Z Playはそれより厚みがあるものの、その分バッテリー容量が大きく、より安価(5万3800円)だ。両機種とも背面に取り付けることで機能を拡張できるモジュール「Moto Mods」に対応しており、これらを使えば、Moto Z/Z Playをプロジェクターや光学10倍ズーム搭載のカメラとして活用できる。

翌日の9月28日には、ASUSがスマホ新機種「ZenFone 3」「ZenFone 3 Deluxe」を発表。ZenFone 3は5.2インチディスプレーを搭載したスタンダードなモデルだが、ZenFone 3 Deluxeの5.7インチモデルは、最新のハイエンドモデル向けチップセット「Snapdragon 820」に6GBのメモリー、2300万画素のカメラを搭載するなど、"性能怪獣"と呼ぶほどハイスペックなのが特徴だ。

これらMoto Z/Z PlayとZenFone 3/3 Deluxeには共通した特徴がある。それは日本で利用可能な3G・4Gの「デュアルSIM・デュアルスタンバイ」(DSDS)に対応しているということだ。

デュアルSIMの本領を発揮できるDSDS

DSDSとは、2枚のSIMカードを挿入でき(デュアルSIM)、2回線の着信を同時に待ち受けできる(デュアルスタンバイ)機能のこと。

デュアルSIM機能は、実はSIMフリースマホには、これまで当たり前のように搭載されてきた。しかし従来のデュアルSIM対応機種は、挿入したSIMのうち一方が、日本では使われていない通信方式「GSM」しか利用できなかった。そのため、GSMが使えない日本国内で2枚のSIMを挿入しても、デュアルSIMの恩恵を受けることができなかったのである。

しかし2016年7月に発売されたモトローラの「Moto G4 Plus」は、デュアルSIMスロットの双方とも3G・4Gのデュアルスタンバイに対応。3G以上の回線しか存在しない日本でも、DSDSが利用できることが話題となった。その後、3G・4GのDSDSに対応したSIMフリースマホが徐々に増加し、注目を集めるようになってきているのだ。

では、DSDSにはどのようなメリットがあるのだろうか。1つは、2枚のSIMを挿入して、異なる用途で使い分けられることだ。例えば、仕事用とプライベート用のSIMを挿入しておき、相手に応じて発信時に使用する回線を選んだり、1台のスマホで双方の着信を受けたりできる。1台の携帯電話で複数の番号を持つことができるNTTドコモの「2in1」のような使い方を、(端末側が対応するネットワークにもよるが)キャリアを問わず実現できるというわけだ。

そしてもう1つのメリットが、2枚のSIMを音声通話用とデータ通信用とに使い分けられることである。例えば、音声通話には完全定額に対応した大手キャリアのSIMを用い、データ通信には価格が安いMVNOのSIMを用いるといった使い方が可能になる。

また、普段は大手キャリアのSIMをメーンに活用し、キャリア回線の高速通信容量を使い切った後はMVNOのSIMでデータ通信をするようにすれば、データチャージするよりも安く高速通信容量を追加できる。

あと半年早ければ評価は違っていた?

なぜ今、3G・4GのDSDSに対応したスマホが急に増えているのか。それは、世界的に新しい通信方式への移行が進んでいることが大きい。デュアルSIMは元々、キャリアのネットワークが充実しておらず、しかもプリペイド方式が主流で、場所や相手によってSIMを使い分ける必要があった、新興国で人気を得て広まったものだ。利用も音声通話が主流だったことから、新興国を中心に、安く利用できるGSM方式に対応することが重要だった。

だが、近年、新興国でもスマホが普及したことで、モバイルの利用スタイルが音声通話からデータ通信へと大きくシフト。それに伴い、インフラも、方式が古く通信速度が遅いGSMから、より通信速度が速い3G・4Gへと移行しつつある。端末側も、新しいインフラに対応したものが求められるようになってきており、それが3G・4GのDSDS対応機種が急増する要因となっているのだ。

しかもDSDSは、自社のネットワーク以外を使ってほしくない大手キャリアの端末に搭載される可能性が低い。それゆえ、SIMフリー端末を手掛けるメーカーにとっては大きな武器となるだろうし、DSDSを訴求するSIMフリースマホメーカーは今後増えていくものと考えられる。

とはいえ、DSDSが幅広い層のユーザーから支持を得てブレイクするかというと、それは難しいと筆者は見ている。理由は、今年に入って大手キャリアとMVNOそれぞれが抱えていた料金面のデメリットが解消されており、手間をかけてまで2枚のSIMに対応する必然性が薄くなっているからだ。

大手キャリアの場合、これまでデータ定額サービスが高いのがデメリットだった。だが、9月に入り、ソフトバンクが「ギガモンスター」の提供を開始したのを機に、月額6000円で20GBまで高速データ通信が利用できるサービスが登場。従来の標準とされてきた5GBのプランに月額1000円を追加するだけで、4倍もの高速通信容量を追加できるようになった。従って、大容量通信を求めるヘビーユーザーであっても、MVNOのSIMを使ってまでして料金を抑える必然性が少なくなってしまったのだ。

一方MVNOは、これまで通話料が高いのがデメリットだった。しかし、今年に入り相次いで5分、あるいはそれ以上の通話を定額にするサービスを実現。通話定額サービスを利用するために、必ずしもキャリアのSIMを用意する必要がなくなってしまったのだ。

もちろん、DSDSは、これまで日本には存在しなかったものだ。そのため、工夫次第で料金を抑えたりするなどさまざまな活用が期待できることは確かだ。だが、キャリア、MVNO共に従来抱えていた料金面のデメリットを解消したことから、SIMを契約し、設定を工夫するなど手間をかけてまで利用するメリットは薄くなってしまっている。せめてあと半年早く3G・4GのDSDS対応機種が日本に上陸していれば、評価は大きく違っていたかもしれない。

佐野正弘(さの・まさひろ)
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

[日経トレンディネット 2016年10月5日付の記事を再構成]

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