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国内で1日に刊行される新刊書籍は約300冊にのぼる。書籍の洪水の中で、「読む価値がある本」は何か。書籍づくりの第一線に立つ日本経済新聞出版社の若手編集者が、同世代の20代リーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介するコラム「若手リーダーに贈る教科書」。今回の書籍はファミリーレストラン大手、サイゼリヤ創業者の正垣泰彦氏の「サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」。2011年に日経BP社から刊行された「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」を文庫化にあたって、加筆・改題したものだ。低価格メニューを強みとする「サイゼリヤ」の創業までの足取り、安さの秘密に迫った。

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サイゼリヤ会長 正垣泰彦氏 (撮影 菅野勝男)

著者は1946年兵庫県生まれ。東京理科大学に在学していた67年、レストラン「サイゼリヤ」を千葉県市川市に開業しました。飲食店の皿洗いをしていた時のアルバイト仲間に、「おまえと一緒に働きたいから、ぜひ店を開いてくれ」とおだてられて始めたのがきっかけです。しかし、最初の店は青果店の2階で、人目につきにくいこともあり、お客さんは全く来ませんでした。

深夜まで営業をすれば集客できるだろう、と営業時間を朝の4時までのばしたところ、地元のならず者のたまり場になり、客同士のけんかで石油ストーブが倒れ、店は燃えてしまいました。しかし、68年の大学卒業後、再オープン。その後、低価格メニューの提供で飛躍的に店舗数を拡大し、2000年には東証一部上場を果たします。

7割引きにしてつかんだ客数

 どうにか給与水準を自動車産業など他産業並みにしたい。社員たちに定年退職まで十分な給料を支払いたい――。それが私の最優先の課題だった。だから、どうすれば十分な利益を確保できるのか懸命に考えた。
 一方の売り上げは、客数×客単価。お客様のことを考えると、客単価は上げられない。ならば、客数を増やすしかなかった。もっと多くのお客様に喜んでもらえるように客数を今の1000倍にしよう、だから店を1000店作ろうと考えた。夢のような話だったが、現在、店舗数は国内860店、中国を中心に海外に約80店を展開している。
(6ページ 「はじめに」より)

火事の後、同じ場所で店を再開したものの、やはりお客さんは集まりません。商品の「値打ち」の打ち出し方が分からなかった著者は、とりあえずメニューの価格を5割引きにします。それでもお客さんが来なかったため、最終的には7割引きにまで値下げしました。

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