藤田ニコルが歌手デビュー 3足のわらじ使い分け
「にこるんビーム」などの自由奔放な発言と、明るいキャラクターで人気を集め、バラエティーを中心にテレビで活躍中の、モデルの藤田ニコル。6月には、女優として月9ドラマのスピンオフ版『好きな人がいること~サマサマキュンキュン大作戦~』(フジテレビオンデマンド)にも出演。活動の場を広げ続ける彼女が、シングル『Bye Bye』で歌手デビューした。モテる男の子との恋愛を通し、自分の弱さや彼とも「バイバイ」するという前向きな失恋ソングで、踊り出したくなるようなノリのいいメロディーに乗せて、かわいく歌いあげている。
昨年末にマネジャーからデビューの話を聞いた際は、「私なんかで大丈夫かな?」と一瞬ためらったが、2016年は新しいことに挑戦する年にしたかったのだそう。だが、カラオケではサビの部分で高音が出ずに、友達にマイクを回してしまうなど、歌には自信があるほうではなく、苦労したと振り返る。
「低くて特徴的な声なので、どう歌っても、結局いつもの藤田ニコルになっちゃうんですよね(笑)。ただ何度もお風呂で練習するうちに、『自分の声っていいな』と改めて思うようになりました。決して上手ではないかもしれないけれど、聴いてもらった人の耳に残るんじゃないかと。今では自分の歌声にプライドを持っています」
今回は共作で作詞にも挑戦。恋愛では、相手から「重い」と言われることも多い実体験が色濃く反映されている。「こっちは夜中3時までずっと待ってる」という歌詞は、好きな人からの連絡を深夜まで待ち続けた自身のエピソードから。「2時ならまだ待てちゃうし、4時だと外も明るくなってきて気持ちも切り替わる。3時というのが一番思いが募る絶妙な時間なんです」とこだわりをみせる。
まず聴いてもらいたいのは、ファン層である女子中高生だが、幅広い世代の人にも楽しんでもらえる曲になったという。
「上の世代の方にも、この曲で若い子たちの恋愛事情を知ってもらえるとうれしいです。またBye Byeするものは、みんなそれぞれイヤなものに変換してもらえ
ればいいのかなと。会社勤めの方だったら上司とかでもいいし(笑)」
歌手活動は自身の新たな武器になると考えているそうだ。「モデルでのファッション好きな私、テレビでの本音トークキャラ、そして皆に元気を与える歌手としての藤田ニコル。今後はこの3つのスイッチを使い分けていきたい」。彼女の目標はあらゆるテレビ番組に出演することで、「歌手だからこそ出演できる、数々の音楽番組にも出てみたい」と意欲的だ。
世間が抱く天然キャラクターというイメージとは異なり、思慮深い一面ものぞかせる彼女は、今後さらにファンの裾野を広げていきそうだ。
(「日経エンタテインメント!」9月号の記事を再構成。敬称略、文・中桐基善 写真・中村嘉昭)
[日経MJ2016年9月9日付]
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