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ファッションの伝道者はなぜ毎週、山に登るのか

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NIKKEI STYLE

週末、山へ向かう人が増えている。「日本百名山」巡りが中高年の趣味として定着しているが、近ごろは健康志向やネーチャー意識の高い20、30歳代が「ハードすぎない山歩き」を楽しむようになってきた。シーズンには毎週のように登り、この2年間で68の山頂を踏んだ、37歳のファッションPR会社代表、鈴木貴之さんに山で過ごす意味や楽しみ方を聞いた。

きっかけはキャンプの延長

――何がきっかけで山に登り始めたのでしょうか。

もともと仲間とキャンプによく出掛けてテントを張っていたのですが、ある日、「もうひとつアクティビティーを加えたいね」という話になり、山に登ろうという流れになりました。この時は東京・奥多摩の大岳キャンプ場にいたので、テントを張ったまま、そこにある大岳に向かいました。1266mと高すぎない大岳はデビューには手ごろでした。天気は雲一つない快晴で、風もなし。天候に恵まれたおかげで、登った先に待ち受けていた景色が最高でした。あの感動は今でも忘れられません。それがきっかけになって、「次は山をメーンの目的に据えた登山に行こう」という話になりました。あの日、天気がそこまでよくなく、雲が多くてガスっていたら、ここまで山好きにならなかったかもしれません。文字通り、「天の配剤」でした。

夏場はほぼ毎週ペースで

――いつごろから登り始め、今はどのくらいの頻度で登っていますか。

本格的に登り始めたのは、2014年9月からですから、ちょうど丸2年ぐらいです。14年9月からは1カ月に1度は必ず山に行ってます。ただ、夏の間は行けるときはいくらでも行きたいので、月に3回ぐらい行くときもあります。

――最近登った山で記憶に残っているのは。

白馬岳~朝日岳(北アルプス後立山連峰)を8月中旬に4日間かけて、テント泊で縦走しました。18kgのリュックを背負って、4日間でトータル75kmぐらい歩きました。体はつらかったけど、毎日出合える素晴らしい景色のおかげで、しんどいことも忘れ、またすぐに行きたいと思いましたね。降りてきたくなかったです。

手が届きそうな満天の星

――山で過ごすメリットは何ですか。

山の頂近くで夜中にふと目が覚めて、テントを開けてみると、東京では目にできないような全方向の星空が天然のプラネタリウムのごとく広がっています。障害物のない地平線から上がってくる朝日、手が届きそうに近く見える満天の星をただ見るだけでも幸せな気持ちになります。そういったものすごく壮大な景色を見るとやはり心が洗われる思いがします。涙が出そうになるほどきれいな景色を見ると、リフレッシュできるうえ、すがすがしい気持ちになれます。

山に行っていなかった頃の休日は東京の街中で買い物をしたり友達とお茶をしたり、美術館や舞台を見に行ってもいましたが、山に行き始めてからは今まで以上に新しい発見や初めての経験ばかりでした。見たことのない景色に出合えるし、珍しい植物、昆虫などもいます。想像もできなかったような自然現象と時に遭遇できることもあります。

日常との物理的「切断」

――山ライフや旅は仕事にどんなプラスをもたらしていますか。

ファッションブランドのPRをサポートするという仕事柄、平日はおしゃれの街、原宿、表参道、青山あたりで過ごすことが多くなっています。自分のオフィスも原宿にあります。山登りを始める前は、土日を友達と都心で過ごすことが多く、1週間ずっと同じエリアに通っているのが当たり前でした。生活の行動範囲が狭くなっていました。でも、山に行き始めてからは土日は携帯電話の電波も届かないような自然の中に身を置いていて、物理的に都会暮らしと切断できるようになりました。

