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超小型車「スマート」 新型でターボモデル追加

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日経トレンディネット

メルセデス・ベンツ日本は、シティーコミューターの「smart(スマート)」のターボエンジン搭載モデルを2016年8月3日に発売した。

2シーターオープンモデルの限定車「smart fortwo cabrio turbo /Limited(スマート フォーツー カブリオ ターボ リミテッド)」が税込み248万円、2シータークーペモデルの限定車「smart fortwo turbo matt /Limited(スマート フォーツー ターボ マット リミテッド)」が税込み241万円、そしてカタログモデルの4シーター「smart forfour turbo(スマート フォーフォー ターボ)」が税込み256万円となる。

ターボでパワフルになっても燃費は同レベル維持

2015年10月に登場した新型スマートには限定販売の2シーター「フォーツー」と、カタログモデルの4シーター「フォーフォー」の2モデルがあり、ともに1.0Lの直列3気筒DOHCエンジンを搭載。スペックは最高出力71ps、最大トルクは91Nmを発揮する。

一方、新たに加わったターボモデル3種類は、少し排気量が少ない0.9Lの直列3気筒DOHCエンジンとターボチャージャーの組み合わせ。トランスミッションは1.0Lの直列3気筒エンジンモデルと同じく6速DCTで、ターボの恩恵により最高出力は90ps、最大トルクは135Nmとなった。また、パワフルになったものの燃費消費率は22.0km/L(フォーフォー)で、既に導入済みの1.0L直列3気筒エンジンモデルの22.3km/L(同)とほぼ同レベルだ。

2シーターのオープンモデルはまるで"小さな高級車"

2シーターのターボモデルは1.0L直列3気筒エンジンのフォーツー同様に限定販売だ。オープンモデルは先代でも人気が高かったが、今回はターボモデルの限定車、スマート フォーツー カブリオ ターボ リミテッドとして新登場。開放感あふれる電動開閉式ソフトトップに、シートヒーターつきレザーシートを採用したインテリアなど、"小さな高級車"に仕上がっている。限定販売数は200台で、ソフトトップがブラックのものはボディーカラーがレッドとイエロー、ソフトトップがレッドのものはボディーがホワイトとブラックで、合計4種類となる。

クーペモデルのスマート フォーツー ターボ マット リミテッドは、近年、人気の高いつや消し塗装をデザインに取り入れたのが大きな特徴。パノラミックルーフやシートヒーター付きレザーシートなどの上級な装備や、ブラックペイントの16インチアルミホイール、クローム仕上げのエグゾーストエンド、パドルシフトなどを組み合わせて、スポーティーでクールなスタイルに仕上げている。カラーはマットホワイトとマットブラックの2色でそれぞれ40台の限定販売となる。

スマートで一番高いフォーフォー ターボ

フォーフォーは既存の2グレードにターボモデルのスマート フォーフォー ターボを追加して、カタログモデルが3つに増えたことになる。フォーフォー ターボは上位グレードの「プライム」の装備内容に、16インチブラックホイールやパドルシフト、タコメーターなどを追加した、ターボエンジン搭載を意識させるスポーティーな仕上げが特徴だ。価格はスマートの中で最も高い。

新型スマートは約63%が新規顧客!

以前のスマートはブランド名とキャラクター性を前面に打ち出した戦略の結果、日本でもコアなファンを獲得したものの、"メルセデス・ベンツの車"という認知度は低かった。

一方、新型では「メルセデス・ベンツが開発したメルセデス・クオリティーのコンパクトカーである」ことを前面に打ち出し、メルセデスファミリーであることを強調。さらにテレビCMに人気アイドルグループ、嵐の相葉雅紀を起用したことで、女性をメーンとした幅広い世代に、カジュアルなキャラクターとしてアピールできているようだ。

実際にメルセデス・ベンツ日本によれば、2015年10月から現在までに約3400台を販売し、そのうち約63%が他ブランドからの乗り換え組、つまりスマートやメルセデス・ベンツユーザー以外の新規の顧客だという。

ターボモデルで新たなユーザーを掘り起こす

2シーターのフォーツーはこれまで2タイプの限定車を導入しているが、その総数は合わせて810台で、スマートの販売のメーンが5ドアの4シーター、フォーフォーであるのは明白だ。街中を走るなら1.0Lエンジンで問題ないが、複数人で乗車することが多い人や高速道路を走る人には、ターボモデルがより魅力的に感じられるだろう。

"メルセデス品質"と"相葉くん"効果により、じわじわと認知度を高めるスマート。ターボモデルの登場は既存のスマートユーザーの買い換えに加え、セカンドカーとしての需要、愛車のダウンサイズ化など新たなユーザー掘り起こしに効果がありそうだ。

(ライター 大音安弘)

[日経トレンディネット 2016年9月5日付の記事を再構成]

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