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外国人をおもてなしする際の接待会食マナー

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NIKKEI STYLE

どんな企業やビジネスでも、取引先やパートナーに外国人がいることはもはや珍しくなくなりました。接待・会食などで外国の方をもてなす際に悩む方も多くなっています。そうした際に留意すべきことは何でしょうか。海外での出版、連載、講演なども多数あり、外国人とのマナーコミュニケーションやビジネスマナーにも詳しいマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

Q. 今月、取引先との会食を予定しています。先方のうちお二人は外国の方です。どのような配慮をすればよいか、特に注意すべきことについても教えてください。 

A. 外国人にかかわらず、通常の接待・会食でもそうですが、まず事前のリサーチが最も大事です。相手様の食べ物の好みを把握することは当然ですが、現代のおもてなしは、好みだけではご満足いただけない時代になっています。嗜好以前の問題として、健康状態にまで配慮できるかどうかがあるためです。 例えば、どんなにビールがお好きな方であってもドクターストップがかかっているとか、チーズが大好きだけれども乳製品を控えている、グルテンフリーしか食さない、などです。

さえた思考力で良い仕事をするために、食に気をつかい、健康に留意されているビジネスパーソンは以前よりも増えているように感じます。そういう意味においても、一流のおもてなしをしたいのであれば、今まで以上に相手様の状況をリサーチすることが重要になっています。

また、禁煙者は増えてきたとはいえ、愛煙者もいらっしゃいます。接待・会食時の相手様の中に喫煙する方がいらっしゃるかどうかも把握しておくとよいでしょう。

事前に先方の情報をリサーチ

では、このような情報はどうやって得るのかというと、ここに日ごろからのコミュニケーションの重要性が関係してきます。メールや、直接お目にかかって廊下を一緒に歩くそのちょっとした時間の中で、仕事以外のプライベート的な雑談をする際に、相手の情報を聞き出します。まずは、自分から先手で「食欲の秋になりますね。○○様は、秋の食べ物でお好きなものはございますか?」といった具合にたずねます。そして、嗜好品を聞き出した後に「どれくらいの頻度で召し上がっていますか?」といった聞き方をすることで、相手が今も食べているのか、事情あって控えているのか、などの話へと発展していくかもしれません。また、直接本人に聞けない場合は、秘書や部下の方にうかがいます。ここでも、日ごろから秘書や部下の方にもマナーの精神で礼を尽くしていれば、快く情報提供の協力を得ることができるでしょう。

宗教上や健康上の理由から避けるべき食べ物などについても事前にうかがって、対応できるお店を選ぶのは当然のことです。例えば慣習上、冷たい飲み物を一切とらないという方もいらっしゃいます。以前に比べると減少傾向にはあるようですが、海外の方はミネラルウオーターの銘柄やガス入り、ガスなしなどについて細かく要望をされることがあります。おもてなしのひとつとして、母国のビールやワイン、ウイスキーなどがあれば会話が弾むきっかけにもなるでしょう。

また、日本食をふるまう場合には座敷で正座をするのか、掘りこたつ式で足を伸ばせるようにするのか、またはテーブル式で椅子に座るスタイルにするのかなど、お部屋選びも慎重に行う必要があります。近年は、日本人だけであっても足腰のことを考えて、和室に椅子のパターンが増えてきているそうです。こうしたことに対応できるお店なのかどうかも、お店選びのポイントになさると良いでしょう。

お店を選ぶ際はこれらに加えて、やはりアクセスの良さや分かりやすさも重要です。事前にご案内を差し上げる際は、お店の所在地、電話番号や地図だけでなく、最寄り駅の出口やそこからの道順も丁寧にお知らせして差し上げるのがマナーです。

接待をする側は、当日までに一度お店を訪れて打ち合わせをしておくと安心です。個室の場所、席次や化粧室の位置、会計の仕方などを事前に確認しておくと、当日がスマートでスムーズになります。

趣味、家族、料理の話題で場を和ませる

当日は先にお店に入って先方をお待ちします。先方に席をご案内する際は、一般的な席次の基本ルールに沿うことに問題はありません。しかし、個室の作り方、椅子などのレイアウトの仕方などで、その基本ルールがすべてに適応するとは限りません。相手様も基本の席次のルールはご存じでしょうから、まずはその基本にのっとり、席を促してみます。しかし、最上席でない席からのほうが外の美しい景色が見えるなどの場合は、その場で相手様のご意向を伺いながら席を決めることは、何ら問題はありません。本来のマナーの観点からすると、相手様の好む席がその方にとって心地よい上席となります。

