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エンタウオッチング

Apink 清純貫き、韓国女性グループで一人勝ちK-POP新世代ファイル(3)

2016/9/23

エンタウオッチング

K‐POP市場をけん引する新世代を追う連載。今回は日本で活動する韓国のガールズグループで随一の人気を誇るApinkの人気ぶりとその理由について分析する。

90年代生まれの6人組。上写真右から、キム・ナムジュ、パク・チョロン、ソン・ナウン、チョン・ウンジ、ユン・ボミ、オ・ファヨン(写真:加藤康)

若いグループが続々と登場し、ファンも中高生にまで若返っている新世代のK‐POP市場。人気は圧倒的に男性グループがけん引しており、2010年来、少女時代やKARAなどが起こしたガールズブームの熱気はすっかり冷めてしまったかのようだ。そんな現状で、日本で発売するシングルが8万枚を超えるセールスを記録するなど、韓国のガールズグループとしては一人勝ちなのが6人組のApink(エーピンク)。他のガールズがなかなか日本で大きくブレイクしない状況で、なぜ人気を維持しているのか。

Apinkは11年に韓国でデビュー。純情な乙女心を歌詞に乗せた数々のヒット曲で音楽番組やチャートでトップを記録し、音楽賞を総なめに。メンバーはCMやドラマ、バラエティでも活躍し、韓国では国民的な認知度を誇る。

Apinkを手がけるユニバーサルミュージック EMI Records制作本部の阿部誠氏は、日本で人気を獲得できている最も大きな理由はこうした韓国での実績が大きいと語る。

「安定した人気をけん引しているのは、韓国での人気者の動向を随時ウォッチしている情報感度の高い10代から20代の若い女性です。ネットなどで現地の情報を得ているファンは、Apinkが今や韓国で少女時代に続く人気者であることや、11年に韓国でデビューして以降、現地で巻き起こったApink旋風を知っているので、14年に『No No No(Japanese Ver.)』で日本デビューを果たしたときには、既に日本のファンの熱気は最高潮でした。それが今でも続いています」(阿部氏、以下同)

清純なコンセプトを貫く

また、日本のK‐POPファンにマッチしたコンセプトも人気の大きな理由だという。

「10年に少女時代やKARAが、日本でデビューし、K‐POPのガールズブームが起きましたが、その後、韓国から来たガールズグループはセクシー路線をコンセプトとして打ち出す傾向にありました。でもセクシーな切り口は、少女時代やKARAのかわいらしいファッションやスタイルをロールモデルとしていた日本の女子中高生のファンには少し大人っぽ過ぎました。結果、少女時代やKARAに次ぐガールズグループの人気者は出ていません。そんな状況で、「清純」「妖精」をコンセプトとして打ち出したApinkは、少女ファンたちを魅了しました」

こうしてApinkは、女性ファンの憧れとなった少女時代、KARAの後に出来た空白を埋め、人気を獲得。背伸びをせず、ファンと共に成長するスタイルを貫く。

「Apinkのメンバーは今20代前半で、デビュー時は学生でした。これまでのApinkの音楽では若い時代の恋の悩みを表現したり、ファッションは清純でキュートにと、徹底して、メンバーと同世代の若い女性ファンたちが共感できるピュアな世界観を大切にしてきました。結果、その共感の輪が日本の若い女性たちに広がっています」

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ガールズ旋風の旗手に

Apinkは昨年に続き、7月にライブを実施。東京(東京国際フォーラムホールA)のほか、北海道、大阪、福岡で計5公演を行った。8月3日には6枚目のシングルとなる『サマータイム!』も発売され、来年以降もツアー、シングルの発売を計画中。ライブもCDセールスも順調なApinkだが、さらに上を目指し「東京ドーム公演が目標」と言う。

少女時代やKARAのように、東京ドーム公演を実現するアーティストが生まれるためには、今後、Apink以外のガールズグループも巻き込んで、日本で大きなブームが再燃することが求められる。若いガールズグループのデビュー合戦が韓国では始まっており、日本にも飛び火するかもしれない。

(日経エンタテインメント! 白倉資大)

[日経エンタテインメント! 2016年9月号の記事を再構成]

今週はK-POP特集。5回連続でK-POP新世代を紹介します。
9月20日(火)テミン(SHINee)
9月21日(水)BIGBANG、WINNER、iKON
9月22日(木)Boys Republic/少年共和国
9月23日(金)Apink【研究編】
9月24日(土)Apink【インタビュー編】
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