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ネガティブ感情や不適切行動のある部下に対する問いかけ

ネガティブな感情や不適切な行動を生み出すもとになっているものの見方を見つけ出し、それが勝手な思い込みであることに気づかせるには、本人の中の常識を揺さぶる対話をしていくことになる。

「いつもそうなるというわけではなかったのでは?」

「そうならなかったこともあったのでは?」

「ちょっと極端すぎるのでは?」

などと、勝手な思い込みと矛盾した経験に目を向けるように促す。

「彼ならどう考えるだろうね?」

「向こうの立場からはどう見えるだろうね?」

「もし君が向こうの立場だったら、どう思うかな?」

などと、勝手な思い込みを他者の視点から検討するように促す。

「ものごとを悲観的に考えすぎるのでは?」

「なぜそう言えるのかな? 何か根拠はあるの?」

などと、否定的な思い込みに対する反証を探すように促す。

さまざまな形の問いかけを駆使して、自分自身や他者、世の中に対する見方をより柔軟なものにするように本人の中の常識をとにかく揺さぶるのである。

ティーチングとコーチングの兼ね合い

「こうすればいい」「こんなふうに考えたらどうか」などと教えるのでなく、本人の気づきを促す対話をするというのがナラティブ・コーチングの基本姿勢だ。

それによって、自分の強み、価値観、欲求などへの気づきを促す。必要に応じて、強みにはさまざまな要素があることを例示したり、人を動機づける欲求にもいろいろあることを示したり、価値観のタイプの違いにもいろいろあることを示唆したりする。

相手の性格や価値観に応じた対応のためにも、コーチング的な対話によってその特徴を引き出すことが必要である。

ただし、コーチングということにとらわれすぎて、教え込むということがしにくい風潮は問題があるというべきだろう。ティーチングとコーチングの兼ね合いが難しいが、仕事の場では教えることも非常に重要である。

とくに自信のない部下は、知識やスキルや経験の不足を不安に思っている。自主性を尊重することが大事だ、任されればモチベーションが上がるとはいっても、自信がなく不安が強い場合は、戸惑いが大きく、積極的な行動につながりにくい。

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