Windows 10、1周年記念アップデートで使いやすく

日経トレンディネット

大きく変わったスタートメニュー。「すべてのアプリ」が最初から開かれた状態になっている
大きく変わったスタートメニュー。「すべてのアプリ」が最初から開かれた状態になっている
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Windows 10の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」が、2016年8月2日からWindows Updateの仕組みを使って配信されている。スタートメニューのデザインなどユーザーインターフェースが一部変更されたり、手書き入力機能「Windows Ink」が追加されたりなど、変更点は数多い。

Windows 10は、年に数回の大型アップデートにより進化を続けていくというコンセプトのOSだ。2015年7月末にリリースされたが、そのあと11月には最初の大型アップデート「November Update」が行われた。今回の「Anniversary Update」は2回目の大型アップデートということになる。

必要なスペック(システム要件)は若干変わっている。メインメモリー(RAM)はこれまで32ビット版なら1GB以上、64ビット版は2GB以上となっていたが、この大型アップデート以降は32ビット版・64ビット版ともに2GB以上になっている。そのほかCPUやストレージの空き容量などのシステム要件は変わっていない。

見た目はどこが変わった?

見た目で大きく変わったのはまずスタートメニューだ。スタートメニューにあった「設定」や「電源」といった項目がアイコンのみになり、「すべてのアプリ」が最初から表示された状態になった。スタートメニューからアプリを探すときに、「すべてのアプリ」をクリックする手間が省ける。このほかタスクバーから起動できるカレンダーや、「設定」画面も改良されていて使いやすくなっている。

タスクバーの時刻をクリックすると、これまではカレンダーが表示されるだけだったが、その下に予定表も表示されるようになった
「設定」で、各項目に小さいアイコンがついた。ぱっと見でどんな設定項目なのか把握しやすくなった

音声入力対応のアシスタント機能「コルタナ」はロック画面で使えるようになった。声も登場したばかりの頃に比べ、かなり自然なしゃべり方になってきた。

新機能Windows Ink

新機能の中で目立つのが「Windows Ink」だ。手書き入力機能で、表示している画面を画像として取り込み、メモを書き込んで保存・共有したり、ホワイトボードのような手書きアプリ「スケッチパッド」などを利用できる。タブレットや2in1タイプのパソコンでペン入力に対応した機種向けの機能だが、タッチ操作に対応したパソコンなら指先でも操作できる。マウスでの利用も可能だ。

この機能を呼び出すボタンはタスクバーにあるが、見当たらない場合はタスクバーの右クリックメニューで、ボタンを表示するように設定しておこう。

ボタンをクリックすると、デスクトップ右端にWindows Inkワークスペースが表示される
表示していた画面を画像として取り込み、その上に手書きで書き込める。定規ボタンをクリックすると定規が使える。定規は位置や向きを自由に変えられる
「スケッチパッド」は自由に手書きできるホワイトボードのようなペイントアプリ
「付箋」は手書きかキーボードからのテキスト入力か、どちらかで書き込める

手書き機能では、MS-IMEの手書き入力パッドの大きく変わっている。これまでは入力欄に1文字分の枠が並んでいて、1文字ずつ書き込む方式だった。この枠がなくなり、自由に書き込めるようになった。

Webブラウザー「エッジ」の改良点

Windows 10では、標準のWebブラウザーがInternet Explorer(IE)から「Microsoft Edge」(エッジ)に切り替わった。

このエッジも改良が進んでいる。便利なのが「ピン留め」機能だ。Windows 10では、アプリをタスクバーやスタートメニューに登録することを「ピン留め」と呼んでいるが、エッジでは開いているタブをエッジに登録することを「ピン留め」と呼んでいる。ピン留めするとそのWebサイトをいちいち「お気に入り」(ブックマーク)から探したり検索したりしなくても、すぐにアクセスできる。Chromeの「タブを固定」機能に近い。

