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ソニー「RX10M3」 デカくて重いが望遠がスゴイ

落合憲弘の「へそ曲がりデジカメ生活」

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NIKKEI STYLE

日経トレンディネット
今回のお題は、ソニーの高倍率ズームデジカメ「Cyber-shot DSC-RX10M3」だ。1型の積層型CMOSセンサーを搭載する「Cyber-shot DSC-RX10M2」の派生モデルで、レンズを35mm判換算で600mm相当までカバーする光学25倍ズームに変更したのが特徴。

ワタシ怒ってます。ソニー「DSC-RX10M2」が発売されてわずか8カ月というタイミングで新たなモデル「DSC-RX10M3」を発表しますぅ? しかも、RX10M3はテレ端が600mm相当にまで伸ばされているという暴挙(?)にも出ていた。「DSC-RX10」に惚れた過去を持ち、パナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」のテレ端400mm相当の画角を重宝し、さらには的を射るRX10M2のスペックアップにおメメがハート型になっていた私にとって、そりゃー目の毒以外のナニモノでもありゃしまへんっつうもんでごわす。

ここでまずハッキリしておきたいのは、私はRX10とFZ1000とRX10M2を所有しているということ。そして、RX10M2とFZ1000のシャッターを切った回数の合計は、同期間の一眼レフのそれを余裕で上回っていたことも重要なポイントだ。要するに「1型センサーを搭載する高倍率ズームレンズ搭載コンデジ」に病的なまでにハマっている私なのである。RX10M3の登場に動揺しないはずがない。

さらに不幸は重なる。紙媒体のほうでRX10M3のインプレ記事を書くことになってしまったのだ。発売前に使えるのである。使用感が確かめられちゃうのである。あまりにも悲惨な展開だ。これ以上の危険な仕事があるだろうか。万一の場合(買いたくなった場合)、労災は適用されるのか(笑)。

イヤな予感ほど的中するというのはこの世の常でありまして、初めて使ってみたRX10M3は、なんというか、その、ヒジョーに、タイヘンに、モーレツにヨイものだった。少なくとも、私のハートを鷲掴みにするには十分すぎるほどの機能・性能とキャラクターを有しているヤツだったのである。RX10M2の仕上がりを知っていれば、RX10M3のデキは、まぁいってみりゃ想定内のもの。その「想定内の仕上がり」が「予想通りのドンピシャ具合」であったことに逆にシてヤラれてしまったのだ。

漠然と「こうなって欲しいなぁ」などと思っていたものが、そのままカタチになって目の前に現れたような展開である。据え膳食わぬは男の恥。チト違うか。ま、何はともあれ、私はさほど躊躇(ちゅうちょ)することなくRX10M3の「予約購入」を決断することになった。デジカメを予約してまで買うのは久々だ。おかげで、発売日に無事、入手することができている。めでたしめでたし。

レンズが変わっただけでなく、操作性もしっかりと改良

製品写真で見るとよく似ているRX10M2とRX10M3のお二人なのだけど、実物を手にすると両者はまったくのベツモノだ。まずは何より大きさ、重さが段違い。RX10M3は、想像以上にデカ重いのである。

レンズのスペックアップを考えれば当然のサイズアップではある。しかも、単にデカくなっているだけではなく、大きくならざるを得なかった宿命を上手に活かしている部分があるのが救いにもなっている。例えば、ダブルになったレンズリング。従来は、ピントかズーム操作のいずれかをあらかじめ割り当てておく(あるいは自動切り換えに頼る)ことになったレンズリングをRX10M3では2本装備。これで、ズームとピントの両方を常時、別々に操作できるようになった。マニュアル操作のズーミングでかなり速い焦点距離移動ができるようになっていること(これはRX10M2ですでに実現されていた)と併せ、撮影時の操作性は相当に向上しているのである。

ボディー上面、シャッターボタン手前のカスタムボタンが2つになっている(旧来は1つ)のも、ボディーが大きくなったことで実現された操作系の変化だ。この位置に設けられた2つのカスタムボタンに慣れると、ひとつでは物足りなく感じるようになってしまうのが困りもの。最近、半ばヤケになってRX10M3をメーン、RX10M2をサブとして持ち歩くという超ヘンタイ的な日常を送っている私にとっては(手に入れて1年もたっていないRX10M2がどうしても手放せないんですぅ~)、人知れず苦労している部分だったりするのだけど、きっと誰も分かってくれないのだろうなぁ…。

操作系の変化に関しては、測距点を即時、移動できる状態のまま撮影できるようになったところもベリーグッドですな。RX10M2までは、測距点の移動後はその位置を確定した後でなければ撮影できず、再度の移動にはもう一度、測距点の移動を可能にする操作(「フォーカスエリア」を割り当てたボタンの2度押し)が必要になったのだが、その操作を経ることなく撮影中ダイレクトに測距点を動かせるようになったのだ。本件は、α6300でも見られる撮影時操作性の"進化"である。

