住商を辞め、80万円、30歳でビジネススクールを起業堀義人・グロービス経営大学院学長に聞く(下)

しかし、間もなく追い風が吹き始めました。小泉内閣の「構造改革」で、「株式会社立大学院」が認められるようになったのです。グロービスにも認可が下り、2006年、グロービス経営大学院が発足。その2年後の2008年には学校法人に移行し、今に至っています。

MBAは役に立たないとするMBA不要論が台頭する中、矢継ぎ早に改革を打ち出している。

「このままではMBAは不要だといわれるようになる」と危機感を募らせる

私自身もいろいろな場で、「このままでは社会から、MBAは不要だと言われるようになる」と警告を発してきました。

一言で言えば、ビジネススクールの多くは、時代の変化に取り残されています。最近の代表的なイノベーションは、アイフォーン、グーグル、アマゾン、ウーバー、テスラなど、ほぼすべてテクノロジー関連。マーケティングや経営戦略、ファイナンスの知識が経営に必要なことに変わりはありませんが、今は、それらに加えてテクノロジーを理解できないと、経営ができない時代になっています。

メディアや教育産業など、一見テクノロジーとは無関係な業界ですら、今やテクノロジーなしには事業の成功はおぼつかなくなっている。国内であれ海外であれ、そうした時代のニーズに多くのビジネススクールが対応できていないことが、MBA不要論の本質だと私は思っています。

時代の新たなニーズに対応するため、グロービスは今年度から、テクノロジー関係の授業をそろえたカリキュラム「テクノベートMBA」を導入しました。

同カリキュラムでは、プログラミングやアルゴリズムを学んだり、AI(人工知能)やロボットを経営に取り込む方法論を学んだりします。また、今のビジネスリーダーは、情報発信するのにも、人前でのスピーチだけではなく、ユーチューブやSNSを駆使して情報発信できる能力が必要になっています。そうした新しいコミュニケーションのあり方についても学ぶことができます。

創立30周年を迎える2022年までに、アジア・ナンバー1のビジネススクールになる目標を掲げる。

2012年度には、授業をすべて英語で行う全日制のMBAコースを立ち上げました。現在、グロービスでは世界30カ国の学生が学んでいます。その中には、グロービスのプログラムを評価し、海外の有名なビジネススクールを蹴って来ている人も結構います。ビジネススクールも、国で選ぶのではなく、個々の学校で選ぶ時代になっているのです。それは逆に言えば、学校側が経営努力を怠れば淘汰されることを意味しています。

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