「ピン留め」したいWebサイトのタブを右クリックして、「ピン留めする」をクリックする
そのWebサイトのアイコンが、エッジに常に表示されるようになり、そこをクリックすることですぐにアクセスできる
そのWebサイトのアイコンが、エッジに常に表示されるようになり、そこをクリックすることですぐにアクセスできる

エッジでは、ほかにWindows 10の生体認証機能「Windows Hello」が使えるようになった。これまではWindows 10へのログオンパスワードの代わりに使える程度だったが、たとえばサポート対象ショッピングサイトでサインインするときのパスワードの代わりに使えるようになった。

ちなみにWindows 10にはIEもインストールされているので、そちらを使うこともできる。IEはスタートメニューの「すべてのアプリ」→「Windowsアクセサリ」の中にある。

Windows 10パソコンがディスプレーになる

Windows 10のノートやタブレットを複数持っているなら試してみたいのが「接続」アプリだ。これは、Windows 10搭載パソコンをワイヤレスディスプレー化して、他のWindows 10パソコンの画面を表示するアプリだ。2台に同じ画面を映すことも、2台で1つのデスクトップ画面を作ることもできる。あまり使わないWindows 10ノートやタブレットがあれば、それをモニターとして活用できる。

2台で同じ画面を映せば、プロジェクターなどがない場所でのプレゼンで便利に使えそうだ。たとえばWindows 10搭載のノートとタブレットがあるとして、プレゼン相手にタブレットを渡し、その画面に手元のノートパソコンの画面を表示させて見てもらうことができる。ノートを180度開いて相手に画面を見せたり、いちいち相手側に画面を向けて操作しなくて済む。

ワイヤレスディスプレイ化する側のWindows 10で、スタートメニューを開いて「接続」をクリックする
「接続」が起動する
画面を送り出す側のWindows 10では、アクションセンターを開いて「接続」をクリックする
ワイヤレスディスプレイ化するパソコンの名前が表示されたら、それをクリックする
ワイヤレスディスプレイ化するパソコンの「接続」画面に、画面を送り出す側の画面が表示される
実際に接続した2台のWindows 10パソコンを並べてみた。これは「複製」の状態で、左側のパソコンの画面と同じものを右側のパソコンの「接続」アプリに表示している

2台で1つのデスクトップ画面にすれば、デュアルディスプレー環境として広いデスクトップ画面を利用できる。外部ディスプレーをすでに使っていれば不要だが、外出先など外部ディスプレーのない場所でデュアルディスプレー環境で作業したいときに便利だろう。

筆者の手元にある何台かのWindows 10ノート・タブレットを組み合わせて試してみたが、画像を圧縮して無線LANで送る仕組みのため画質が少し低下するし、画面を送り出す側のパソコンで行った操作が、ワイヤレスディスプレー化したパソコンの画面に反映されるまで若干のタイムラグがある。また原因は不明だったが、パソコンの組み合わせによっては接続に失敗したり、接続がいきなり途切れてしまうこともあった。今後の熟成に期待したい機能だ。

手動でもアップデートできる

Windows 10のAnniversary Updateの内容をいくつか見てきた。スタートメニューの改善などでこれまでより使いやすくなっているし、Windows Inkなど新機能も追加されている。Windows 10は進化し続けるOSというコンセプトなので、今後もこうしたアップデートを積み重ねて変わっていくはずだ。

自分のWindows 10パソコンがAnniversary Updateでアップデートされているかどうかは、スタートメニューが変化しているかどうか見たり、または冒頭で述べたようにWindows 10のバージョン番号を調べると分かる。なんらかの理由でまだアップデートできていない人は、以下の方法で手動でアップデートできる。データのダウンロード時間も含めてアップデートには時間がかかるので、時間に余裕のあるときに作業しよう。

(文/湯浅英夫=IT・家電ジャーナリスト)

[日経トレンディネット 2016年8月26日付の記事を再構成]

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