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「格安」よりも「満足度」を auの新戦略

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競争激化により、MVNOや低価格のサブブランドへの注目度が高まっている。一方で、存在感が薄くなっているのが大手キャリアだ。そんな中、auは自社の顧客に向けたサービスを次々に打ち出し、低価格に頼らない顧客囲い込み戦略を推進している。

auの新戦略は顧客体験を重視

ここ最近、MVNOや低価格のサブブランド、SIMフリースマートフォン(スマホ)に関する発表が相次いでいる。

その一方で、端末の実質0円販売が事実上できなくなった大手キャリアは、2016年5月に開催した夏商戦に向けた新製品やサービスの発表会後から目立った動きがない。MVNOやサブブランドの競争が激しさを増しているのとは対照的だ。

とはいえ、大手キャリアも手をこまねいているわけではない。MVNOとは異なる戦略を進めているのだ。今回は、KDDI(au)の最近の施策を紹介しよう。

端末実質0円販売の禁止はMVNOなどに大きな恩恵をもたらしているが、大手キャリアにとっては厳しい状況だ。従来のように、キャッシュバックで端末価格を過剰に下げ、新規顧客を獲得することが難しくなっているからだ。

そうした市場の変化に対応するため、auは2016年5月31日に開催した夏商戦に向けた発表会で、2015年4月より本社・支社を横断した「お客さま体験価値向上プロジェクト」を立ち上げたことを公表した。これは、顧客体験を重視することで自社の価値を高める取り組みだ。

このプロジェクトによりauは、既存顧客の継続利用に向けた施策を数多く打つようになった。以前、このコラムで取り上げた長期利用者向け優待サービス「au STAR」もその1つだ。

モノや食品も販売するようになったauショップ

そして最近、auが力を入れているのが、顧客とのタッチポイントとなるauショップの活用だ。auは、auショップ内でタブレットを使って買い物ができるサービス「au WALLET Market」を展開している。

これに加え、不満の声が多い待ち時間に飲み物やおしぼりを提供したり、雨が降っている場合は傘を貸し出したりするサービスのトライアルも実施。地味ながらもちょっとした心遣いをすることで、顧客体験価値を向上させ、契約の継続につなげようというわけだ。

各店舗独自の取り組みもある。例えば、直営店をはじめとした一部のauショップでは、携帯電話だけでなく、au WALLET Marketで購入できる商品も直接入手できるようにした。2016年にオープンした福岡・博多の「au HAKATA」や、北海道・札幌の「au SAPPORO」などの直営店がその代表例で、グッズや食品も、スマホや携帯電話と一緒に並べられており、一見すると雑貨ショップと見間違う。

端末ファンの心をつかむオーナーズイベント

auの特定シリーズのスマホ所有者を対象としたメーカーの製品開発担当者との交流会など、普段できない体験ができるオーナーズイベントも体験価値を高める取り組みといえる。

オーナーズイベントは、2015年10月にソニーモバイルコミュニケーションズと共同で「au×Xperiaオーナーズパーティー」を実施したのが最初だ。Xperiaオーナーズパーティーは、回によっては1万人近い応募者が殺到するなど高い人気を博している。すでに都内では3度実施しているほか、大阪や名古屋、札幌などでも実施している。

Xperiaで大きな反響を得たことから、オーナーズイベントは、京セラのタフネススマホ「TORQUE」のユーザーに向けても開催されるようになった。8月7日に静岡県伊東市で開催された第2回の「au×TORQUEオーナーズイベント」では、京セラの開発者との交流だけでなく、現行機種「TORQUE G02」の大きな特徴である海水中での撮影を体験するため、イルカと一緒に泳ぎながら撮影する体験会も開催。力の入れ具合がわかる。

オーナーズイベントをプロモーション施策として考えると、1回のイベント当たりの参加者数は抽選で30~40人程度に絞られることから、決して効率は良くない。だがその端末のファンにとっては、開発者と直接話せる機会は貴重だ。開発者にとっても、苦労話や自らの熱い思いを伝えられることは非常にうれしいことだ。ファンの心を捉える体験価値が満足度を高め、利用継続につながると判断したからこそ、auはこうしたイベントを継続的に開催するようになったといえるだろう。

シニア層の声を取り入れて開発した新機種も

さらに新機種からも、顧客の声を重視するauの姿勢が見て取れる。7月28日にはシニア向けのスマホ「BASIO2 SHV36」と、Androidベースのフィーチャーフォン「かんたんケータイ KYF32」の2機種を発表しているが、それぞれスマホ派とケータイ派、双方の気持ちにこたえた機能を搭載しているのだ。

BASIO2は、シニアがスマホを初めて持つ上で、「何らかの制約があるのは嫌だが、一方で使いこなせるかどうか不安だ」というシニアならではの気持ちにこたえることに力が注がれている。

シニアの雰囲気を感じさせないデザインや、Google Playが利用できる点など一般的なスマホと同じスタイルを踏襲する一方で、大きく使いやすいメニューなど視認性への配慮、濁点や記号などの入力に戸惑っているときにさりげなく入力方法をアシストしてくれる「文字入力アシスト機能」の搭載など、シニアへの配慮もしっかりとされている。

さらに、スマホの利用の幅を広げるため、カメラ機能にも注力。カバーを開くだけでカメラが起動し、側面のシャッターボタンを押して撮影できるなどデジタルカメラのような使い勝手を実現。それにより、スマホの人気機能の1つであるカメラを利用しやすくしている。

一方、かんたんケータイは4年ぶりにリニューアルしたもので、フィーチャーフォンの利用にこだわる人向けだ。例えば、シニア層の場合、夜間などに電源をオフにしたい人が意外と多いことから、あえてスライド式のスイッチを用意し、電源のオン・オフをしやすくしている。

また、白内障の人でも見やすいよう3.4インチの大型ディスプレーを搭載。さらにコントラストを上げるなどの工夫もされている。キーもシニア層の手ではドーム型の形状では押しづらいとの声が多かったことから、フラットな形状のものに変更。VoLTEやスマートソニックレシーバーの搭載により、クリアな音で聞きやすくしているのもポイントだ。

このようなシニア向けの細かな配慮を実現するには、最近主流のグローバル仕様の端末をそのまま調達するだけでは難しく、少子高齢化が進む日本ならではの取り組みが不可欠だ。そうした中、顧客ニーズにしっかりこたえたオリジナルモデルを提供できるのは、大手キャリアならではといえるだろう。

ショップでのきめ細かい対応やファンに向けたイベント、特定層のニーズに向けた端末開発など、顧客の声を聞き、コストをかけながらもユーザー満足度を高める戦略は、徹底した効率化で低コストを追求するMVNOや安価なサブブランドには真似のできないものだ。それだけに、auをはじめ大手キャリアがこうした戦略を取るのは理に適っている。また、それが、他キャリアやより安価なサービスに顧客が移るのを防ぎ、より付加価値の高いビジネスへとつなげる契機となっているのだ。

佐野正弘(さの・まさひろ)
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

[日経トレンディネット 2016年8月31日付の記事を再構成]

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