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その発想はなかった ピップの「悪臭退散マスク」

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日経トレンディネット

毎年、各メーカーから新たな切り口のマスクが発表される。花粉やウイルスをブロックする基本機能のほかに、化粧がつかない、口紅がつかない、呼吸が苦しくない、香り付き、耳が痛くならないなど、その特徴はさまざま。マスク大国ともいえるほど多種多様な製品が氾濫(はんらん)しているなか、ピップから今までなかった発想のマスクが発売された。

それが「悪臭退散マスク」だ。電車のなかなどで使う、悪臭をブロックするマスクだという。言われてみれば、あると便利だと思う。特に、年末の宴会シーズンなどに夜遅く電車に乗ると、車内にアルコールや焼き肉、にんにくなどのニオイがこもることが多い。

しかし、わざわざそのためだけに、専用のマスクを作ったことに驚いた。どんなきっかけで開発することになったのか、ほかのマスクとどう違うのか、ピップの開発担当者に話を聞いた。

きっかけは出勤時の電車

「朝、オフィスに入ってくると開口一番、『今日の電車は臭かった』と言う男性社員がいるんです。この言葉がきっかけでした」。そう話すのは、悪臭退散マスクを開発した、ピップ商品開発事業本部プロダクトマーケティング部新規開発課の角有沙子さん。

実際に、ピップが1万人に行った調査によると、他人のニオイが気になる人は女性で70%、男性でも50%になり、特に電車の中が気になると答えた人が69%だったという。さらにマスクでその状況を対処したかという質問(49人に対しての調査)には、47%の人がはいと答えた。しかし、マスクの対処の満足度は約40%と低かったのだという。

「ならば、悪臭を防御するためのマスクを作ろう、となりました」と、ピップ商品開発事業本部、プロダクトマーケティング部新規開発課の池田和宏課長は話す。もともとターゲットを絞った製品が多いことから話はとんとん拍子で進んだそうだ。

ターゲットは"6つの悪臭"

「最初は電車の中だけではなく、介護に携わる人もニオイ対策には苦労していると聞いていたので、電車の中の悪臭対策と介護時の2方向で調査を進めていました。しかし、介護はマスクだけでは不足という現状があり、現場でマスクを着けることも現実的ではないという声があったので、多くの人が必要とする電車の中の悪臭対策用に絞りました」(池田課長)

しかし、全て最初から作り上げるのではなく、従来の機能も使うことから始まったのだそうだ。

形状は市場で多く出ているプリーツタイプ。さらに鼻のカーブにフィットするノーズフィット仕様、花粉やウイルスをブロックする静電フィルター、一番内側の口元に当たる部分には肌あたりが良く、けば立ちにくい不織布を採用した。

ただ、それだけでは悪臭のターゲットとなるアンモニア臭や加齢臭のもとのノネナール、靴下のニオイのもとのイソ吉草酸、酢酸、そして排泄臭(インドール、硫化水素)をブロックすることはできない。そこで、従来のマスクが3層構造なのに対し、もう1層増やした。

「消臭フィルターとして活性炭や光触媒を用いたマスクがありますが、活性炭では消臭容量がいっぱいになるとニオイを吸着しなくなる。光触媒は光が当たらないとニオイを分解しないという欠点があります。この製品に最も合う消臭フィルターを探しました」(池田課長)

さまざまな素材を調査して新しく加えたのが、セラミックと金属イオンでニオイをブロックする消臭フィルター。「ナノレベルのセラミックスでニオイを吸着して、金属イオンでニオイを分解します。金属イオンの成分は企業秘密です」(池田課長)

消臭フィルターを加えて社内で試験を行ったところ、アンモニアはほぼ100%消臭、ノネナール、酢酸のほか、消臭しにくいとされる排泄臭のもと、硫化水素やイソ吉草酸も消臭できたという。

インパクトが強すぎる商品名とパッケージ

同社では、新製品の開発から発売までに2年半くらいの時間をかけるのだという。しかしこのマスクは、2015年夏に開発をスタートしてから約1年で発売にこぎつけた。

「2016年6月頭に社内で発表しましたが、その時にはまだ会社からの最終承認が取れていませんでした。見本品もできていなくて、パッケージも途中、商品名だけが決まっている状態でした」(池田課長)。承認が取れたのは、発表が終わった6月中旬。同社では異例のことだったようだ。

ちなみに、商品名は新規開発課のスタッフで毎週のようにミーティングを行い、最終的に絞られた50案の中から決まった。「『不快臭カットマスク』というネーミングが次点でした」(角さん)。

商品名に負けず劣らず、パッケージのインパクトも強い。「イラストにすることは最初から決めていました。オフィス、電車の中、人ゴミを想定したイラストをいくつも出して、一番分かりやすかった電車の中に決めました」(角さん)

実際に電車の中で使用してみた。一般的な使い捨てマスクよりも少しゴワゴワ、シャリシャリとした感触があるが、着けてみると意外と違和感はなくフィットする。さらに通常のマスクよりも周囲のニオイを感じなかった。

初期生産量は約8万枚と少なめ。発売開始は2016年9月12日だ。「ドラッグストアなどでもマスクがそろそろ並び始めますが、インパクトは負けないと思います。でも、インパクトが強すぎて手に取ってもらえるかどうかが心配ですね」(池田課長)

たしかに、手に取るのは少し勇気がいりそうだ。さらに目の前でこのパッケージを開けられたらショックだろう。しかし、「あえて目の前で開けることで悪臭に気づいてもらうという使い道もある」(池田課長)とも。

(ライター 広瀬敬代)

[日経トレンディネット 2016年9月12日付の記事を再構成]

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