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バイオリニスト大谷康子さん 10年公演開始

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NIKKEI STYLE

バイオリニストの大谷康子さんが2016年から10年間、ハクジュホール(東京・渋谷)でシリーズ演奏会「大谷康子のヴァイオリン賛歌」を毎年開く。コンサートマスターとして長年務めた東京交響楽団を今年退団し、ソロ専任に転身。クラシック音楽のファン層を広げるために、ジャズや日本の伝統文化を取り入れた公演も展開している。10年プロジェクトもその一環。2020年の東京五輪よりも先の時代を見据えた長期企画とソロ活動について、演奏を交えて映像で語った。

9月12日夜、東京・銀座のヤマハホールで服部隆之作曲のNHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ音楽が鳴り響いた。テレビのオープニングでは三浦文彰さんがバイオリンを弾いているが、この夜は大谷康子さんによる演奏。藤井一興さんのピアノ伴奏に乗って、原曲よりも荒々しく、演歌調に響いた。「洋魂和才の出会い」と名付けた公演。前半は、輪島漆塗りの赤みを帯びた特製バイオリンで大谷さんが日本の楽曲を演奏。後半は、大谷さんがいつもの1708年製ピエトロ・グァルネリで西洋の楽曲を弾いた。

「真田丸」からフランクまで

前半では「真田丸」に続き、NHK大河ドラマの音楽として渡辺俊幸作曲「利家とまつ~加賀百万石物語~より『永久の愛』」も弾いた。大谷さんは石川県の輪島塗りにちなんで「こっちの方が今夜のテーマに合っていますね」と言って「利家とまつ」を紹介した。さらには今年没後20周年の武満徹の作品の中でも哀愁の旋律美が際立つ「ワルツ(映画『他人の顔』より)」も弾くなど、従来のクラシック演奏会とは異なりエンターテインメント性が目立つ曲が並んだ。

しかし後半はがらりと趣向が変わる。フランス近代音楽の傑作の一つ、セザール・フランク(1822~90年)の「バイオリンソナタ イ長調」を大谷さんと藤井さんが全曲演奏した。大谷さんは一筆書きのような息の長い甘美な旋律を、深い感情表現を込めて弾き切った。静かに、穏やかに始まる旋律が徐々に情熱を増していき、最後には感極まって天に羽ばたくような表現は、バイオリンを知り尽くした円熟の演奏家のみが到達できる世界だ。大谷さんは2015年にデビュー40周年を迎えた。1995年からコンサートマスターを務めた東響を今年退団し、ソロ専任に転身した。オーケストラで交響曲も弾いてきた大谷さんだが、これからはソロに専念して新たな音楽世界を切り開いていく。その門出にフランクの深みのあるソナタはふさわしい。

エンタメと芸術性を併せ持つ

「上手な人は世界中にたくさんいるけれど、バイオリンが大好きなことだけは誰にも負けない。1日18時間くらいずっと弾いていられたらどんなに幸せかと思う。皆さんとバイオリンの楽しみを分かち合っていきたい」。そう語る大谷さんがソロで志向するのは、エンターテインメント性と芸術性を併せ持つステージだ。従来のクラシック演奏会にはない企画を次々と繰り出している。2015年11月にはジャズ・ピアニストの山下洋輔さんと「大谷康子×山下洋輔 驚異のドリーム・デュオ」と銘打って公演し、即興演奏にも挑戦した。11月20日には川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールで「かわさきジャズ2016」にも出演する。

オーナーシェフの鎧塚俊彦さんと「お菓子な名曲サロン」というコンサートを催すなど、料理をテーマにしたステージも続けている。テレビでは落語家の春風亭小朝さんとともに音楽番組「おんがく交差点」(BSジャパン)にも出演中だ。一般に広く受け入れられる多彩な活動を繰り広げながら、クラシック音楽の素晴らしさを多くの人々の心に届けようという考えだ。

そこで打ち出したハクジュホールでの10年プロジェクト。大谷さんはすでに10回のテーマを決めてある。第1回から順に「尊敬」「敬愛」「愛」「愛情」「情熱」「忘我」「好奇心」「日本」「未来」。そして第10回は「夢。音楽の力で世界をひとつに」。「テーマは第5回まで(漢字1字どうしの)しりとりになっています」。12月10日の第1回「尊敬」で取り上げるのはJ.S.バッハ、ベートーベン、ブラームス、バルトークの作品。「初心に帰って、尊敬する作曲家、いわゆる『4大B』の作曲家の作品を最初に弾かせてもらい、そこからたどっていきたい」と語る。ピアニストの練木繁夫さんが共演する。

情熱の渦になりきる演奏

バッハの作品では「無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調」から「シャコンヌ」を弾くが、「学生の頃から現在まで演奏が変わってきた点を聴いてもらいたい」と話す。ベートーベンに関しては「人気が高いのは『バイオリンソナタ第5番《春》』。でも今回は、私の(東京芸術大学)大学院の演奏試験の際に、恩師の海野義雄先生が『ブラボー』と言ってくれた『第7番ハ短調』を弾く」。

ブラームスの「バイオリンソナタ第3番ニ短調」については「とにかく大好き。私は登場人物になりきる性格なので、情熱的な音楽に入り込み、熱い思いの渦になりたい」と話す。最後は「ちょっと違った趣向」のバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」。気が付けばバッハからブラームスまで短調、影のあるマイナー調の演目が並ぶ。「言われてみればそうね。私はバイオリンでなければ口が動いていると言われるほどおしゃべりで楽しいタイプだと思うけど、選んだのは情熱と情念の曲なのかしら」。ロマの情念と激情が交錯するサラサーテの名曲「ツィゴイネルワイゼン」を3000回以上弾き、世界最多といわれる大谷さん。彼女の長年のキャリアと個性が選曲からも伝わってくる。

(映像報道部シニア・エディター 池上輝彦)

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