マネー研究所

Money&Investment

相場観を持ち短期売買 レバレッジ型、値動き大きく ETF最前線(2)

2016/9/6

 個人投資家が活発に売買している上場投資信託(ETF)として「レバレッジ型」という名前をよく聞きます。どのようなETFなのでしょうか。

 レバレッジ型ETFとは元の指数の±2倍の大きさで動く指数に連動した値動きを目指すETFのことだ。日本株を対象にしたものでは日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)、JPX日経インデックス400などの指数に、それぞれレバレッジ指数がある。

 例えば日経平均株価が3%上昇した日は、日経平均レバレッジ指数は6%上昇、日経平均が5%下落すると10%下落するというように、日々の騰落率が2倍になる。

 代表的なレバレッジ型ETFが野村アセットマネジメントの「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(日経レバ)だ。昨年夏以降、個人マネーの流入が急増し、野村アセットが10月16日から一時、新規設定を停止したことで注目を集めた。背景にはレバレッジ型ETFの運用手法がある。

 レバレッジ型ETFは元の指数の2倍の騰落率を目指すため、運用会社は純資産の2倍の規模の先物を裏付け資産として保有する。そして日々の取引終了後、先物を売買することによって、純資産の2倍を保つようリバランスする。

 昨年10月中旬の日経レバの純資産は一時、8000億円超に達していたため、運用会社は1兆6000億円の先物を保有していた計算だ。株価変動率が大きいと、その分リバランス取引の規模も膨れ、先物市場に与える影響が大きくなると判断したのだ。

 今年に入ってからもレバレッジ型ETFの売買は活況。特に株価が大きく下落したタイミングで買いを入れる「逆張り個人」の人気を集めている。

 ただレバレッジ型ETFは長期保有には向かない点に注意が必要だ。

 例えば日経平均が1日目に5%上昇、2日目に10%上昇すると2日間の上昇率は約15%になる。一方、日経平均レバレッジ指数は10%、20%と上昇し、2日間の上昇率は32%。つまり、持ち続けると値動きの幅が2倍からずれていく。

 では日々、上昇と下落を繰り返した場合はどうか。

 6月24日、英国の欧州連合(EU)離脱決定のニュースが伝わると日経平均株価は7.9%、日経平均レバレッジ指数は15.8%下落した。その後の騰落を経て、日経平均株価は7月13日には6月23日の水準に戻ったが、日経平均レバレッジ指数はわずかに届かなかった。レバレッジ指数は相場が上昇・下落を繰り返すと、元の指数と比較してパフォーマンスが落ちていくという性質がある。

 運用会社の中にはレバレッジ型ETFの商品説明で「一般的に長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きをとらえるための投資に向く」と記載しているところもある。楽天証券経済研究所の篠田尚子ファンドアナリストは「ある程度の相場観を持ったうえで、期間を限定して売買する姿勢が求められる」と指摘する。

[日本経済新聞朝刊2016年8月31日付]

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL