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物忘れを防ぎ、記憶力を高める10の習慣

日経ウーマン

2016/10/17

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日経ウーマン

人の名前を思い出せない、やるべきことをすぐに忘れる……これって年齢のせい!? 物忘れの激しさに焦りを感じる働き女子に、記憶の専門家がアドバイスします。

■日々の生活習慣を見直して、記憶力抜群の脳をつくろう

「日経ウーマン」の読者アンケートでは、働く女性の4人に3人が「記憶力が落ちていると思うことがある」と回答。記憶力に自信がない人も半数以上だった。

「やるべきことを忘れたり、物覚えが悪かったりするのは、一時的な記憶をつかさどるワーキングメモリーの働きが鈍っている証拠」。そう話すのは、脳の働きに詳しい早稲田大学研究戦略センター教授の枝川義邦さん。

「記憶には大きく分けて、短期記憶と長期記憶があります。短期記憶は一時的に保存する情報で、数秒から長くても数日で消えてしまうもののこと。人の名前や今日やるべきことなどは、短期記憶に含まれます」

睡眠不足や心身の疲れがたまった状態だと脳がうまく働かず、脳のワーキングメモリーが小さくなってしまい、記憶力が低下しがちになる。メモリーをフルに使えるようにするには、まずは睡眠と運動を見直し、日々の生活を整えることが不可欠だ。

「具体的には、6時間半から7時間半の睡眠を取ると同時に、少なくとも週に2~3回、20分程度の軽い運動を取り入れて。脳の血流が良くなり、仕事の処理能力や記憶力が改善します」

運動には記憶力アップだけではなく、脳の老化を防ぐ効果も期待できる。「アメリカのUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究で、運動習慣が脳内の情報伝達物質であるニューロンの加齢による減少を防ぎ、さらに増やす効果があることが分かっています」

脳のワーキングメモリーを必要以上に使わないよう、ノートや手帳、付箋、スマホなどに忘れてはいけないことを記録するのもおすすめだ。記憶ではなく記録にすることで、脳にかかる負荷を減らすことができる。

脳の働きを活発にするには、向上心や興味を持って新しいことにチャレンジするのも効果的。「資格取得のために勉強をしたり、仕事を通じて新たな情報をインプットし続けたりすると、大人になっても新しいニューロンが増えるといわれています。記憶力の低下を『年齢のせいだから……』などと考えてはダメ。いくつになっても学ぶ姿勢を持ち続けて、若々しい脳をキープしましょう」

とにかく物覚えが悪い

→【習慣1】6時間半~7時間半、睡眠を取る

「脳を若く保ち、記憶力を維持するには最適な睡眠を心がけることが大切です。脳は、人が寝ている間に記憶の整理をすることが分かっています。睡眠時間と脳の認知機能との関係を調べたイギリスの研究では、記憶を維持する上で最適な睡眠時間は6時間半~7時間半とされています。試験対策などで寝ずに勉強をすると、記憶力と同時に集中力も落ちるので逆効果。一方で、寝過ぎて1日のリズムが崩れてもよくありません。寝過ぎは禁物です」(枝川さん)

やるべき仕事を忘れがち

→【習慣2】昼間に10分、目をつむって深呼吸

「仕事量が多い人、午後になると集中力が途切れがちな人は、昼食後に10分程度の昼寝をするのがおすすめです。公園のベンチや電車の中で10分、目をつむって過ごすだけでもOK。脳の働きがクリアになり、記憶力が正常化されると同時に疲労感も低下し、集中力が回復します。昼寝の習慣がある人は、昼寝をしない人に比べてアルツハイマー病の発症率が5分の1との研究結果もあります」

暗記が苦手!

