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定保氏

定保氏

1890年11月3日、ときの外務卿(外相)井上馨の「日本に本格的な西洋式のホテルを」という思いから生まれた帝国ホテル。125年以上続く歴史のなかで、守るべき伝統と変えていくこととは何か。リオデジャネイロ五輪も終わり、次は2020年の東京五輪だ。「帝国ホテル流」のおもてなしについて、1000人を超える一流ホテルマンの頂点に立つ、社長兼東京総支配人の定保英弥氏に話を聞いた。

「おもてなし」はそんなに簡単なものではない

――定保さんからの目から見た、「おもてなし」とは何でしょうか。

「お客様全員に『このホテルが最高だ』といってもらうのは、本当に難しい。それぞれの趣向があります。私たちが目指しているのは、宿泊するお客様がセカンドホームに帰ってきたような雰囲気を作ることです。奇をてらわず、シンプルに居住性や快適さにこだわっています」

 「(五輪決定の際から)『おもてなし』というキーワードが一人歩きしているような感じも受けます。しかし、毎日実践し、追求しようとしている我々からすれば、そんなに簡単なものではない、と思います。何よりサービスを提供している側の自己満足であってはいけない。お客様が望むことができて初めておもてなし、といえると思います。押し付けのサービスでは、『おもてなし』ではありません」

――具体的なエピソードはありますか。

「ホテルに到着したお客様を迎えるドアマンはかならずポケットに5000円札1枚と、1000円札5枚を入れています。これは、両替のためです。特に外国人のお客様に多いのですが、タクシーで一万円札しかもっていなくて、支払いがスムーズにできないことがあるのです。そこでうちのドアマンが一万円を両替できるよう、そういったサービスを始めました。これは総支配人である私が『こうしろ』と始めたものではなくて、彼ら現場が自分たちで考えて始めたサービスです。普段なかなか見えませんが、そういった見えない部分でお客様に快適にスムーズに心地よくホテルライフを過ごしてもらうためにはどうすればいいか、と考えた上でのサービスです。我々日本人独特のきめ細やかな見えないところまで姿勢で示す、というところが非常に重要だと思っています」

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