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NK商社も社員の頑張りにより、業績を盛り返してきました。業績を盛り返し、売り上げが上がれば、多くの喜びが得られる一方で、過重労働、すなわち残業や休日出勤をしなくてはならないという状況が生まれてきます。まさに痛しかゆし。

さて、スタッフを集めた社長のアナウンスは吉なのでしょうか、それとも凶なのでしょうか。

イラスト Dセイン

イラスト Dセイン

Part 1
(Meeting room)
Tanaka: Listen up, everyone. I need your attention. I have an announcement to make.
 Sally: I hope it's good news.
Tanaka: Well, the bad news is that everyone needs to work on Saturday this week.
  Ito: Give me a break.
Mariko: Give us the good news now.
Tanaka: The good news is that we're going to be able to start giving out bonuses again.
  Ito: Wow, that's the best news I've heard in a long time!
Mariko: Maybe it's time we bring on more staff.
Takana: That's been on my mind.
 Sally: We're happy the company is on the up and up, but overtime is a killer.
Takana: Yeah, I know what you mean, and I appreciate all your hard work.
【対訳】
(会議室にて)
 社長: さて、皆、聞いてくれ。注目。ちょっとお知らせがあるんだ。
まり子: いいことだといいんですけど。
 社長: えーと、悪いニュースとしては、今週土曜日皆に勤務してもらわなければならないことなんだ。
 伊藤: 勘弁してくださいよ。
まり子: じゃあ、よいニュースの方は?
 社長: よいニュースはだね、また皆にボーナスを支給できることになることだ。
 伊藤: わあ、それは久々に聞く最高のニュースですよ!
まり子: そろそろもっとスタッフを連れてくるころではないですか?
 社長: それも考えている。
サリー: 会社が絶好調になっているのは皆嬉しいですけど、残業が致命的ですよね。
 社長: そうなんだ、君の言うことは分かるよ。皆の頑張りにはとても感謝している。

解説)

give out: 配布する/支給する

That's the best news I've heard in a long time.: 久々に聞く最高のニュースだ。

*I've heard の前に「関係代名詞(目的格)」のthat が省略されています。

* in a long time: 長い間/久しぶりに/久々に

It's time we bring on more staff: もっと多くのスタッフを連れて来る時/ころだ

*we の前にwhenが省略されています。

*bring on: 持ってくる/連れてくる この場合であれば「雇う」の意味。

That's been on my mind.: ずっと私の心にかかっている、すなわち「ずっと考えている」

on the up and up: 絶好調で

a killer: 破壊者/致命的なもの(こと)

Part 2
Mariko: Did you hear the news?
  Ito: No, what news? We're going to have to work on Sunday too?
Mariko: No, it's good news. Tanaka-san is hiring more people.
  Ito: That's the news we've been waiting for.
Mariko: I know. Business is booming, but we weren't sure it was a bump or a trend.
  Ito: The performance figures for last month will be out tomorrow. It must be good news.
Mariko: Otherwise, we wouldn't be expanding the staff.
  Ito: We've been working our heads off, and it looks like the hard work is paying off.
Mariko: Yeah, you hit the nail on the head.
  Ito: Do you know what kind of people he's going to hire?
Mariko: Well, he said he wants to hire people who didn't complain.
  Ito: Do you think he was thinking about me?
Mariko: If the shoe fits, wear it.
【対訳】
まり子: ニュースは聞いた?
 伊藤: いいえ、何のニュースですか? 日曜日も勤務しなければならなくなったとか?
まり子: そうじゃないわ、良いニュースよ。社長がもっと人を雇うの。
 伊藤: それこそ僕が待ち望んでいたニュースです。
まり子: 分かっているわ。会社は順調。でもそれが一時の上昇なのか、趨勢になっていくのかがよく分からなかったの。
 伊藤: 先月の業績のデータは明日出てきますよ。きっといいニュースに間違いないですよ。
まり子: そうでなければ、私たちはスタッフを増やすこともできないでしょうね。
 伊藤: 僕たちは皆必死に働いてきましたからね。頑張りは報われると思いますよ。
まり子: まさにその通りよね。
 伊藤: 社長がどんな人を雇おうとしているか知っていますか?
まり子: そうね、不平を言わない人を雇いたいと言っていたわね。
 伊藤: 社長は僕のことを考えていると思いますか?
まり子: 思い当たるところがあれば、それは素直に受け止めなさい。

解説)

a bump or a trend: 一時の上昇なのか、趨勢になっていくのか。

*bumpは「(価格などの)上昇/増加」の意味なので、ここでは「一時の上昇」のニュアンス。

Otherwise, we wouldn't be expanding the staff.: そうでなければ私たちはスタッフを増やすこともできないでしょうね。

*…wouldn't be expectingは「仮定法」。「~がなければ、~できないだろう」の意味になります。

* expand the staff: スタッフを増員する/増やす

working one's heads off: 一生懸命に働く/頑張る

hit the nail on the head: ずばり的を射る/うまく言い当てる/図星をつく

*「釘の小さな頭を(はずさずに)叩く」の意味から。

If the shoe fits, wear it.: 直訳は「靴がピッタリ合えば、履けばよい」、すなわち「思い当たる節があるのなら、それは素直に受け取りなさい」の意味。

セインのビジネスひと口メモ

日本では、多くの会社で朝礼をしています。全社的でないにせよ、同じ部内や課内での朝礼は一般的です。しかし、アメリカでは朝礼はそれほど多くの会社が採用しているわけではありません。現在打ち合わせは一般的には避ける傾向にあります。その代わりに、多くの場面で、何かをアナウンスする手段としてはeメールが圧倒的に使われています。もちろん全社的な会議もあります。しかしほとんどの場合は、非常に小規模な打ち合わせや会議であり、参加者は本当に必要な人だけです。この会話のようにただアナウンスをして終わらせることも多くあります。アメリカ人の多くは、直接自分が関係を持たない会議への出席を強制されることは好みません。

Just do it!

:D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は10月20日の予定です。
デイビッド・セイン(David Thayne)
米国出身。累計売り上げ部数350万部の著作を刊行してきた英語本のベストセラー著者。英会話学校経営、翻訳、英語書籍・教材制作などを行うクリエーター集団「エートゥーゼット」(www.smartenglish.co.jp)の代表を務める。日本で26年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまでに教えた日本人は数万人にのぼる。日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発している。
 東京・文京区のエートゥーゼット英語学校の校長を務めるとともに、英会話教育メソッド「デイビッド・セイン英語ジム」(http://www.david-thayne.com)の監修も行っている。主な著書に、「チームリーダーの英語表現」(日本経済新聞出版社)、「ネイティブが教える英語の語法とライティング」(研究社)などがある。

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