→【習慣3】単語や数字は「グループ」にして覚える

「英単語や数字は単体で暗記するよりも、英単語なら例文を読んだり類語と一緒に覚えたりと、関連情報と組み合わせてインプットしたほうが、記憶を引き出す際のフックが増えて思い出しやすく&忘れにくくなります。桁数の多い数字は3~4桁ずつなど、自分が覚えやすい文字数で区切って塊をつくると(チャンク化)、脳がインプットする際の負荷が軽減されて、覚えやすいです」

記憶力の低下が不安…

→【習慣4】夜に納豆+卵かけご飯を食べる

「納豆と卵をかけたご飯は、記憶力の維持に役立つパワーフード。納豆は良質な植物性タンパク質に加えて、記憶力を高める効果が期待できる『レシチン』や血流を良くするとされる『ナットウキナーゼ』を含みます。また、卵からは脳の記憶形成を助ける働きが期待される『コリン』や『レシチン』を摂取できます。さらに、ご飯などの糖質は脳の唯一のエネルギ-源です。なお、納豆は夜に食べるのが効果を得やすくてベストです」

暗記したくても集中できない

→【習慣5】25分集中したら、5分休む

「ついダラダラとしてしまいがちな人は、学習時間を30分単位に区切って暗記をするのが効果的です。30分のうち25分は集中して机に向かい、残りの5分はストレッチをする、お茶を飲むなど勉強から離れて気分転換。これだけで脳の疲労感が軽減され、集中力が高まります。5分休憩したら、1分程度かけて直前の25分で学んだことに目を通した上で新しいことを暗記すれば、記憶の定着度も高まります」

覚えてもすぐ忘れちゃう

→【習慣6】テスト形式で知識をアウトプット

「脳には、アウトプットを前提に情報をインプットすると、働きがスムーズになるという性質が。資格試験の勉強では、単に参考書を覚えるだけではなく、学習したことをテスト形式で確認する時間を持つほうが記憶に定着しやすいのです。間違った部分を復習するときには、合っていた部分も含めて確認を。そのほうが、間違った部分だけを繰り返し復習するよりも記憶に残りやすいという研究結果が出ています」

学んだことが右から左…

→【習慣7】行ったことのないカフェで勉強する

「記憶には、感情を揺さぶるような経験を伴ったほうが定着しやすくなるという性質があるため、読書や勉強をするときには、初めて行くカフェなど、普段とは異なる場所で行うのがおすすめです。記憶を引き出す際に、『緑の多いカフェで、カフェラテを飲みながらテキストのこの部分を読んだな』といった具合に、勉強をしていたときの情景が記憶のトリガーになってくれます」

見たテレビの内容を覚えておきたい

→【習慣8】友達や家族に分かりやすく話す

「脳に入れた情報を分かりやすくアウトプットするには、頭のなかで情報を体系立てて理解し直すことが不可欠。その作業を通じて、脳は『これは大事な情報なのだ』と判断し、記憶の定着度が高まります。さらに、声に出して説明することで再度耳から情報が入力され、より記憶が定着しやすくなったり、友達や家族とのやり取りを通じて最初に理解していたのとは別の側面が見えて知識が深まったりします」

読書の内容が頭に残らない

→【習慣9】「感想日記」をつける

「感情が伴う記憶ほど長く残りやすいので、本を読むときは内容を追うだけでなく、本を読んで自分はどう感じたのかを言葉で表現することが効果的です。ブログやツイッターなどに感想を投稿するのもおすすめ。感想を読んだ人からのコメントや質問に回答をするなどのやり取りが生まれると、読んだ本にまつわるエピソードが増え、より記憶に残りやすくなります。一方、1日に1冊読むなどを目的にルーティン化してしまうと、内容が記憶に残りにくくなります」

人の名前をすぐに忘れる

→【習慣10】会話をしながら、相手の名前を何度も呼ぶ

「脳は繰り返し入ってくる情報ほど必要だと判断し、長く記憶に残そうとします。人の名前を覚えたいなら、一緒にいるときに相手の顔を見ながら、意識的に何度も名前を呼ぶのがコツ。名前を呼ぶ回数が多いほど脳が必要性を感じ、短時間でも覚えやすくなります。また、初対面の人に会う前に、その人の名前を口に出しながら外見や話し方を頭のなかで想像しておくのもおすすめです。実際に会って『イメージと違った!』と思うのも、印象に残るきっかけに」

この人に聞きました

早稲田大学 研究戦略センター教授
枝川義邦さん
東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了後、大学で研究や教育に従事する傍ら、早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。脳の働きや人間の行動についての研究を行っている。『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』(明日香出版社)、『「覚えられる」が習慣になる! 記憶力ドリル』(総合法令出版)など著書多数。

[日経ウーマン 2016年10月号の記事を再構成]

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