ベッドマットを製造販売するドリームベッド(広島市)はホテル向けの製品を拡充する。マット内部でスプリングが入っている「ポケットコイル」部分を厚くし、寝心地を良くした製品を開発する。外資系ホテルからは一般的なベッドマットより10センチメートル程度高い、厚さ30センチメートル以上のマットの引き合いが増えている。2017年をメドに発売する。東京五輪を控え、インバウンドの増加でホテルから外国人が好むマットの需要が増えていることに対応する。もっと読む
2020年の東京五輪・パラリンピックではトイレが注目を集めそうだ。空港や駅では美術館のような内装の美しいトイレがお目見えし、訪日客が写真や動画に収めている。TOTOの昨年10月の調査では、訪日客の70%が日本のトイレの「温かい便座」に感動したと答えた。「宿泊施設に期待するものは?」との問いに57%が「トイレ」と回答。「接客」(58%)とほぼ同じぐらい高い期待を寄せている様子がうかがえる。前回の東京五輪が行われた1964年には、ユニットバスが開発され、一般家庭に風呂が広がるきっかけになった。この年は伊奈製陶(現LIXIL)がスイスから輸入した医療用の温水洗浄便座の販売を始めた年でもある。トイレは日本文化を発信する観光資源となるかもしれない。もっと読む
首都圏の観光施設や鉄道駅などでも、トイレを清潔で使いやすくする動きが広がっている。東京五輪やインバウンドの急増に合わせ、訪日客に快適に使ってもらおうと、企業や自治体、公共施設などで洋式トイレへの切り替えや、登山道のトイレの水洗化が進んでいる。手すりや温水洗浄便座はもはや一般的で、混雑解消に向けた個室の増設や、施設の共用通路の起伏や段差を解消したバリアフリー化も。さらには、女性や子供向けの化粧コーナーや授乳室、ハンドドライヤーや仕事帰りの乗客が私服に着替えるための着替え台を個室に設置した私鉄駅も登場した。もっと読む
こうしたトイレの改装ブームに販売サイドも動き出した。住設機器卸のさかもと(宇都宮市)は土の風合いや陶器の質感など全面に和の色をあしらった便器を今秋にも売り出す。衛生陶器メーカーのジャニス工業から白い便器を調達し、独自に朱や群青、漆黒に塗装する。壁や照明などトイレ全体についても便器に合わせて和風に設計する。日本の通常のトイレに比べて外国人観光客の満足度が高いとみており、東京五輪を控えホテルや旅館に売り込む。もっと読む
東京都内のホテルも訪日客の好みを取り入れる動きを活発化させている。和風のデザインを前面に出した改装が進んでいる。客室は「茶室」、廊下やエレベーターホールは「茶庭」に見立ててデザインした客室を稼働させたり、和紙や木材を多用した客室を用意したりするなどして、日本の良さを体感してもらう。観光需要が高まる2020年の東京五輪に向け、訪日外国人客を中心に取り込む狙いだ。もっと読む
ただ、異文化の融合にはこんな問題も浮上している。首都圏の温浴施設や旅館でタトゥー(入れ墨)をしている人の入浴を認めるかで対応が分かれている。もともとは暴力団排除を目的とした「入れ墨お断り」。ファッションのほか文化的な理由で、タトゥーをしている外国人観光客の来館が増えており、対応に揺れる。シールで隠すなどの対応で認める施設も登場している。ただ、他の利用者への影響を懸念し、慎重な施設が大半だ。増え続ける外国人と既存の顧客への配慮との間で各施設は頭を悩ませている。もっと読む