肌のたるみ、くすみを解消 糖化を防ぐ7つのお茶

日経ヘルス

(写真:鈴木正美)
(写真:鈴木正美)
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何げなく口にするお菓子やジュースに含まれる糖質が、肌を糖化させ、たるみの原因になることをご存じですか。この「糖化たるみ」予防に効果を発揮するのが、緑茶や健康茶。糖質を減らすよりも簡単。7つのお茶を上手に飲んで、たるみ、くすみのない肌をキープしましょう。

肌のたるみには、筋力低下だけでなく「糖化」も影響する。「糖化」は、体内のたんぱく質が、食事などでとった糖質と結合する現象。糖化が進むとたんぱく質はAGEs(終末糖化産物)に変わり、肌の黄ぐすみやたるみを招く。「AGEsは、老化を早める元凶。肌の土台であるコラーゲンにAGEsがたまると弾力や柔軟性が失われ、肌がたるむ」と、久留米大学の山岸昌一教授。濃い緑茶など抗糖化作用の高いお茶には、それを防ぐ可能性がある。

「糖化予防には、血糖値の急上昇や、高血糖状態が長く続くのを避けるのが重要。高濃度の茶カテキン類は血糖値上昇を抑える働きを持ち、糖化やAGEsの蓄積予防効果が期待できる」(山岸教授)。閉経女性が1日に615mgの茶カテキンをとり、「4週間で食後血糖値が抑えられたとの報告がある」と、山岸教授。市販の350ml入りペットボトルの高濃度茶カテキン飲料なら1.2本程度でとれる計算だ。

ただ、高濃度の緑茶はカフェインが多い。「寝つきが悪くなる、人により肝臓機能障害が出るという報告も。体調や体質に合わせて無理なく取り入れて」(山岸教授)

糖化たるみを防ぐお茶の飲み方ルール
・抗糖化作用の高いお茶を1日1~2杯飲む
抗糖化作用を得るには、茶カテキンなら1日400~600mg程度が目安。濃くいれた緑茶を2杯(約200ml)程度でとれる量。カフェインが気になる人は、カフェインレスの健康茶を同量程度飲むことで、抗糖化作用が期待できる。
・1日何回かに分けて飲む
糖化予防には、血糖値が高い状態を避けるのがカギ。食事と一緒に飲むほか、こまめに飲んで、お茶の抗糖化成分が常に血中にある状態をキープするのが得策だ。緑茶は変色すると効果が落ちてしまう。その都度いれるのがお薦め。
・ブレンドで効果アップ
健康茶には、「AGEs(終末糖化産物)をたまりにくくしたり、たまったAGEsの分解を促したりする可能性がある成分が含まれる」(八木教授)。単品でもいいが、「ブレンドすると相乗効果で抗糖化作用が高まる」(同志社大学の八木雅之教授)。

■いつもの緑茶を糖化たるみ予防ドリンクに

家にある普通の緑茶も、茶葉の量を増やし、高温でいれるとより多くの茶カテキンを抽出できる。いれたての「高濃度カテキン茶」で糖化たるみを予防しよう。

カテキンは酸化すると茶色く変色して違う物質になる。その都度いれて色が変わる前に飲もう。

茶葉6~7gに熱湯約200mlを注ぐ

[いれ方]

茶葉6~7gに95℃以上の熱湯100mlで1分間抽出したら、湯のみに移してもう1回同様に抽出する。茶葉1gにはカテキンが100~130mg含まれ、一煎めで60%、二煎めで80%まで抽出できるという。血糖値上昇抑制効果が期待できるカテキン量は、およそ400~600mg。茶葉6~7gで抽出できるカテキン量は、およそ480~728mgの計算だ。

  

■糖化たるみを防ぐカフェインレスの健康茶

カフェインレスの健康茶にも、強い抗糖化作用を持つものがある。それが、同志社大学の八木雅之教授らが80種以上の健康茶を調べて突き止めた、下の表の9種類。「緑茶と同等の極めて高い抗糖化作用を持ち、食後の高血糖を防ぐ働きが高い」(八木教授)。1日1~2杯で、その効果が期待できるという。

注目したいのは、AGEsの分解を促す可能性があるというお茶。「AGEsは一度できると分解されにくいが、健康茶の作用には、AGEsの分解・排出を促進する可能性があることが分かってきた」と八木教授。

