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ブラジル大統領の無理なご要望、帝国流おもてなしで 帝国ホテル社長兼東京総支配人の定保英弥氏

2016/9/3

■訪日客、日本人リピーターのフォロー

――この10年、外資系のホテルが進出し、競争も激しくなってきています。どう対応していきますか。

「外国からのお客様も増えている一方で、実は我々のお客様の約半数は日本人です。それは北海道から九州まで、長年使っていただいている方がいるからです。これは強みだと思っています。むやみやたらに外国人のお客様を増やすつもりはないですし、国内のリピーターを大切にして次の世代にバトンタッチするということも重要だと思っています。それは外資系ホテルにはない、私たちの強みです」

「2020年はちょうど130周年でもあり、現時点でターゲットにしていますが、その次の150年も重要だと考えています。次世代にバトンタッチするために、今の若いメンバーがのびのびと働ける環境作りを意識しています。女性活用にも力を入れています。ホテルは、女性が働きやすい職場だと思っています。24時間365日の大変な職場ですが、帝国ホテルには20人の部長のうち女性部長が4人です」

「ほかにも、メーンのバーであるオールドインペリアルバーに、女性のバーテンダーが誕生しました。先日も、調理経験4年未満、25歳以下を対象にしたフランス料理のコンクール『クラブ・プロスペールモンタニェ』で、22歳の女性社員が初めて総合優勝をとりました。30年以上の歴史のある、格式の高い大会ですので、非常にうれしいニュースでした。競争力をあげるには、愚直にサービスの質をあげていく、というのが最優先だと思っています」

■「守りの経営」で胸をはってもいい

――ホテル経営の拡大、世界の主要都市のホテルのM&Aなどは考えていますか

「提携はあるかもしれませんが、基本的にありません。これは一歩間違えば、ブランドの希釈につながるからです。東京、大阪、上高地に加えていいお話があればもう一箇所、というのはアジアも含めあるかもしれません。しかし、ホテルの数を増やしてお客様を増やそう、という考えはないのです。東京で培ったブランドをいかに維持向上していくかというのが経営課題です。これも『守りの経営』ということで胸をはっていい。そう私は考えています」

定保英弥氏(さだやす・ひでや)1984年、学習院大経卒、帝国ホテル入社。入社以来、ほぼ一貫して営業畑を歩む。2004年に営業部長、09年には東京総支配人に。戦後最年少の社長として13年から現職。

(松本千恵)

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