2016/10/1

プ女子によるプロレス観戦術

諏訪魔選手はその勢いのままトーナメントを勝ち上がり、後楽園ホール大会(9月19日)の決勝でゼウス選手を破って優勝を果たしました。

団体を率いる秋山準選手(右)。風格が漂う

今の全日本プロレスの試合はとてもバランスがよく、観戦して「気持ちいい」と感じます。身長180cmオーバーの体格に恵まれた若手選手の頑張る姿。コミカルな覆面レスラーが子どもを楽しませる風景。確かな技術を持ったベテラン選手が相手をマットに投げつける「ボディースラム」一つで会場を沸かせる温かさ。見るからに非日常なバキバキの肉体を誇る選手、勢いに乗る若きチャンピオン、ひとクセもふたクセもあるジュニアヘビー級の選手。社長としても若手の壁としても存在感を放ち続ける秋山準選手。体格的にもこれぞプロレスラーという諏訪魔選手……。

必殺技の「エクスプロイダー」を仕掛ける秋山準選手(後方)

どこかノスタルジックな雰囲気と現在進行形の熱気がいいバランスでブレンドされて、「娯楽」として心地いいのです。大型のプロレスラーが活躍している点でも、ジャンボ鶴田選手(故人)や天龍源一郎選手(引退)に熱狂したお父さん世代が久しぶりに家族を連れて観戦するのに最適かもしれません。

全日本プロレスは2000年代初めに新日本プロレスから移籍した武藤敬司選手が社長に就任。その後2013年に武藤選手が立ち上げたWRESTLE-1と2派に分裂し、ここ数年は観客動員も苦戦が続いていたようですが、若手選手も育ち徐々に熱気を取り戻しつつあります。上昇していく途上の新日本プロレスに感じたような「熱風」を、今体感できる団体の一つが全日本プロレスなのです。

今回のイラストは決勝戦で決めた諏訪魔選手の必殺技「ラストライド」です。相手のコスチュームをつかんで高々と持ち上げる豪快なパワーボムです。まわりに散らばる花は「ランタナ」。カラフルで繁殖力旺盛な明るく・楽しく・たくましい植物です。花言葉は「合意・協力・確かな計画」。

(この連載は随時掲載します)

HIROKU./広く。鳥取県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業、2010年から本格的にプ女子活動をスタート。ブログ「プ女子百景《プロレス女子図鑑》」で、プ女子をモチーフにした必殺技のイラストを公開し注目を集める。『プ女子百景』(小学館集英社プロダクション)を出版。新日本プロレスのサイトなどでイラストを連載中。プ女子グッズの製作も手掛ける。