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睡眠より仕事に直結! マインドフルネスで脳を鍛える

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
気づいたら関係ないことを考えている、頭がぼんやりして集中できない――情報過多の中、現代のビジネスパーソンは常にマルチタスク状態に追い立てられている。こんな状態の中、「疲れている」と自覚している人も多いのでは? 本特集では、疲れ切った今の状態をなんとかして、日々のパフォーマンスを向上させたいと思っている人のための生活術をお届けする。
 第1回は「瞑想(めいそう)」。最新の脳科学研究によって、瞑想がストレスを軽減し、集中力や創造性を高めることについての検証が始まっている。意識が「今ここ」に集中した状態を「マインドフルネス」と呼び、仕事のパフォーマンス向上や生活の質の改善に役立てる動きも広がっている。組織の健康づくりに関する調査・研究を行い、マインドフルネスの普及にも力を入れている会社Campus for H(東京・渋谷)のリサーチマネージャー・西本真寛さんに話を聞いた。

仕事で成果を上げるには睡眠よりも瞑想?

「マインドフルネス」とは、自己の内面を観察することによって、注意の向きをコントロールし、「今ここ」に集中している状態、あるいはそのためのメンタルトレーニング。これによって認知や感情、行動に影響を与え、生活の質を高めることができるといわれている。

マインドフルネスのためのトレーニング方法の一つが瞑想で、Campus for Hは2014年、日本人約1470人を対象に、瞑想などの健康行動と仕事のパフォーマンスの関係を調査した(※1)。これによると、瞑想習慣のある人は、瞑想習慣のない人に比べて、「ワーク・エンゲイジメント(働く人がどれだけ生き生きとしているかを測定する概念)」「自分で自覚する仕事のパフォーマンス」「仕事の満足度」が高かったという。

「興味深いことに、仕事のパフォーマンスとワーク・エンゲイジメントは、睡眠よりも瞑想の方が関連が強かったのです」(西本さん)

※1 「健康行動と仕事のパフォーマンス関係調査」結果(http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0128287)

※2 図中の「0.1%水準で有意」とは、研究でみられた関連性が偶然に過ぎない可能性が0.1%あるということ。同様に、5%水準で有意であれば、研究でみられた関連性が偶然に過ぎない可能性が5%ということだ。つまり、有意水準の値が小さいほど、関連性のある可能性がより高いことを意味する。

マインドフルネスは次世代のメンタルトレーニング

マインドフルネスは禅の瞑想を起源とする。瞑想にストレス軽減効果があることに注目したマサチューセッツ大学医学部のジョン・カバット・ジンが、1979年に瞑想の宗教的側面を切り分け、そのテクニックだけを標準化したプログラム「マインドフルネス・ストレス低減法」を開発。主に医療の分野で、ストレス低減や慢性的な痛みの緩和への効果が検証され、利用されてきた。

さらに、近年の脳科学の進歩によって科学的な検証が重ねられ、マインドフルネスが医療分野だけでなく、ビジネス分野のパフォーマンス向上や、職場の人間関係改善に寄与する可能性の検証が始まり、より注目されるようになってきた。

「海外の企業で、リーダーシップ育成につながるメソッドの一つとして導入され、広まりました。その代表例が、グーグルの能力開発プログラム"サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)"です。こうしたマインドフルネスが逆輸入される形で紹介され、日本でもマインドフルネスや瞑想を実践する人が増えてきました」(西本さん)

瞑想がパフォーマンスに与える効果

瞑想するときは、姿勢を正す「調身」、呼吸を整える「調息」、心を整える「調心」が基本だ。詳しい実践方法は第2回で解説するが、正しい姿勢で深い呼吸をすることにより、自律神経系・内分泌系のバランスが整い、心身が落ち着きストレス低減につながる。

「体を活発に活動させるときに働く神経を『交感神経』、体がゆったりしているときに働く神経を『副交感神経』と呼びます。息を吸うときは交感神経優位、吐くときは副交感神経優位になりがちですが、息を吸うよりも吐く時間を長くすることによって、副交感神経優位にしやすくし、緊張状態や興奮状態から脳を解放できます」(西本さん)

また、瞑想のストレス低減効果は、瞑想をすると認知機能や非認知機能にかかわる脳の部位が活性化することとも関連があるのではないかと考えられている。

例えば「集中瞑想」といって、自分の呼吸など一つのものに注意を集中させる瞑想法をする間には、脳の前頭前皮質(PFC)といった認知(集中力、記憶力、意思決定など)に関わる領域が活性化し、パフォーマンスを向上させられるのではないかと考えられる。

一方、「観察瞑想」といって、湧き起こる思考や感覚をそのまま観察する瞑想法では、集中瞑想とは別のネットワークが活性化する。それは「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる、頭で何も考えていないアイドリング状態のときに活動レベルが高まるネットワークで、過去のさまざまな感情や記憶をつなぎ合わせるときに重要な働きをする。

「DMNが暴走すると、マインドフルネスと反対のマインドワンダリングという、ぼーっとした状態になって、ぐるぐると考え込んでしまうということが起こり得るのですが、観察瞑想では、今、身の回りで何が起こっているかを俯瞰(ふかん)することで、注意をコントロールした状態の中で安全にDMNを活性化できると考えられています」(西本さん)

観察瞑想によってDMNが活性化すると、想像力や発想力が高まると考えられるだけでなく、感情やコミュニケーション能力に関わる部分も活性化するので、対人関係やチーム力などにも影響を与えるのではないかと研究されている。

考え方を変えるのではなく「今ここ」に注意を向けるとは?

マインドフルネスとは、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」だという。これまでの自己啓発が「考え方を変える」ことを目標としてきたのに対して、マインドフルネスは「注意の向け方を変える」ものであり、「今この瞬間を最大限に味わうこと」を重視しているのが特徴だ。

「『今ここ』に注意を向ける」と言われても、どういうことかピンと来ない人も多いかもしれないが、西本さんの次の説明を聞くと、「なるほど、そういうことか」と納得がいくに違いない。

「よく嫌なことがあると、いつまでも引きずって思い出したりしますね。今、目の前に嫌なことはなくても、過去のことに対して脳の領域を使うと、再び嫌なことがあったかのように脳はストレスにさらされてしまうと考えられます。今この瞬間に集中すると、過ぎてしまったストレス、あるいはまだ起こってもいないあすのストレスに、わざわざ脳をさらさなくて済みます。ストレスをためるという言い方をしますが、マインドフルネスはその逆という意味で"リラックスをためる"トレーニングの一つなのです」(西本さん)

ただし、リラックスはマインドフルネスによって得られる効果の一つにすぎない。前述の通り、マインドフルネスは集中力や記憶力、意思決定力、コミュニケーション能力など、仕事や生活全般に通じる脳の基礎力を鍛えるメソッドなのだ。また、心理学者の中には「1日の脳の意思決定の量は限られていて、意思決定を繰り返すことで脳が疲れるが、瞑想を行うと脳のキャパシティーを増やすことができ、疲れにくくなる」と考える人もいるという。瞑想は「疲れにくい脳をつくる」トレーニングとも言えそうだ。

では、具体的にどのように瞑想を実践すればよいのだろうか。第2回では瞑想のコツをご紹介しよう。

西本真寛(にしもと・まさひろ)さん
 Campus for H リサーチマネージャー・公衆衛生学修士。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は組織における健康づくり、特にメンタルヘルス(精神保健)。キャンパスフォーエイチはマインドフルネスのアプリ「MYALO」もリリース。

(ライター 塚越小枝子)

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