マネー研究所

ヴェリーが答えます

「グロソブ」の分配金なぜ下がった? 運用環境が悪化

2016/10/11

グローバル・ソブリンの毎月の分配金が20円から10円に下げられました。分配金の仕組みを教えてください。(佐賀県、50代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

三菱UFJ国際投信が運用する投資信託「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」のことですね。これは運用期間が18年を超えるロングセラー商品です。日本に比べて高い利回りを得られる欧米の国債を中心に運用し、その配当収入や売買益を投資家に毎月分配金として還元する仕組みが人気を集めました。最盛期は購入者を意味する受益者が150万人、純資産残高は5兆7685億円に達しました。

投資家が毎月受け取れる分配金は1万口(基準価格)あたりで表示されます。2000年当時は60円でした。基準価格7000円を基に計算すると、1000万円を投じていたら、月8万円強の分配金を手にできたのです。銀行の預金金利が0.1%以下の時代、年金の上乗せになると高齢者が殺到したのもうなずけます。

ただ、この毎月分配金は徐々に引き下げられ、今年8月にはとうとう10円になりました。原因は運用環境の悪化です。世界の中央銀行が金融緩和を実施するなかでマネーが国債に集まりすぎて利回りが低下しました。円高も逆風となり、分配金原資が減り、会社は「分配金を引き下げざるを得ない」と判断したのです。

運用成績が悪いのに過分な分配金を出し続けると、運用資産を取り崩すことになって基準価格が下落する「たこ足配当」になります。同社もたこ足だと批判された時期もありました。今回は運用環境の悪化を映して分配金を引き下げ、体力に見合った分配を続ける方針を示しました。かつてほどの魅力はないかもしれませんが、分配金の健全性は高まったといえるでしょう。

[日経ヴェリタス2016年10月2日付]

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