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「世の中を見回すと、やる気を失った社員、不満を抱く部下、悩める中間管理職があまりに多く、その一方で、過ちを犯し、職を失うリーダーも後を絶たない」。スタンフォード大学ビジネススクールの名物教授で、経営学修士(MBA)のコースで組織と権力について教えているジェフリー・フェファー氏はこのように指摘する。同氏の最新刊『悪いヤツほど出世する』から、失敗したリーダーや世の中に出回るリーダー論の「ウソ」を小気味よく指摘する序章を7回に分けて紹介しよう。

部下を失望させるリーダー、会社を破綻に追い込むリーダー、社会に害悪を流すリーダーがいる。そして自分自身を破滅に導くリーダーもいる。しかもそうしたことが許しがたいほどひんぱんに起きてきた。

身を誤ったリーダーの近年の代表格は、国際通貨基金(IMF)元専務理事のドミニク・ストロス=カーンだろう。ニューヨークのホテルで客室係の強姦未遂疑惑(最終的に客室係の証言が信憑性を欠き、不起訴となった)が持ち上がらなければ、フランスの大統領になっていた可能性もある。ウェブブラウザFirefoxを提供するモジラの元CEO(最高経営責任者)ブレンダン・アイクは、同性愛反対運動に関与していたことが問題視されて辞任した。ヤフーの元CEOスコット・トンプソンは、学歴詐称(コンピュータ科学の学位を取得していなかった)が暴露されて退任に追い込まれた。

顧客を裏切るリーダーとしては、航空会社の幹部全員を挙げておこう。乗客にひどく不快な経験をさせ続けてきた結果、最良の顧客はプライベートジェットを選択したり、できるだけ飛行機には乗らないと言い出したりしている。アマゾンは、出版社との確執から一部のベストセラーを扱わなかった。銀行もそうだ。時間外手数料や当座貸し越し金利の高さにはうんざりさせられる。

株主を裏切るリーダーにいたっては、ゼネラルモーターズ(GM)を破産に追いやったリチャード・ワゴナー、リーマン・ブラザーズを消滅させたリチャード・ファルド・ジュニア、小売業界のアイコン的存在だったシアーズを不適切なやり方で買収したエドワード・ランパート等々、枚挙にいとまがない。

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