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カレー・ケロリン… ご当地商品、自販機でPR

2016/10/9

「カレーランド」の自販機は全国のレトルトカレー15種類を扱う(東京都台東区)

ご当地商品をそろえた自動販売機が続々と登場している。特産物入りのレトルト食品、珍味、地域ゆかりの事物をかたどったフィギュアなどが、都市部にいながら手に入る。地元への関心を集めたい自治体や企業がPRに活用し、売り上げを伸ばしている。物珍しさから購入する訪日外国人も増えているという。

東京・浅草のカレー専門店「カレーランド」の店舗横にはご当地レトルトカレーの自販機がある。青森の「大間まぐろカレー」、岐阜の「飛騨牛カレー」など、カレーランドを運営する猪俣早苗代表取締役が夫婦で探した全国数百品の中から、15品を選んで販売している。

価格は400~600円台が中心。通常のレトルトカレーよりも高めだが、今年3月の設置以降、仕事を終えた会社員や子連れの主婦など幅広い層が利用する。「店の営業時間外によく売れる」(猪俣氏)。夕方に補充しておくと、翌朝には売り切れている場合も多いという。

東京メトロ東京駅構内に設置された富山県のご当地自販機(東京都千代田区)

富山県は東京メトロ東京駅(東京・千代田)に「ご当地自動販売機」を置いている。ホタルイカ薫製(540円)をはじめ自慢の海産物を使った加工食品から、地元メーカーの大衆薬「ケロリン」の関連グッズまでそろえた。毎月15万円前後の売り上げがある。

昨年3月に北陸新幹線が開通し、東京から富山へのアクセスが大幅に改善した。県は日本橋や有楽町にもアンテナ店を設けているが、自販機は人手をかけずに特産品を常時販売できる。「ほかの自治体では例がなく、物珍しさもアピールできる」(県首都圏本部)と、PRへの活用を思いついた。

富山県のご当地自販機では大衆薬「ケロリン」の関連グッズが手に入る(東京都千代田区)

昨年夏、東京メトロ有楽町駅に試験的に置いたところ予想を超える売り上げがあり、今年から北陸新幹線が発着する東京駅に移した。スマートフォンで自販機を撮影する通行客も多く、宣伝効果は上々のようだ。

自販機で外国人客に地域の魅力をアピールする動きも出てきた。JR東日本リテールネットは東日本旅客鉄道(JR東日本)管内の名物をあしらったフィギュアのカプセル自販機「ラッキードロップ」を、首都圏の駅に置いている。

JR東日本リテールネットの「ラッキードロップ」は地域色豊かなフィギュアを販売している

価格は1個400円。第1弾として2月に水戸黄門、納豆などをモチーフにしたフィギュアを首都圏や茨城の主要駅で販売。売り上げは想定の3倍に達した。その後も伊達政宗、松本城、群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」といった地域色豊かな商品を投入している。

フィギュアの造形は海洋堂が担当。リアルな造形とユーモラスな題材の組み合わせが人気だ

同社の担当者は「想定通り外国人の反応が良いが、地元の人も郷土愛から買っているようだ」と予想以上の手応えに驚く。フィギュアの造形は大手の海洋堂(大阪府門真市)が担当。リアルな作りとユーモラスな題材の取り合わせが人気を呼んでいる。

京都市伏見区の藤森神社にあるダイドードリンコの自販機は、購入後に神主の声で「幸運に恵まれますように」という音声が流れる。他にも地方の方言や外国語が流れたり、地方の名所に合わせたラッピングを施したりした自販機を各地に設置している。限定商品と合わせて訪日外国人や旅行客の目を集める。

日本自動販売機工業会(東京・港)によると、日本には500万台の自販機がある(2015年末時点、両替機などを含む)。台数こそ600万台超の米国に及ばないが、面積や人口を考えると普及率は世界トップクラスといえる。消費者に最も身近な販売ルートの一つである自販機で「おらが町」をアピールする動きは今後も広がりそうだ。

(下村恭輝、町田知宏、江口良輔)

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