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「半透明」と「光沢」に注目 2016最新万年筆

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日経トレンディネット

万年筆は、ボールペンやシャープペンシル以上に、画期的な新製品が出るジャンルではない。もはや機構自体は完成しているようなものだし、シンプルな構造が魅力なので、新製品といっても、デザイン上の工夫やディテールの変化にとどまることが多い。

しかし、万年筆はシンプルだからこそデリケートな筆記具。微細な変化が書き味に影響するから面白い。2016年夏から秋には、デザイン上の工夫とベースになる万年筆の組み合わせが絶妙な製品も多く登場し、面白いラインアップになった。

世界限定2500本! 初心者でも使いやすい人気シリーズの最高峰

プラチナ万年筆の「#3776 Century」シリーズは、初めて万年筆を買う人に長く使える一本として薦められる万年筆の一つだと思う。ベースになっているのは、作家で万年筆コレクターである故梅田晴夫氏が中心とする研究グループとプラチナ万年筆が理想の万年筆を目指して作り上げた「#3776」だ。

「書く人のための万年筆」という#3776の理念を、最新の技術で現代の実用品に仕上げたのが、#3776 Centuryシリーズなのだ。その中心にあるのは、キャップをしていれば2年間放置してもインクが固まったり詰まったりすることなく、いきなり書き始めることができる「スリップシール機構」。さらに、インクの流れをスムーズにするために設計を見直したペン先など、本当に誰もが書きやすく、扱いやすいと感じられる万年筆になっているのだ。

その#3776 Centuryシリーズの発売を記念して作られた数量限定の万年筆が「富士五湖シリーズ」であり、「河口」はその完結編にしてシリーズ最高峰の製品となっている。最高峰といっても価格は2万5000円と、金のペン先を付けた万年筆としては標準的なのもうれしい。#3776 Centuryシリーズはその性能と同時に、買いやすい価格も魅力的なのだ。

河口もベースは#3776 Centuryなので、基本的な仕様は従来製品と変わらない。14金の大型ペン先にABS樹脂の軸、全長139.5mmと扱いやすい大きさで、インク供給はカートリッジ、コンバーター両用。しかし、軸の色は、朝日が昇る直前の深いブルーに染まった河口湖の水面を模したドーンブルーの半透明軸になっている。

その深い青の軸の表面には「光線彫り」が施されている。光線彫りとは、日本最初の実用的シャープペンシル「早川式繰出鉛筆」の復刻版を作る際にも活躍した、素材を削らずに凹凸を付けて模様を描き出す方法。本来は金属加工で使われるものだ。その光線彫りによって、河口湖の静かな水面にうっすらと映る富士山の影を表現している。

このところのプラチナ万年筆の製品に見られる素材表面の加工技術は、精緻な模様やデザインの美しさ以上に、手に持ったときにしっくりとなじみ、持ち心地の良さに直結している。ずっと握っていたくなるような独特のフィット感は、この河口でもしっかりと味わうことができる。

そのほか、天冠の部分にうっすらと映る富士山のシルエットや、文字が立体的に加工されたリング、微妙な曲線を描くクリップの形状など、細部までアイデアを出し惜しみせず、丁寧に作られていて見飽きない。インクが乾燥しにくいキャップのおかげで顔料インクなども安心して使えるし、手に収まるサイズ感や緊張せずに使える価格など、実用品としてのスペックが高いのが、何よりの魅力だ。

書き味はスーッと滑るように書ける。初心者の場合は書き慣れないと線が途切れることがあるが、そういうこともない。#3776 Centuryシリーズ共通の書きやすさは健在だ。筆圧をかけずに滑らせるだけでインクが紙に乗っていく快適さは、万年筆を使っている実感も味わえる。世界限定2500本だから、欲しい人は早めに手に入れておこう。

21金のペン先、宇宙空間をイメージした上級者用

万年筆の通販メーカー、ペンハウスのオリジナルブランドであるペントがセーラー万年筆とのコラボレーションで作り上げたのが、「プロフィットレアロ天空幻想」。その名の通り、ベースになっているのは低価格ながらインク吸入機構を内蔵したセーラー万年筆の「プロフィットレアロ」だ。

万年筆の場合、同じインクを使って毎日のように相当量の文字を書いている場合を除き、カートリッジ式よりもインク吸入機構内蔵式のほうがトラブルが少なく扱いやすい。カートリッジ式ほどインク切れから素早く回復できないが、カートリッジよりも色が選べるし、一度に入れられるインクの容量も多いし(セーラーのコンバーターの約2倍の1ccを吸入できる)、ペン先の洗浄などのメンテナンスもラクなのだ。

このインク吸入機構に21金ペン先を装備したのが「プロフィットレアロ」であり、これを半透明のラメ入り青軸でカスタマイズしたのが、「プロフィットレアロ天空幻想」だ。21金という、万年筆の中でも最も柔らかいタッチのペン先は、わずかな筆圧の変化にもビビッドに反応するため、普通に書いても表情豊かな文字になる。

とても繊細に反応するペン先なので上級者向けともいえるけれど、筆圧がもともと強くない人なら使えるはず。ちょっとした力の入れ具合でインクの出方から変わるので、毛筆が得意な人にも向いているかもしれない。また、細字のペン先でも引っ掛かりが全くなく、かなり細い線が書けるので、万年筆で細い文字が書きたい人にはこの万年筆の「細字」をお薦めしたい。

