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ペニンシュラホテル 東京五輪に向け単価アップ狙う 香港上海ホテルズのボーラーCOOに聞く

2016/10/22 日経産業新聞

訪日客の増加が追い風になっている「ザ・ペニンシュラ東京」

 2020年の五輪・パラリンピック開催地である東京での外資系ホテルの開発計画が相次ぎ明らかになっている。一方、高級ホテル「ペニンシュラ」を展開する香港上海ホテルズは既存拠点での客室平均単価を上げ、収益増を狙う方針だ。同社のピーター・ボーラー最高執行責任者(COO)に戦略を聞いた。

 ――来年に10周年を迎える「ザ・ペニンシュラ東京」の業績をどう評価しますか。

 「東日本大震災など色々な危機に直面した10年でもあったが、全体としてとても前向きにとらえている。海外からの顧客はもちろん、日本人の顧客に受け入れられており、宿泊のほかレストランやスパも使ってもらっている。日本人客のペニンシュラのブランドに対する認知度が高まり、海外に行った際、香港などグループのホテルに来てもらうといった良い効果も出てきている」

香港上海ホテルズのピーター・ボーラー最高執行責任者(COO)

 「今年1~6月は稼働率が前年同期より7ポイント下がった一方、客室平均単価は18%上がった。稼働率と客室単価を掛け合わせ、最も重きを置く業績の指標である『RevPAR(レブパー)』は9%上昇している。売上高は07年の開業以来で過去最高を記録した」

 「需要が旺盛な東京には、客室単価を高め収益を伸ばす余地がある。今後の収益の成長は、客室単価を高めることで確保していきたい」

 ――訪日客需要はどうでしょうか。

 「直近の2~3年は円安傾向にあり、外国人客の需要は非常に伸びてきた。日本政府が訪日客拡大に向けた様々な取り組みを進めており、特に東南アジアのインドネシアやタイなどではビザ発給条件の緩和効果もあって需要は好調だ。20年に向けて訪日客はますます増える。日本市場に対する期待は高まっている」

 ――都心では外資系ホテルの開発計画が相次ぎ明らかになり、競争は激しくなりそうです。

 「過去において五輪のような大イベントを開催する都市ではいずれも、ホテルが増えた。生き残るところもあり、淘汰されるところもあった。東京でも、同じ道をたどるのではないか。新しいサービスや技術の登場は刺激になるので、競争は歓迎する」

 ――日本国内で東京のほかに進出計画はありますか。

 「全く考えていない。当社では、金融でも、観光でも、その国の中心となる都市にホテルを設けるという方針がある。その国の中で2、3番目の都市に設けるという例はほとんどない。『日本では東京』ということだ」

 ――ザ・ペニンシュラ東京の建物は、100億円強で三菱地所から買い取りました。今後の投資計画はありますか。

 「将来は明るいと判断して資金を投じた。三菱地所との契約の形態は変わったが、協力関係は不変だと考えている。長期的な視野に立てば、改装はもちろん、新たなレストランをつくるなどの色々な投資が生じるだろう。ただ、現時点で具体的なものはない」

(聞き手は新沼大)

 Peter Borer 1981年入社。94年「ザ・ペニンシュラ香港」の総支配人に就き、99年にアジア地区総支配人となる。2004年4月より現職。

[日経産業新聞2016年9月28日付]

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