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目標や求めているものを明確化するための対話

仕事に対する取り組み姿勢に問題ありと言わざるを得ない部下に対して、そのことを指摘し、このように改善するようにと伝えたり、説教したりしたところで、形の上では、

「はい、わかりました」

「すみません、これから気をつけます」

「そうするようにします」

などと答えるだろうが、行動の改善は期待できない。

人から言われて簡単に行動が変わるほど人間は単純じゃない。行動が変わるためには、本人が心からそうしたい、そうしなければと思うことが不可欠だ。

そのためには、こちらが改善案を与えるのでなく、本人の中から引き出す必要がある。行動をどのように改善するかといった目標設定も、そこに至る道筋も、本人に考えさせ、決めさせる。それを対話でサポートする。一緒に探求するのだ。それによって、外面を繕うだけでなく、内面からの変革を目ざす。

自分を振り返りながら語ることによって、自分の中に潜み、まだ意識化されていない思いに気づくことができる。

たとえば、「変わりたいけど、変わりたくない」というような、自分の中のアンビバレントな気持ちに直面させる。語っているうちに、自分の中に葛藤が渦巻いていることに気づく。現状への不満が渦巻く。変わることへの不安もあるし、自信のなさも感じられる。変わりたい、変わらなくちゃといった思いはあるのだが、変わるのはエネルギーがいるし、流されているほうが楽だという思いもある。こうして、なぜ自分は腰が重いのかに気づくことができる。そこに変化への可能性が開かれる。

ナラティブを通して、無意識的な欲求、不安・不満を顕在化させる。本人もまだ気づいていない思いや欲求・願望を引き出すのだ。自分がどうしたいのか。何が不満で、何をどう変えたいのか。そうした問題点を明確にする。

人はみな自分の求める方向に動いているものだ。怠惰に流されている者は、怠惰に流される気楽さや心地よさを心のどこかで求めている。流されるように動機づけられている。その無意識の動機づけに気づかせることが大切である。

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