会食中の飲み物をおつぎするタイミングなどは迷うこともありますが、「日本式で失礼いたします」と最初に断り、了承を得ておくとその後、迷うことがありません。コミュニケーションとしては、「こういうとき、○○さんのお国では、どのようにするのがマナーなのですか?」とうかがってみるのも良いでしょう。そして「では、○○さんのお国式でやってみましょうか」などとコミュニケーションをとることで、その場が盛り上がることもありますね。つぎ足すときは、「いかがですか?」と確認をとり、了承を得てからつぐようにしましょう。

接待中の会話に悩む人も多いようですが、趣味や家族(ペット含む)の話などで場が和らぎます。また、出てきた料理の説明をできるようにしておくこともおすすめします。もちろんお店の人が説明してくださる場合もありますが、その後、その料理の由来や、その料理が健康上、こういう点に優れているとか、歴史上の逸話などを言えるようにしておくと、相手様も知識が増えたと得した気分になるでしょう。

手土産にメッセージカードを添えて

近年、コンプライアンスの視点から手土産に関しては控える傾向もありますが、会食の最後に手土産をお渡しするなら、特に海外の方向けの心遣いを考えて準備しておきます。お菓子類にする際は、会食メニューが洋食であれば洋菓子を、和食であれば和菓子、中華なら中華菓子を用意すると統一感が出るのでおすすめします。また日本人の場合は、食べてなくなってしまう「消えもの」を手土産にするのが一般的ですが、外国の方は「後に残る」ものも喜んでくださいます。例えば弊社では、消えもののお菓子にする場合でも弊社ロゴ入りのエコバッグに入れてお渡しすると、その後のやり取りで「先日お土産と一緒にいただいたバッグが重宝しています」とおっしゃっていただけます。和菓子なら和柄のハンカチや風呂敷でラッピングして差し上げれば、後々まで使っていただくことができます。

そして手土産にぜひ忘れたくないのは、手書きのメッセージカードを添えることです。これは日本人の方向けの場合もそうですが、海外の方は特に「一筆」を大事になさいますので、「本日はありがとうございました」と感謝の言葉を自筆で入れます。できれば先方の母国語の言葉も添えればさらに喜ばれ、記憶に残していただけるでしょう。

海外から出張でいらした方には、ご家族へのお土産も喜ばれます。もちろん持ち帰れるものであることが前提となります。ペットを含む家族構成なども、日頃のささいなコミュニケーションからさりげなく情報を得ておくと、このようなときに役立ちます。

私の友人のご主人が韓国に出張した際に、取引先の担当者の方が「奥様のお好きな女優だと伺っておりましたので」と言って、彼女が大好きな韓国の女優さんのポスターをご主人に手土産として渡してくださったそうです。友人はそれに大変感動し、以来、その会社のファンになり、商品を買い続けています。さらには、SNSなどでもその会社の商品を紹介しています。

日ごろのやり取りのなかにある、ちょっとした雑談を大切にし、そこから相互の信頼関係を築き、仕事へと結びつける術は、スキルやテクニック、ルール以前にあるその人のマナー力、すなわち「人間力」といえましょう。このようなおもてなしは、その「物」とともにずっと記憶に残り続けます。

一回の接待・会食で、取引先に失礼なくご満足いただくことはもちろんのこと、その周囲の人たちまでをも感動させ、自社の収益につなげてこそ、真のおもてなし、接待といえるのではないでしょうか。それには自社に「相手を思いやる心」、すなわちマナーある人材の存在は必須。マナーの型(形)は各国によって異なりますが、マナーの心は世界共通なのです。

西出ひろ子
マナーコンサルタント・美道家。英国の民間企業WitH Ltd.ウイズ・リミテッド日本支社代表を務めたのち、ヒロコマナーグループの代表として、ウイズ株式会社、HIROKO ROSE株式会社、一般社団法人マナー教育推進協会を設立。企業や教育機関における研修、コンサルティングのほかTVドラマや映画のマナー指導などでも幅広く活躍中。28万部の『お仕事のマナーとコツ』(学研プラス)、『超一流の人がやっているすごいマナー』(ぱる出版)など著書は国内外で70冊以上。

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