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カツカレー、13歳の衝撃 リーチ・マイケルさん

食の履歴書

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NIKKEI STYLE

ほかほかのご飯に甘めのカレーと、揚げたての豚カツがのっている。13歳の頃、祖国ニュージーランドの和食店で初めてカツカレーを食べた時の衝撃は忘れられない。「カツを食べるのも初めて。おいしくてすっかりはまりましたね」。街に出ればあの味を求めて店に寄った。値段が6ドルだったのも覚えている。

連れていってくれたのは、幼い頃からのラグビー仲間、ニックだ。日本人の母親と英国人の父親を持ち、家に行くと日本の食事でもてなしてくれた。お母さんお手製のおにぎりはツナマヨがお気に入り。育った家では焼いた牛肉や豚肉にジャガイモの付け合わせが主だったが、日本料理も平気で食べられた。初めて口にした納豆も「全然大丈夫」。食事の前と後の「いただきます」「ごちそうさまでした」も学んだ。

日本のホームステイ先はすし屋

親友ニックの影響で、日本への憧れが膨らんでいく。彼が札幌に留学することになった時、自分も行くと決めた。15歳の時、札幌に渡る。ホームステイ先はすし屋を営んでいた。

到着したその晩、用意してくれていたのは特上のにぎりずし。「すしはカリフォルニアロールしか食べたことがなくて、見てもすしだと分からなかった」。マグロにウニ、サーモン、ハマチ。全部おいしかった。「最初に一番良いおすしを出してくれたから、どれもおいしく食べられた」。温かい歓迎とともに思い出す、懐かしい味だ。

4畳半の部屋で寝起きした。納豆に卵と大根おろしを混ぜて、ご飯に掛けて食べるのが一番の好物。日本での「母」が作るそぼろ入りの3色弁当を持って高校に通った。

ホストファミリーの両親は3人の息子たちと同じように接してくれた。今も「お父さん、お母さん」と慕う。もともとシャイで人見知り。留学当初、ホストファミリーが話しかけてくる日本語は「ねえねえ」しか分からなかったが、彼らの優しい心遣いにホームシックにならずに済んだ。

札幌の高校の練習、母国NZより厳しく

高校のラグビー部では猛練習の日々。標高約300メートルのスキージャンプ台まで昇って降りる。山頂では階段ダッシュ。その後はウエートトレーニングだ。ニュージーランドに居た頃よりきつかったが、「日本に来てだいぶ力が伸びた」と実感する練習量だった。

食べる量も増え、ご飯は大盛りを2杯。ファミリーレストランでは400グラムのハンバーグを2つ平らげた。来日した時に78キロだった体重は、高校を卒業する頃には100キロに達した。

東海大在学中に代表に

「日本代表に入りたい」。そんな気持ちが芽生えたのも高校時代。2008年、東海大学在学中に初めて代表に選ばれた。「トップ選手らを見て、ちゃんと栄養管理しないと、と思った」。好んで食べるサバはエイコサペンタエン酸EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富で良質な脂が取れる。

12年から日本代表のヘッドコーチに就いたエディー・ジョーンズさんのトレーニングは厳しかった。朝4時に起床。プロテイン入りのシェークを飲み、練習。朝食の後、仮眠してまた練習、食事。そのサイクルを夜までひたすら繰り返す。

五郎丸選手に「まだまだだな」

厳格なのは食事に対しても同じだった。管理栄養士がつき、焼き魚や青菜のおひたしなど和食中心のメニューをたっぷり食べるよう指示された。「疲れているからがんがん食べて、どんどん体がでかくなった」

昨年9月19日のワールドカップ(W杯)初戦。相手は2回の優勝を誇る南アフリカだ。試合前に食べたのは、焼いたシャケ。それに白いご飯と味噌汁。帯同した日本人シェフがおいしい和食をたくさん作ってくれた。なのに、フルバックの五郎丸歩選手が食べていたのは山盛りのご飯にふりかけ。「ゴローさん、ふりかけご飯でどうやって勝つんだ」。思わず聞いたら「このおいしさが分からないとは、まだまだだな」と返されたのを妙に覚えている。

大金星の影に大盛り和食

緊迫のプレーの連続で3点差まで追い上げ、試合終了直前に相手のペナルティで好機が訪れる。ゴールラインまであと5メートル。主将として、引き分け狙いのペナルティーゴールではなく、あくまで勝ちを目指すスクラムを選んでトライを狙った。気迫の猛攻でパスをつなぎ、逆転。「ラグビー史上最大の番狂わせ」ともいわれる大金星を挙げた。「厳しい練習と食事が結果につながったと思います」

今年は南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー」でニュージーランドのクラブに所属した。日本を離れた約7カ月間、焼き肉やラーメンが恋しかった。「日本食の店もあるけど、日本人の経営者じゃないところが多くて、味が全然違うから行かなかった」。8月上旬に帰国した後、行きつけの焼肉店に直行した。

週に1回、勝った時だけ飲む

現在は国内のトップリーグの戦いの最中。所属する東芝ブレイブルーパスは3勝1敗だ。試合後の楽しみは焼鳥屋で仲間とビールを飲むこと。でも「負けたら飲まない」。週に1回、勝った時だけ飲むと決めている。15歳で日本の土を踏んで以来、たゆまず自分を律し続けている。

パンチきいた勝負飯

昼食によく足を運ぶのが東芝ブレイブルーパスの練習場からほど近い、東京都府中市の「ますだや」(042・364・3065)。4人がけのテーブルが2つとカウンター席だけの昔ながらの定食屋だ。

ボリューム満点の「肉炒め定食」(850円)はここぞという時に食べる。主菜は豚肉とピーマン、キャベツやタマネギなどをいためたもの。ニンニク、日本酒、しょうゆが利いたパンチのある味わいだ。大盛りのご飯に味噌汁や副菜がつく。「色々食べられてアスリートには理想的」。外国人のチームメートを連れてくることも多い。「食べた人は必ずトライする」という勝負飯だ。

正午からの取材後、記者とカメラマンに向かって気さくに「一緒に行きますか?」と誘ってくれた。謙虚で温かい人柄も、日本代表を束ね、躍進につなげる一助となったようだ。

最後の晩餐

【最後の晩餐】和牛のステーキ。ジョン・カーワンさんが日本代表のヘッドコーチを務めていた頃(2007~11年)、宮崎合宿では毎日、宮崎牛のステーキが出たんです。10キロ太った。その宮崎牛を1000グラム食べたい。塩コショウだけで味付けして、焼き加減はミディアムレア。それに山盛りのご飯があったら最高です。

(関優子)

〔日経プラスワン2016年9月24日付〕

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