「まさかの転職活動」どう動く? 何から始める?ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

この知人・友人経由ルートのメリットは、とにかく自分という人間を少なからず理解してくれていることにあります。転職の緊急度が高い人はもちろん、少し時間をかけてでも納得いく転職がしたいという人にも、ぜひ活用いただきたい方法です。

また、特に親しい友人などであれば、自分の経験業界・職種にかかわらず、「自分にはどんな可能性や選択肢があると思うか?」ということをフラットに相談してみる方法もあります。名刺や携帯電話の電話帳だけでなく、SNSでつながっている友人を掘り返してみるのも一手です。

自分では考えもつかなかった業界への転職の可能性を教えてもらえたり、あるいは、直接の知り合いを経由して、二次・三次のつながりである「友人の友人」にまで広く適職探しの網を張ることができるかもしれないので、やはりこの縁故ルートははずせません。

自分に合った転職支援サービスを活用する

自分の人脈ネットワークへの接触ができたら、民間の転職サイトや転職エージェントの活用も不可欠です。豊富な情報の選択肢を、求職者は無料で利用できること(一部、有料のサービスもあり)が大きな魅力です。ただ、それぞれのサービスごとに対象(対象世代・対象業界や職種・雇用形態など)が限定されていたり、求職者側の転職支援よりも企業のための採用支援に軸足を置いた事業者も多いので、特に転職活動に割ける時間が限られている場合は、各事業者のサービスの特徴を見きわめて活用することをおすすめします。

民間サービスであるがゆえに、自分がそのサービスの対象に合致している場合は、新鮮な情報を豊富に、かつプロフェッショナルならではのサービスを受けられます。逆に、自分が対象でない場合は、サービスそのものを受けられなかったり、自分にフィットした求人情報が少なかったりというデメリットもあります。

職歴情報などの登録に時間がかかるので、自分はそのサービスにフィットしているかどうかを事前に各社の広告に登場するタレント(サービスのターゲット像に近い人選が多い)やウェブサイトに書かれている特徴や強みを確認して選別しておくといいかもしれません。

1.転職系求人サイトで相場を知る

転職の際に活用できるサイトには、「総合型」「業界職種特化型」「クロール型」などがあります。

「総合型」転職サイトは、ホワイトカラーやエンジニアを中心に、求人件数や求人ごとの情報量、スカウト機能でメール送信されてくる求人が多いので、相場を知るためにも利用価値は高いと思います。ただ、企業が掲載料を支払ってまで募集している求人の多くが、対象年齢20~30代前半を想定していて、かつ利用する求職者も多いために競争倍率が高く、なかなか選考を通過しないというデメリットがあります。

転職に慣れない段階では、「応募した社数だけ面接に行かなければいけないので、応募先は慎重に選びたい」「どこに応募するか1社1社検討するのに時間がかかる」という理由で、1カ月かけて応募社数が2、3社という方も多いのですが、「30社以上応募したが面接に行けた企業は2社だけ」(37歳・大手機械部品メーカー・購買)というケースも珍しくありません。

応募してもなかなか書類選考に通過しない場合は、「相手先を厳選して応募する」方法から、「NGでない会社にはとりあえずアタックしておく」というふうに、できるだけ数多く接触するよう戦術を変えていくことをおすすめします。

また、「クロール型」求人サイトは、複数の転職サイトの求人情報や、企業のホームページにしか掲載されていない求人、ハローワークなどの公的機関の求人も含めて膨大な情報を一括で閲覧できるので、特に30代後半以上の方や、大都市圏以外の方、転職先選びの条件が多い方には、はずせない手段です。

ただ、企業にとって掲載料のかからない自社ホームページやハローワークの求人は、有料の転職サイトに比べて、採用意向の温度感が低い会社が含まれていることも多いので(「急いで募集しているわけではないが、よほどいい人材がいたら検討してみよう」というケース)、ここでも数多くの接触を意識したほうがいいかもしれません。

2.転職エージェントを活用する

「ヘッドハンター」「転職エージェント」「キャリアコンサルタント」「人材紹介サービス」など、会社によって表現がバラバラなので、最初は違いがよくわからないかもしれませんが、要は転職に関するプロフェッショナルが、直接対面や電話、メール、スカイプなどで一人一人の相談に乗りながら求人を紹介してくれる“人的サービス”です。

転職エージェントを大別すると、「総合型」「ブティック型(業界や職種などに特化)」「ヘッドハンター型(経営層や外資系などに特化)」などがあります。

掲載された情報だけを頼りに自分で応募する転職サイトとは異なり、自分の希望や経歴を踏まえて、自分一人では見つからなかった可能性をアドバイスしてもらえるなど、人的サービスならではの価値があります。コンサルタントの経験や知識の優劣や相性などはバラツキがありますが「このコンサルタントは信頼できる」と感じたら、できるだけ率直に、胸襟を開いて相談したほうが得策です。

ただ、労働集約型の高付加価値型サービスなので、対象者が限定されるデメリット(職歴や年齢、転職回数によっては申し込んでも相談すらできないことがある)があります。

ほかにも地域別の特徴やハローワーク、顧問派遣や派遣会社、アルバイト系サイトなどいくつか紹介しきれていないサービスもありますが、社会人経験のあるホワイトカラーやエンジニアの方には、優先的に利用していただきたいサービスはある程度お伝えできたと思います。いつか、まさかの転職活動を始める状況になったときに参考にしていただければ幸いです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」(【関連情報】参照)など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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