マネー研究所

保険ナビ

自分以外の家族を守る死亡保障 遺族年金も忘れず 正しい保険選びの考え方(2) 生活設計塾クルー 浅田里花

2016/9/7

 暮らしの経済的リスクをカバーする仕組みとして、生命保険が大きな役割を果たしてきたのは「死亡保障」。今回は死亡保障の必要性や必要保障額などについて解説していきましょう。

■「死亡保障」の必要性が高いケース、低いケース

 「死亡」を保障する保険は、保険の対象となっている人(被保険者)が亡くなった時に保険金が支払われる保険ですから、当然、死亡した本人が受け取れるわけではありません。死亡保険金を残さなければならない相手や理由がないなら、入る必要がない保険ということになります。

 例えばシングルの人の場合、高齢の親、あるいは幼い兄弟を経済的に支えているなどの理由がないかぎり、「亡くなって経済的に困る誰か」がいるわけではありません。経済面だけを割り切って考えれば、保険金を残す必要性は薄いわけです。「若いうちに入った方が保険料は安い」というセールストークもありますが、いくら安くても、本当に必要になるまでの間に払う保険料は結局ムダなのです。

 また、結婚が保険の入り時の一つとも考えられがちですが、共働きでまだ子供のいない間はシングルが2人いるのと同じ。どちらか(一般的には妻)が仕事を辞めるなどして配偶者の経済的責任が大きくなったなら、残されたパートナーが自活できるようになるまでの補填として、死亡保障を検討する必要はあるでしょう。共働きでもどちらか片方の収入がなくなると家計が厳しいというケースも、家計の立て直しができるまでのカバーが必要です。

 本格的に死亡保障が必要になるのは「子供が生まれたら」。子供が経済的に独立するまで扶養する親の責任があるからです。もしあなたが大金持ちで、配偶者や子供の生活費や教育費などが十分に残せるというケースであれば、ハッキリ言って保険は要りません。けれども大半の子育て世代は、資産形成をこれから始めるはず。今降りかかったら大きな経済的打撃となる家計収入の担い手の死亡リスクを、加入が整えば契約通りの死亡保障が確保できる保険商品は、家計を守る大切なアイテムとなるのです。

 子供の人数が増えればさらに親の経済的責任は増しますが、逆に子供の成長とともに責任は軽くなっていきます。加入時の保障額のままでは入りすぎになるので、時間の経過とともに保障額を減額するほうが合理的です。

■必要保障額の計算では「遺族年金」を忘れずに

 私たちには、すでに備わっている公的保障があることを前回の「保険料は助け合いへの参加料 貯蓄にあらず」で述べました。死亡保障の場合、公的年金制度による「遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)」がそれに当たります。

 まず「遺族基礎年金」ですが、こちらは子供が18歳になる年度末(一般的に高校卒業時、障害のある子供の場合は20歳になる年度末)まで、亡くなった人の子供がいる配偶者(配偶者がいない場合は子供)に支給されます。2016年度の年金額は、78万100円+子の加算額22万4500円(第2子まで、第3子からは7万4800円)。例えば、幼い子供が2人いる人が亡くなった場合、遺族基礎年金額は122万9100円です。月額にして10万円強の収入が確保できていることになります。

 大黒柱の夫が死亡した場合だけでなく、制度改正で14年4月から専業主婦(国民年金第3号被保険者)の妻が死亡した場合も、夫に遺族基礎年金が支給されるようになりました。ただし、遺族年金を支給する判定基準として「850万円以上の年収を将来にわたって得られない」というのがあるので、年収が高いケースは対象となりません。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL