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自分なりに努力を続けて会社に貢献し、組織から評価されていた人でも、急転直下の業績不振やM&A(合併・買収)などで、想定外のリストラに直面することがあります。いざ転職活動となったとき、何をどうすればいいのか。慣れないことだらけの転職活動は、精神的にも経済的にも大きな不安を生み出します。まさかの時のために転職活動のイロハをまとめておきたいと思います。

「転職緊急度」と「必須条件」 ゴール設定が最重要

「まさか自分が転職を考えることになるとは思いもしなかった」

35歳のAさんは、2002年に新卒で入社した従業員200人のシステムインテグレーターに勤務し、金融機関向けのシステム開発でプロジェクトマネジャーとして活躍中のエンジニア。当然、定年まで働くものと考えていました。家族は妻と子供1人、さらに1人を出産予定で、昨年、千葉県柏市にマンションを購入したばかりという状況でした。

「以前から社内では噂があったのですが、数年前に取引額が大きく、メーン顧客だった企業が外資系企業に買収され、巨額の受注を失ったため会社が苦境に立たされ、年内にも事業売却されることが決まってしまいました。若手エンジニアと一部の幹部を除いて、突然リストラの対象になったので、とりあえず早期退職の募集に手を挙げました」

どちらかというと保守的な性分で、転職には否定的だったというAさんも、突然、転職活動を始めざるを得なくなったというお話でした。

「ただ、実際に転職活動といっても、最初は何から手を付けていいか、まったくわからない状態でした。電車の広告やテレビCM、インターネット広告で転職サイトや転職エージェントの名前を目にするのですが、自分が何を使えばいいのかまったくわからず、しばらくは自分一人で迷っていました」

転職コンサルタントとして求職活動中の方とお会いしていると、特に「初めての転職」の場合、Aさんと同じような迷いを持つ人がかなりたくさんおられます。自分に合った転職手段、そして活動の仕方を効率的に進めるためにも、そんな方にはまず以下の2点の整理をお勧めしています。

1.転職緊急度――「いつまでに次の仕事をスタートさせたいのか?」の時期の設定

「早期退職金があるので、焦らずにじっくり探したい」「すぐにでも働き始めないとローン返済もおぼつかない」など、転職の緊急度は人それぞれに異なります。また、転職緊急度が違えば適切な転職活動方法も変わってくるので、ここをしっかり定めておくことが最重要です。

2.必須条件の設定――希望年収、希望業界、希望職種、希望地域、希望の働き方

特に現在のように求人倍率が高く、人手不足の業界もたくさんある環境下では、「仕事の種類や年収、休日などを選ばなければ」いくらでも職には就ける状況です。でも実際にはそうはいきません。自分にとって必要な条件を書き出し、条件それぞれに優先順位をつけておくこと。条件が10を超えるような場合は、上位5位までを絞り込んで選ぶことをおすすめしています。

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