可動式パソコン台 スタンディングワークを手軽に

日経トレンディネット

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デスクワークをしている人の悩みで多いのが腰痛だ。長時間同じ姿勢で座っていると、腰痛が起こりやすくなるし、姿勢の悪さは肩凝りにもつながる。そんなオフィスの腰痛対策として注目されているのが、立った状態でデスクワークを行うスタンディングワーク。数年前から海外で注目され、取り入れている日本企業も増えてきている。

筆者は以前よりスタンディングワークをたまに行うが、腰痛対策以外にも次のようなメリットがあると感じている。

○集中力のアップ・眠気覚まし
人間同じ姿勢をとり続けていると、だんだん集中力が低下してくる。午後には眠気も襲ってくる。立ち上がると気分が変わるし、目の前の作業にも集中しやすくなる。

○姿勢の矯正
筋肉の衰えのせいなのか、座っているときの姿勢が以前よりも悪くなってきた。イスでは姿勢が悪くても座っていられるが、立った状態で悪い姿勢を保つのは難しい。立っているときは、姿勢が正しい方が、余計な力が抜けるので楽なのだ。立って仕事をする時間が増えるにつれて、姿勢が矯正されてくる。

そうしたメリットのあるスタンディングワークのために、スタンディングデスクが販売されている。ただ、それらの製品は高価で、安くても1万円以上、10万円以上するものも多い。この金額がネックで、導入を躊躇(ちゅうちょ)している人も多いと思われる。

スタンディングデスクそのものではなく、普通の机の上に設置してスタンディングワークを可能にした製品が、サンコーの「スタンディングデスクにもなるパソコン台」(長いけどこれが製品名)だ。

天板は可動式で、高さを変えることで、通常のデスクワークとスタンディングワークの両方で利用できる。しかも、価格は税込み7980円とリーズナブル。さっそく取り寄せて使ってみた。

サンコー「スタンディングデスクにもなるパソコン台」(税込み7980円)

セッティングに必要な時間は10分ほど

製品のパッケージは、予想以上に大きい。天板のサイズは、横幅が650mm、奥行きが450mmあるので当然だ。土台となる部分は360mm×360mm。このスペースが確保できれば、机以外、例えばカラーボックスにも設置が可能だろう。天板の高さは最大50cmまで上げられる。あくまで想像だが、身長190cm台の人でもスタンディングデスクとして使えるはずだ。

カラーボックスに使われているような材質の木材だが、白くて木目があるせいか、高級感はないものの安っぽさもあまり感じない。

組み立ては付属の取扱説明書を見て行う。土台の穴にポールを4本差し込み、ネジで固定。さらに天板を差し込み、補強用のポールを入れて、上から「ポールキャップ」と呼ばれるプラスチック製のパーツをはめ込んで固定すれば組み立ては完了。かかった時間は10分ほどだった。

これを机の上に設置し、ノートPCもしくは液晶ディスプレーとキーボードを置けば、スタンディングワークの準備は完了だ。後付けのパソコン台としては、重量感がありしっかりした印象。土台の底には、滑り止めのゴムシールも貼り付けられるようになっている。本体の重量は約7.5kg。このぐらい重量がないと、パソコンや液晶ディスプレーを置いたときにぐらついてしまうのだろう。

耐荷重は最大15kgあるので、30インチクラスの液晶ディスプレーでも問題ない。もちろん重量の範囲内なら、一体型パソコンを置いてもよく、iMacであれば27インチも設置可能だ。ただ、天板を上下する際に油圧ダンパーなどでサポートされるわけではないので、重いパソコンを設置してしまうと、動かすのにそれなりに力を必要とする。座っての使用とスタンディングワークの使用をひんぱんに切り替えるのであれば、ノートPCがおすすめだ。

組み立て前の状態。日本語の取扱説明書やレンチといった工具類も付いている。家具類を組み立てたことがある人なら、10分程度で完成させられるだろう
通常のデスクとして使用している状態

天板を両手で持ち上げて高さを変える
左右のストッパーをロックして固定する

スタンディングデスクとして使用。ディスプレーを目線の高さに近くするには、大きめのノートPC、もしくは液晶ディスプレーが向いている

パソコン作業以外の仕事にも使える

スタンディングワークでは、ある程度高さのある液晶ディスプレーのほうが、パソコン作業中に目線が下がらず、首への負担は軽くなる。ただ、この製品では奥行きが450mmと一般的な机よりは短いため、キーボードとディスプレーとの距離が比較的近くなる。自分とディスプレーとの距離を取りたい人にとっては少し窮屈に感じるかもしれない。

また、天板を下げた状態でも、計5本のポールが目の前に立っているので、前方の視界は妨げられる。とはいえ壁向きに置かれた机であれば問題はないだろう。

その一方で、天板の左右には余裕がある。大きめのキーボードも置けるし、右側にはマウスのためのスペースも確保されている。スタンディングワークの際に、両手を天板に載せられるので、腕が疲れにくい。製品名には「パソコン台」とあるが、パソコンではなく、紙とペンの作業、読書などの作業でも利用できるし、スタンディングの効果は感じられる。

もちろん最初に述べた腰痛対策としての効果も筆者としては大きかった。スタンディングデスクは自分の体と高さが合っていないと、逆に腰への負担が高まってしまうが、この製品は手軽に高さを調節できるので、次第に自分にとって最適な高さが分かってくる。

とりあえずスタンディングワークがどんなものか試してみたい、またはスタンディングデスクを導入したいがコスト面で見送っていた人や企業におすすめできる製品だ。

天板右側には、マウスなどを置くスペースが
作りがしっかりしているので、書き物の作業にも使用できる

(ライター 小口覺)

[日経トレンディネット 2016年9月12日付の記事を再構成]

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