クリップやリングなどに使われている金属パーツはピンクゴールドで仕上げてあり、ちょっと色っぽい光沢が夜空のような色合いの軸にマッチし、しっとりとした華やかさがある。

半透明の青軸は最近ちょっとしたブームだが、こういう遊び心と大人っぽさの両方を感じさせる軸はほかに類を見ない。メーカー製品ではなく、ショップとのコラボ企画だからこそ実現した製品なのだろう。

キングダムノートとセーラーのコラボ、おいしそうな万年筆

インクを作れば、甲殻類やキノコ、昆虫といったシリーズを発表し、オリジナルの万年筆も立派な木の軸にアンモナイトの飾りが付いたものだったりと、独自のセンスを発揮するキングダムノートのオリジナル製品。夏の新作は、セーラー万年筆とコラボレーションした「京野菜」シリーズの第一弾、「万願寺とうがらし」と「鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃ」だ。

ベースになっているのは、セーラー万年筆「プロフェッショナルギア」のスリムタイプ。14金のペン先、小さな手でも扱いやすい小ぶりのボディーで、上下が平たいベスト型。買いやすい価格なのに、性能面が充実したモデルだ。これに、キングダムノートが京野菜のイメージを重ねた。ベスト型を選んだのは、自然の野菜のゴツゴツした不格好な感じを表しているのだそうだ。また、スリムタイプにすることで価格を抑え、シリーズを集めてもらいたいという意図もあるという。

これが、よくできているのだ。鹿ケ谷かぼちゃのキャップ部分のかぼちゃっぽい緑の発色や、万願寺とうがらしの透き通るような瑞々しい緑は、野菜のイメージそのまま。写真よりも手に取って見るほうが、その再現性の高さが分かりやすいと思う。キャップと首軸、胴と尻軸で濃さの異なる緑を使ってとうがらしの緑のグラデーションを表現したり、キャップを取るとかぼちゃの中の黄色が首軸で表現されていたりと、芸が細かいのだ。

限定50本ずつ作られたが、鹿ケ谷かぼちゃ、万願寺とうがらしともに完売になってしまったようだ。しかし、秋以降にシリーズの新作が登場するそうなので、興味を持った方はぜひチェックしてほしい。

大注目! 台湾ブランドの秀逸万年筆

このところ、万年筆好きの間で話題になっているのが、台湾メーカーのツイスビーだ。透明軸に独自のインク吸入機構を内蔵し、しかも低価格のわりに普段使いには十分以上に書きやすいペン先とインクフロー。欠点が見当たらないのだから、評判になるのも無理はない。

現在の万年筆ブームの大きな柱の一つである、さまざまな色のインクが使えるという点で透明軸が人気なのだが、ツイスビーの万年筆はなんと5000円以下で、軸内に直接インクを入れられるインク吸入機構内蔵型を採用。コンバーターと違って、入れたインクの色がよりクッキリと見えるため、インクを楽しみたい人にピッタリの万年筆なのだ。

さらにマニア心をくすぐるのが、分解用の工具が付いていてインク吸入機構部分を分解できること。もし、ピストン部分がうまく動かなくなっても自分で調整できるし、そこまででなくても、インクの色を変えたいときの内部の洗浄も分解できるとラクで早いのだ。さらに、ピストンの動きが悪くなったときに使うオイルまで付属している。

今回紹介している「エコ」というタイプは通常のピストン型のインク吸入機構を内蔵したモデルだが、このほかにもインクを軸の中に一気に入れる「ブランジャー型」や、特殊なインクビンを使うことでインクビンから軸にインクを直接入れられるタイプなども用意されているなど、それぞれが個性的で面白い。

ペン先はスチール製ながら引っ掛かりがなく、スイスイ書けて心地良い。この価格でこの書き心地なら何の文句もない、というレベルの高さだ。

機能充実、1000円とは思えないヒット万年筆

プラチナ万年筆の「プレジール」は、いわゆる低価格万年筆だ。価格は1000円なのだから、低価格なのは間違いない。しかし、このプレジールは、子ども用でもなければ玩具でもなく、大人が普通に使える万年筆なのだ。アルミ製の太めの軸に大きなキャップは存在感も十分。ステンレス製のペン先は、万年筆らしいスムーズで軽い書き心地。そして、キャップさえしておけば、1年間放置してもインクが固まったり詰まったりせずに、すぐに使える「スリップシール機構」も搭載しているのだ。

もっとも、例えば#3776 Centuryシリーズに搭載されているスリップシール機構は2年間の放置に耐えるので、当然、プレジールに内蔵されている機構とは品質が違う。しかし、それは価格差を考えれば当たり前。1000円の万年筆が1年間の放置でも問題なく使えるというのは世界的にも例のないことだと思う。

そのプレジールの新色「ノバオレンジ」はもはや1000円とは思えない見事な発色で、ビジネスで使っても恥ずかしくない万年筆に仕上がっている。染色や磨き工程の試行錯誤を繰り返して作ったというだけあって、この落ち着いた色なのに光沢もある。華やかだけれど派手過ぎない見事な発色。製造が追いつかないくらい売れているというのも納得だ。首軸をスモークを掛けた半透明のグレーにしているのも、高級感があって良い感じ。インクはカートリッジ式だが、自己責任のうえで、プラチナのコンバーターを使うことも可能だ。

(ライター 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2016年9月13日付の記事を再構成]

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