健康茶独特の風味は、“ちょい足し”などの工夫で飲みやすくなる。お薦めは、糖質の吸収をゆるやかにするクエン酸を含むレモン。抗糖化作用のあるお茶は、肌のくすみやたるみだけでなく、血管や内臓の老化も防ぐという。さっそく飲み始めよう。

[健康茶のいれ方は2通り]

左:急須でいれる 右:茶葉を煮出す

1.急須にティーバッグを入れ、パッケージに表示された量の湯を注ぎ、所定の時間蒸らす。

2.表示の量の湯を沸かし、弱火で煮出す。水から沸かすタイプや、煮出し後に蒸らすタイプもある。

【AGEsを増やさない、ためないお茶】

花粉症の人にはおなじみの甜茶は、抗糖化作用も高い。また、「ドクダミ茶に含まれるクエルシトリンなどのポリフェノール類のAGEs生成抑制作用は、糖化反応阻害薬として開発が進められていた成分、アミノグアニジンの約100倍」(八木教授)という。

甜茶(上)、ドクダミ茶(下)

甘くても抗糖化力は絶大 甜茶

エラグ酸などの甜茶ポリフェノール類がAGEsの生成を防ぐ。独特の甘味は、ノンカロリーの天然甘味成分「ルブソシド」によるもの。5分ほど煮出して飲もう。「甘いものが欲しくなるティータイムなどにお薦め」(八木教授)。

漢方パワーでAGEsを撃退 ドクダミ茶

十薬(ジュウヤク)の名称で漢方薬としても使われる。急須でいれても煮出しても飲め、クエルシトリンなどのポリフェノール類がAGEsの蓄積を妨げる。

【食後血糖値を抑えて糖化反応を防ぐお茶】

グアバ茶に含まれるグアバ葉ポリフェノールには、「食後血糖値の上昇抑制作用が確認されている」(八木教授)。まず食前に飲み、食事中にも飲むとより効果的。緑茶に似た味わいのクマザサ茶は、渋みが苦手な人にもお薦め。

グアバ茶(上)、クマザサ茶(下)

分解酵素を阻害 グアバ茶

フトモモ科の低木であるグアバの葉と果実の皮部分を煎じたお茶。デンプンの分解酵素αアミラーゼの働きを阻害し、血糖値の上昇をゆるやかにする。渋みが出やすいため、長く沸騰させないよう気をつけて。

クセのない飲みやすい味 クマザサ茶

料理の飾りにも使われるイネ科のクマザサの葉を焙煎したお茶。色は、緑茶を思わせる緑色。渋みやにおいが少なく、料理の味を邪魔しないので、食事と一緒にぜひ飲もう。

【AGEsの分解を促す成分を含むお茶】

柿の葉茶とルイボスティーには、AGEsの分解促進が期待できるという。「分解作用に寄与する成分の特定はこれからだが、どちらもAGEs分解促進作用を持つ可能性がある」(八木教授)。いつ飲んでもいいが、肌の新陳代謝が活発になる夜、寝る前に飲んでも。

柿の葉茶(上)、ルイボスティー(下)

ビタミンCもたっぷり 柿の葉茶

ビタミンCを豊富に含み、脂肪の分解作用のあるポリフェノール、タンニンもたっぷり。高温で煮出すとタンニンが多く溶け出して渋くなりやすいため、急須でいれるのがお薦め。ほうじ茶風の味わいを生かして豆乳を入れ、チャイ風にしてもおいしい。

抗酸化力もバツグン ルイボスティー

南アフリカのマメ科の低木の葉。抗酸化力が強いのも特徴。「たんぱく質が酸化すると、糖がより結合しやすくなる」(山岸さん)。抗酸化パワーも借りて、より糖化しにくい肌に。

久留米大学医学部
山岸昌一教授
循環器と糖尿病の専門医で、老化原因物質AGEs研究の第一人者。AGEs研究で米国心臓病協会賞、日米糖尿病学会賞など受賞多数。著書に『老化物質AGEをためないレシピ ウェルエイジングのすすめ』(パンローリング)など。
同志社大学 生命医科学部
糖化ストレス研究センター
チェア・プロフェッサー
八木雅之教授
分析受託メーカーで糖化ストレスのヒト臨床試験などを担当後、現職。糖化・AGEs測定法の研究、糖化ストレス抑制対策や抗糖化素材の研究、アンチエイジングや疾病予防としての抗糖化に関する普及啓蒙活動などを進めている。

(ライター 籏智優子、写真 鈴木正美、スタイリング タカハシユキ)

[日経ヘルス 2016年9月号の記事を再構成]

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