むくみ、たるみを即解消 リンパ流しマッサージ

日経ヘルス

(イラスト:Takako)
(イラスト:Takako)
日経ヘルス

多くの女性が悩む「むくみ」。実はたるみの原因でもあります。むくみをためないために、日々のケアで最大の効果を発揮、即効性が期待できるリンパ流しマッサージを紹介します。

むくみとは、細胞の中と外に本来は排出されるべき余分な水分が体内に滞留した状態だ。

本来、体内の老廃物や余分な水分は、筋肉のポンプ作用で全身を巡るリンパ管を通り、体外に排出される。ところが、「運動不足や加齢によって筋肉量や柔軟性が低下すると、リンパの流れが滞ったり、関所となるリンパ節が詰まったりして、行き場のない水分が滞る。それがむくみ、ひいてはたるみになります」とオリエンタル・アロマセラピィ・カレッジの久保浩子さん。

さらにPCやスマホの使用など長時間同じ姿勢を続けることも、リンパ節の圧迫や筋肉の凝りに拍車をかける。特に負担をかけているのが首の後ろの部分。「気がつかないうちに筋肉が凝り、顔と首のリンパが滞っている人が多い」(久保さん)

しかし、体表への優しい刺激で、即、スムーズな流れを取り戻せるのもリンパの特徴。しかも効果は年齢問わず期待できる。「約1カ月続けた50代の女性が、ほうれい線が薄くなったなど効果を実感しています」(久保さん)。また、体表からの刺激では解消しにくいおなかは「さするより少し強めに圧力をかけてマッサージすれば、おなかまわりもスッキリ」(久保さん)。

(イラスト:三弓素青)
リンパ節が詰まると →老廃物などが体の中に溜まる
体内の老廃物や余分な水分は血管のように全身を張り巡るリンパ管を通り、最終的にフィルターの働きを持つリンパ節に運ばれ、ろ過、排出される。ところが筋肉の凝りやリンパ節が圧迫されるといった原因でリンパ節が詰まると、老廃物や水分が滞留し、全身がむくむ。

リンパの流れが滞ると →たるみやすくなる
老廃物や水分の出口であるリンパ節の詰まりに加え、リンパ液を流すポンプ作用の働きをする筋肉の量が低下したり柔軟性を失ったりすることでも、全身を巡るリンパの流れが滞りむくむ。むくんだ部位は重力に逆らえず下垂。放置しているとたるみの原因になる。

おなかまわりは深部のため、リンパによるたるみも起きやすい
腹部のリンパ節は腸の近くにあり、長時間の座り姿勢などで詰まりやすい。深部のため外側から刺激しにくい。便秘がちな人やおなかまわりの冷えが強いのは詰まりのサイン。また、そけい部リンパ節が詰まると連動して滞りやすく、むくみ、ひいてはたるみにつながる。

【毎日続けたい リンパ流しマッサージ】

■上半身

筋肉の層が薄くてむくみやすいうえ、たるむと目立つ顔まわりは、3種類のマッサージを通しで行うとより効果が高まる。朝晩の洗顔やお手入れの流れに組み込むのがお薦め(各10回)。

首・鎖骨のリンパ流し

首・鎖骨のリンパ流し

ほとんどのリンパ液の最終的な出口「頸部リンパ節」と「静脈角」をなでる。肩こりにもよい。首すじを通り、右手の人差し指と中指で左の鎖骨を上下にはさむようにあてる。指を上下に細かくゆらしながら、体の中心から外側に向かって優しくさする。

頭蓋骨下リンパ流し

頭蓋骨下リンパ流し

首や肩の循環も促す。親指以外の指をそろえ、左右それぞれ耳の後ろの骨の出っ張りの下あたりにあてる。軽く圧を加え、皮膚を動かすように円を描きながら優しくさする。

わきの下リンパ流し

わきの下リンパ流し

腕や胸、背中のリンパが流れ込むわきの下の腋窩リンパ節に流す。親指以外の指をそろえ、鎖骨の下の胸と腕の境目あたりにあてる。軽く圧を加え、皮膚を動かすように円を描きながら優しくさする。

■下半身

夜に行えばむくんだ体をリセットできるだけでなく、翌日のむくみも軽減。腹部のリンパ節は少し強めに刺激するのがコツ。たるみ予防とともに、腹部や脚のサイズダウンにも効果的!

ひざ下・そけい部リンパ流し

ひざ下・そけい部リンパ流し

横になってひざ下や足首の下に丸めたバスタオルなどを置き、心臓よりもやや脚を高くすると、高低差で自然にリンパが流れる。夜、テレビを見ながら行うのもお薦め。

日中はイスを使うと良い

5~10分程度、イスに脚を伸ばして座るだけでもリンパが流れる効果アリ。オフィスでも可能なら、昼休みに行うとその後のむくみも軽減。

■8ステップで効かせる! おなかをほぐすリンパ流し

1.腹部深呼吸

おなかに両手を重ねる。3数えながら鼻から息を吸い、お腹の空気をすべて吐き出すつもりで、「ふーっ」といいながら4で吐き切る。重ねた両手が上下するほどおなかが動けば正解。

2.みぞおちマッサージ

2.みぞおちマッサージ

みぞおちに両手を重ねて置く。少し圧を加えながら、おへその下に向かってゆっくりさする。腹部が脈打つのを手に感じられる強さで行うこと。

3.半円マッサージ

3.半円マッサージ

両手の指先をそろえ、両手を指先で重ねておへその右斜め下に置く。おへそが中心になるように、右下から左下に向かって指先で軽く圧をかけながら半円を描くようにさする。

4.お腹つまみマッサージ

4.おなかつまみマッサージ

ウエストラインよりも下、下腹全体を、両手の親指と人指し指で皮膚を細かくつまむ。皮膚に細かいシワができるように行うのが正しいつまみ方。

5.ウエストマッサージ

5.ウエストマッサージ

左手で左わき腹を前後からはさみ持ち、右手は左手首を前からつかむ。「1、2」と数えながら左の手のひらでわき腹を深く押し込み、「3」でゆるめて手を離す。右側も同様に行う。

6.腸のマッサージ

6.腸のマッサージ

両手を指先で重ねておへその右斜め下に置く。おへそを中心に「右下→右斜め上」「右→左」「左上→左斜め下」と3回に分けて、指先をグッと押し込みながら強めにさする。張りが強い部分は回数を増やす。

7.深部リンパマッサージ

7.深部リンパマッサージ

両手を組み、おへその上に置く。右の手のひらのつけ根辺りで腹部を真ん中に向かって2度深く押し込む。左も同様に。左右交互に3回押す。月経中は弱めに行う。

8.ファイナルタッチ

8.ファイナルタッチ

へそを中心にして半円を描くマッサージをゆっくり3回行う。その後、おへその上に両手を重ねて置き、腹部深呼吸を3回行う。

久保浩子さん
オリエンタル・アロマセラピィ・カレッジ副校長。薬剤師、医学博士。アロマセラピスト、リンパドレナージュセラピスト。2000年に英国に渡り、アロマセラピーなどの補完代替療法を学び、英国IFA認定アロマセラピストの資格を取得。帰国後、05年より同職。

(ライター 長島恭子(Lush!)、イラスト Takako(イメージ、メソッド)、三弓素青(組織図))

[日経ヘルス 2016年9月号の記事を再構成]