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ワタミが新業態のメキシコ料理店 和民らしさはゼロ

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日経トレンディネット

主力の総合居酒屋事業の不振で大きな転換点を迎えているワタミは近年、「ワタミ」の名を冠さない専門店を積極的に展開している(関連記事「ワタミとサントリー、マグロづくしの居酒屋をオープン」)。そのワタミが、なんとメキシコ料理に特化した新業態を開発。2016年8月22日、カジュアルダイニングレストラン&バー「テクスメクスファクトリー(TEXMEX FACTORY)」を東京・渋谷にオープンさせた。

メキシコ料理は数年前から世界的に流行しており、その波は日本にも来ている。2015年には米国の巨大メキシカンファストフードチェーン「タコベル」が日本再上陸。オーストラリアからは「グズマン イー ゴメズ」が日本初上陸し、今秋には3店舗目をオープン予定だ(関連記事「日本再上陸の「タコベル」でタコスよりうまいメニュー」、「ラフォーレ原宿、フードコートで食の流行発信」)。スタイリッシュな飲食店舗を展開するHUGE(東京都目黒区)も「ラス ドス カラス-モダンメキシカーノ イ タコス」などのメキシカン業態を4店舗展開するなど、国内の飲食企業がメキシコ料理店を出店するケースも増えている。

だが、ワタミによると、それらはいわば、"第一次メキシコ料理ブーム"。同社が運営するテクスメクスファクトリーではこれまでのメキシコ料理店のイメージを覆し、新たに"第二次メキシコ料理ブーム"を起こしたいという。それはいったい、どのようなものなのか。確かめるべく、オープン直前のプレス試食会に参加した。

和民のDNAが1ミリも感じられないワケ

テクスメクスファクトリーがあるのは、休館した渋谷パルコ向かいの路地を1分ほど歩いたところにあるビルの2階。ワタミが展開しているカジュアル レストラン&バー・チェーン「TGIフライデーズ」の隣で、同社のバル&ダイニング「GOHAN」跡地だ。

ドアを開けるとピンク色のトンネルがあり、いきなりの非日常感に驚く。右側にバーカウンターとスタンディングエリア、左側がオープンなダイニングエリアになっているが、どこを見てもワタミの業態転換とは思えないスタイリッシュなオシャレ空間だ。

メニューはタコス、ブリトー、ファヒータ(肉料理)といった日本でも近年認知されてきたテクスメクス(メキシコ風米国料理)が中心。ひととおり試食したが、どれも辛さや香辛料がほどほどで野菜が多くヘルシー。ほぼすべての料理にトルティア(薄焼きパン)が惜し気なく添えられていて、ボリューム満点過ぎるほど。十数種類ほどあるボリュームたっぷりの前菜はすべて1000円以下で、コスパは非常に良いと感じた。

聞けば、TGIフライデーズで提供している季節限定のメキシコ料理メニューの中から人気が高いものをベースに、メニューを開発したとのこと。20~30代に人気のTGIフライデーズのノウハウが生かされているのを感じた。

一方、どこを見ても見つからないのが、「ワタミ」のカラー。ワタミの業態転換はこれまでいろいろあったが、これほど大胆に変身させた店舗はないのでは。なぜここまで徹底したのか。同店を提案したというワタミDINNING事業部長・久保田琢磨氏に話を聞いた。

社内では「本当に作れるのか」と心配されていた

久保田部長は、TGIフライデーズに1999年のスタート時から関わっていたスタッフ。TGIフライデーズは世界60ヵ国で900店舗以上を展開する、全米一のカジュアル レストラン&バー・チェーンで、運営はワタミでも、オペレーションマニュアルは米国とほぼ同じだという。つまり和民のカラーを消したのではなく、「最初からなかった」のだ。

久保田部長がテクスメクスファクトリーを企画したのは、TGIフライデーズの研修で米国を訪れ、そのリアルな食文化に触れたのがきっかけ。「本格メキシコ料理ではなく、米国の中で独特の進化を遂げたのがテクスメクス料理で、多くの普通の米国人が日常的に食べていた。ちょうど日本のラーメンやギョーザと同じように、今の米国人に本当に愛されているフードだと感じた」(久保田部長)。

もうひとつ心を引かれたのが、日本の飲食店にはない独特な雰囲気。そのふたつを融合させたものを新業態のアイデアを募集する制度で提案したところ、約160件集まった提案の中から1位に選ばれた。

「面白い」と評価した経営幹部がひとつだけ不安視したのが、店の雰囲気作り。「こんな内装ができる業者が日本にいるのか」と心配したそうだ。

それを解決したのが、趣味やカルチャーを生かした建築が人気のカリフォルニア工務店のチーフデザイナー、ROCK岩切氏との出会い。「企画を伝えたら、契約もしていないのに自腹で米国に行き、感度の高い人々が集まるテクスメクスの店を巡って研究し、最終的に見事にそのままの雰囲気を作り上げてくれた。彼がいなかったらオープンは実現しなかった」(久保田部長)。例えば本場のテクスメクス店でよく見かける「スターライト」という照明器具は日本では入手しづらく、せいぜいショップの飾り用に1~2点置いてある程度。それを同店ではメーンの照明に使用している。

同店でもうひとつ目指しているのが、日本でのテキーラのイメージアップ。従来のメキシコ料理店などでは、テキーラは、"罰ゲーム"としてショットで飲まれることがあり、強いだけの酒と敬遠されがちだった。「でもそんな飲み方は、海外ではあまりしない。むしろファッショナブルなお酒として認知されていて、ジョージ・クルーニーのようにテキーラの醸造所を所有するセレブも多い」(久保田部長)。

同店ではテキーラの本当の魅力を広く知ってもらうため、100%ブルーアガベを使用したテキーラをベースにした飲みやすいカクテルを多数用意。「メキシコ料理には刺激が強く食べにくいイメージがあったり、強いテキーラを飲まされたりする不健康なイメージがある。ボリューミーだけど野菜たっぷりでヘルシーなテクスメクス料理と本当においしいテキーラで、メキシコ料理のイメージを変えて新たなブームを作りたい。年間1~2店の出店を続け、将来的にはTGIフライデーズと同等の店舗(現在国内16店舗)で展開したい」(久保田部長)という。

ワタミ広報・CSR部の菅則勝担当課長によると、同社が運営する飲食店の80~85%は、総合居酒屋の「和民」と「わたみん家」。同社ではニーズの多様化を見据えて新業態店を増やし、中期的には総合居酒屋業態の比率を半分程度にする考えだ。「テクスメクスファクトリーのような業態はランチ営業での収益も見込めるため、その意味でも期待が大きい」(菅担当課長)。新業態提案制度の1号店であるテクスメクスファクトリーが成功するかどうかは、今後のワタミの将来を占うともいえそうだ。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2016年9月1日付の記事を再構成]

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