気分まで晴れ渡るような景色を頂上から眺めていると、自分は別世界に今、いるのだという実感がわき上がって、平日とのメリハリができます。山でしっかりリフレッシュして気力を充電できると、休み明けからの仕事もやる気が出ます。次の山旅が予定されていると、それを目先の目標として張りが出るという効果もあります。ちょっと気がかりなことがあっても、広大な絶景を見渡していると、そんな悩みはちっぽけだと思えるようになりました。電波が届かない状況では、結果的に外部から遮断されるので、仕事を離れての考え事にも向いています。下山までいっとき、仕事から解放されるのは貴重な体験です。

――仕事へのプラスのほかに、よかったことや気持ちの変化が起きた点はありますか。

仕事のストレスを晴らしたいという気持ちも手伝ってか、土曜の朝一から山に向かうようになったので、金曜の夜中は飲まなくなりました。体力がつき、重心がしっかりした気がします。初めて本格的な山に登ったのが、「日本三大急登」とも呼ばれる谷川岳(1977m)でした。ロープウエーを使わずに西黒尾根という登山道から登ったのですが、高低差が1200mほどもあり、初心者にはかなりハードでした。最初の30分間でギブアップしそうになりました。そのちょうど1年後にどれぐらい体力がついたか、歩き方がうまくなったかなどを確かめるために同じルートで登ったところ、まだまだ行けるなと感じるぐらい気持ちよく登れました。わずか1年間でだいぶ体力がついたなと実感した瞬間でした。

自然に広がる「山つながり」

――山での人との出会いやつながりはありますか。

道中で歩いているときや休憩している間、そこで出会ったり通りすがったりした人たちは多くが同じ趣味であり、同じ目的があってそこに集まっているので、老若男女どんな人とでも会話が弾みますね。どこのルートから来たかとか、どの方面に行くのか、最近はどこに行ったか、今度はどっち方面に行くつもりかなど、話が尽きないですね。山小屋に泊まったときも同行の人と話が盛り上がることがよくあります。普段の仕事や居場所を離れて、全く違う人づきあいが始まるという、そんな出会いも山の魅力のひとつです。一緒に登っている山仲間も今は家族のような感じです。お互いを信頼していなければ一緒には登れないですからね。良い仲間ができました。

――トレッキングはしますか。

現地の感じでトレッキングに切り替えることもあります。たとえば、尾瀬に行ったときは目の前に燧ケ岳(ひうちがたけ、2356m)があったのですが登頂はせず、トレッキングだけしました。ミズバショウの季節でお花を見ながら、木道を歩くだけでもとても気持ちが良かったので、トレッキングを選びました。体力的にハードな登山はきついという人にも、無理せずに済むトレッキングは向いています。

いつかは踏みたい「あの山」

――これからも続けるつもりでしょうか。

登山中にすれ違う人は若い人もいれば、お年寄りも珍しくありません。70代ぐらいでひょいひょい登っている方々とよく出会います。そういった先輩を見るたびに、長く付き合っていける趣味ができたなと感じます。まだまだこれからも続けるし、どんどん高いところや難所に挑戦していきたいと思います。

――将来はどんな山に登りたいですか。

この2年で約70の山に登頂しましたが、実はまだ富士山には登っていないのです。一度は行きたいなとは思っているのですが、山の上から富士山を見るのが好きで、その富士山を踏みしめてしまったら見えないのが悩ましいところ。小さな夢は富士山ですが、大きな夢はエベレスト(8848m)です。登頂はさすがに難しいので、ベースキャンプのある中腹部あたりにはいつか登ってみたいですね。それでも富士山より上の5200mもの高さにあるんです。山や自然に関することを職業にすることができたらいいなとも考えています。そうなれば休みの日だけでなく、心置きなくいつでも山や大自然の中にいられますしね。

鈴木貴之(すずき・たかゆき) 主にファッションブランドのPRをサポートする「Stroller(ストローラー) PR」代表。プロモーション戦略を立案し実現するサービスを提供。ブランド側と雑誌、テレビなどのメディアをつなぐ業務を手がける。主な担当ブランドには「Rawtus(ロゥタス)」「LOKITHO(ロキト)」「CINOH(チノ)」など。1978年東京都出身。

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