他の部分、例えばEVFやモニターの見え方だったり基本的な画質そのものにはRX10M2との違いは感じられない。連写関連や電子シャッター使用時に動体ゆがみがほとんど生じないという他のデジカメをしのぐ使い心地もまったく同じである。レンズの焦点距離(画角)の違いに起因する仕上がり差は当然、結果として出てくることになるのだが、その部分を除けば、写真を撮る道具としてRX10M3とRX10M2の間に埋めようのない差はないと思っていい。

だからこそ、RX10M2はRX10M3とさほどの価格差を与えられずに併売され続けているのだと思う。コトの流れが「M2→M3」ということで、あたかもRX10M3の方が後継機みたいな雰囲気にはなっているけれど、実質的にはほぼ同列に位置する(しかも互いに比較対象になることはあまり想定していない)兄弟機ってことなのだ(たぶん)。つまり、本当だったら「RX10M2とRX-Z600」みたいなカタチで、まったく別のモデルとして同時に出すべきだったんだよ。そうすれば、私のような迷える子羊(笑)は生まれずに済んだハズなのである。プンプン!

ピントの精度には相変わらず甘さが残る

RX10M3を手に入れて思うのは、テレ端の焦点距離が飛躍的に伸びているにも関わらず、どの焦点距離においても画質的に不足を感じさせるところがないのがとにかくスゴイってこと。24mm相当から600mm相当までの画角を開放F値F2.4~F4でカバーしていることを考えると、これは驚異的なことであり、RX10やRX10M2のテレ端焦点距離(200mm相当)に当初からあと少しの頑張りを求めていた私にとっては、最大のプレゼントになり得るポイントでもあるのだ。

レンズの収差に対しては、相当のボディー内補正が入っているはず。でも、結果オーライだ。それよりも、1型センサー+24-600mmF2.4-4レンズ+余裕のある連写能力がもたらす利便性の高さを最優先で評価するべきだと思うからである。

ISOオートの制御に、より速いシャッタースピードが維持される「高速(FAST)」や「より高速(FASTER)」設定が用意されている(RX10M2から搭載)のも、「ノイズよりブレ防止を優先」する我が写真人生にはピッタリの作りであり、また個人的にはFZ1000の抱えていた欠点を見事、解消している作りであるとも捉えている。今はもう、FZ1000の後継機が顔を出してきそうなタイミングではあるけれど、少なくとも現時点、初代RX10がFZ1000に引き離されていた部分は、RX10M3に至るまでの段階でほぼリカバリーされたと考えていいだろう。これで私もやっとFZ1000から半分だけ卒業できそうな気がしてきた。

完全なる卒業が果たせないのは、RX10M3にはAFの精度に関し、まだ心許ない部分が残っているからだ。動体に対するAFは相当に良くなっており、とりわけ等速直線運動している被写体に対する合焦能力には実用に困らない程度の実力が備わっているのだが、低コントラストな被写体に対する合焦スピードと精度には、例え被写体が静物であったとしても、いまだ弱さを見せることが少なくないのである。昼間の明るい何でもなさそうなところで自信満々で合焦マークを出しながら、実は微妙にピンぼけだったりするという、本連載ですでに何度も指摘してきている特有のクセも解消されているとは言い難い。RX10M2から搭載されたフォーカスエリア「拡張フレキシブルスポット」も、被写界深度が極端に浅い状況下では、フォローに回った周辺のフォーカスポイントへの合焦が結果、肝心な部分からの微妙なピントのハズレをもたらすことがあるなど、物事がなかなか上手く回っていない感じなのだ。

しかし、そのへんに気づかぬふりをすることを可能にする驚異的な利便性の高さを誇るRX10M3であるのも紛れもない事実。連写中、何かの拍子にEVFの視野内が一瞬「真っ白→真っピンク」になって驚かされたり、RX10M2には装備のあった内蔵NDフィルターが廃止されてしまったおかげで流し撮りや動画撮影時に困る(撮れないことはないが絞り込みすぎになったりシャッター速度を速くせざるを得なくなる)なんてこともあるのだが、まぁ、そのへんも我慢できなくはないワケである。極端に秀でている部分が2~3あると、1つ2つの欠点は許せちゃうって、人間社会にもありがちな展開だよね。ファームアップでNDフィルターの追加はないだろうけど(笑)、ピント精度の向上には引き続き期待しておりますので、ぜひぜひヨロシクお願いしまーす! 最後まで生き残れるデジカメって、きっとこういうヤツなのだろうから……。

落合憲弘(おちあい・のりひろ)
プロカメラマン。街中スナップ大好きのしがない写真撮り&物書き。生まれながらの天の邪鬼。もともと機材関係には興味がなく、そもそもカメラにもこだわりはなかったハズなのだが、デジカメ時代に突入してからは「より自分にピッタリの一台を追い求める」という都合の良いイイワケのもと、年間5~10台のデジカメを購入するハメに陥りつつ、青息吐息で現在に至る。だが、カメラ好きではなく写真好きを自認。加えて、クルマにもチトうるさいと自分では思っている。カメラグランプリ2016選考委員。

[日経トレンディネット 2016年8月12日付の記事を再構成]

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