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高齢者「買い物リハビリ」 専用カート、楽な姿勢で

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NIKKEI STYLE

買い物を通じて高齢者の健康を維持する取り組み「買い物リハビリテーション」が広がっている。介護・福祉施設とスーパーなどが手を組み、高齢者に肘を乗せて楽な姿勢で歩ける専用のショッピングカートを使って買い物をしてもらう。楽しみながら歩行訓練や支払い計算をすることでリハビリや認知症の予防を目指す。

8月25日、午前10時すぎ。生活協同組合コープこうべのコープデイズ神戸西(神戸市)に、近隣の高齢者施設のお年寄りを乗せたマイクロバスが到着した。高齢者向け買い物支援サービスを利用する人たちだ。

買い物には、福祉関連企業の光プロジェクト(鳥取県大山町)が開発した体重を乗せて歩ける「楽々カート」を使用。「買い物おたすけ隊」としてボランティアの組合員が付きそう。10時半から12時まで、1階の食品売り場を中心にゆっくりと買い物をして回った。

小規模多機能型居宅介護を受けている田中しずえさん(82)は「普段、買えない物を」と缶ビールの6本パックを購入。「重たい物が買えてうれしい」と笑顔を見せる。

宮本淳さん(85)はサービス付き高齢者住宅(サ高住)住まいで、「最近は足が痛む」。専用カートで足腰に負担がかからず「好きな物が自由に買える」。この日は約4000円分の商品を購入した。

コープこうべは6月から同店で高齢者向け買い物支援サービスを実験的に始め、9月からは毎週、木曜日に本格的に実施する。取り組みに参加した作業療法士で、デイサービス施設運営のセラピット(神戸市)社長の大浦由紀さんは「お年寄りにとって買い物はずっとやってきた生活行為。通常のリハビリとは違って自発的に楽しみながら取り組めるので効果的」と話す。

大阪府枚方市の食品スーパー、スーパーストアナカガワ北山店でも5月から、「ショッピングリハビリ」を実施している。福祉関連の一般社団法人、LICOS(枚方市)が店内に、下半身が弱った高齢者や脚をけがした人たちがリハビリできるカフェ「暮らしの保健室LICOS」を開設。専用カートを貸し出し、リハビリを兼ねたショッピングを楽しんでもらう。

毎週、月・木曜日の午後2~4時、デイサービス施設「きらく会」(同市)から3~4人が参加。毎月、30人程度がショッピングリハビリに取り組む。同施設にも専用カートを置き、事前に動かし方を練習してもらう。血圧を測り、準備体操をしてから、万歩計を付けて、店内を2000歩程度歩くという。

歩行訓練や支払い計算、認知症の予防にも

常駐する理学療法士で、LICOS代表理事の川内雅和さんは「同じ歩く練習でも買い物だと苦にならない。日常生活を通して、リハビリに取り組んでもらえる」と効果を強調する。

作業療法士で光プロジェクトの杉村卓哉社長によると、買い物により、(1)「冷蔵庫に何が残っていたか」などの記憶の呼び出し(2)商品の品質や価格の吟味(3)所持金の管理や買い物額の計算(4)売り場やレジの場所などの空間認知――などを体験することで、認知機能へ良い影響を与えるという。これに歩行が相まって、リハビリへの有効性があるとされている。

買い物リハビリの効果に着目し、介護予防事業として取り組む自治体も出始めた。島根県奥出雲町は9月下旬から、「ショッピングリハビリ」に取り組む。同町と介護・福祉施設を運営するクオリティライフ(同町)、協同組合横田ショッピングセンター(同)が連携し、毎週、火・水曜日の午前10時半~午後1時半に実施する。

希望者は同町包括支援センターまで電話で申し込む。参加費は1000円。自宅からショッピングセンターまで車で送迎し、専用カートで買い物を楽しんでもらう。同町は「高齢者を介護状態にさせないためにショッピングリハビリを活用したい」と意気込む。

専用カート 高い価格、スタッフも不足

買い物リハビリのポイントは専用カートの使い勝手。楽な姿勢で店内を回れるのか。コープデイズ神戸西で実際に試してみた。

カートは、前方に買い物カゴ載せを装備。取り付けたウレタン製の台にひじを置き、体重をかけて前に進める。台の高さは約90センチから110センチまで調整できる。

4輪で前の2輪は可動、後ろ2輪は固定。肘を乗せ、グリップをつかんで体重をかける。通常のショッピングカートに比べて車輪が大きいため安定性がある。カートの左脇に杖(つえ)を掛けるリング状の金具が付けられており、杖が欠かせない人も利用できる。

進行はスムーズだ。方向を変えるのも難しくない。足腰への負担は軽く、1時間程度買い物をしても疲労感は少ない。足が弱り、買い物を諦めている人など潜在需要は大きいだろう。

ただ、専用カートの普及には課題もある。まず、価格。光プロジェクトによると、「楽々カート」=写真=の価格は1台6万円。通常のショッピングカートの20倍だ。「専用カートに関心はあるが、現在の費用対効果を考えると導入は難しい」(大手スーパー)との声があがる。

高さ調整や使い方を教えるスタッフの確保という問題もある。コープこうべのようなボランティアを活用したり、付き添いの施設スタッフに担当してもらったりしないと難しい。

商業施設の中には専用カートを置くだけにしているところもある。「来店してくれないと意味がない。専用カートの導入と送迎をセットにすると効果的」(光プロジェクトの杉村社長)という。

(大橋正也)

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