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格安スマホで大手キャリアの代理戦争が勃発

日経トレンディ

2016/9/1

ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」、KDDIの子会社が運営する「UQモバイル」が月額1980円の格安スマホを開始した
日経トレンディ

格安スマホ業界で、大手キャリアの代理戦争が勃発している。キーワードは「1980円」だ。無料通話・端末代込みで月額1980円程度で使える格安スマホが登場しているのだ。

1年目は特に割安、2年目も大手の半額程度で使える

■口火を切ったワイモバイル

口火を切ったのは、ソフトバンクのサブブランドである「ワイモバイル」。同キャリアはもともと、データ通信と1回当たり10分以内の無料通話(月300回まで)がセットで、大手より安い料金体系が売りだった。これにさらに「ワンキュッパ割」という割引を適用させ、月2GBが1980円(税別。以下同)という衝撃的な低料金を打ち出したのだ。

新規契約かMNP(ソフトバンクからを除く)に限り、加入翌月から12カ月間、月1000円(税別。以下同)引き。加えて2年間は、データ容量が2倍になる。このキャンペーンの適用で、12カ月間は月2GBが1980円で使える。無料通話は10分以内、月300回まで。実質かけ放題だ。

ワイモバイルで実質ゼロ円になるのはこの端末(1)
ワイモバイルで実質ゼロ円になるのはこの端末(2)

■対抗して参戦したUQモバイル

対抗したのが、KDDIの子会社が運営する格安スマホブランド「UQモバイル」。サービス開始時は他のMVNO(仮想移動通信事業者)と同様、無料通話がないプランが中心だったが、2016年2月から、ワイモバイルと同じくデータ通信と無料通話がセットの「ぴったりプラン」をスタート。7月からは「イチキュッパ割」の導入で、ワイモバイルと同じ月1980円に値下げした。

新規契約かMNP(auから、もしくはmineoのauプランからを除く)に限り、13カ月目まで月1000円(税別。以下同)引きの1980円。また、データ容量と無料通話分が24カ月間2倍になる。UQの場合、無料通話は月2400円分(最大60分相当)となっている。

UQモバイルで実質ゼロ円になるのはこの端末(1)
UQモバイルで実質ゼロ円になるのはこの端末(2)

■楽天モバイルも音声通話込みプラン

7月には、NTTドコモの電波を使う「楽天モバイル」でも、データ通信、音声通話、機種代がセットで月1880円の「コミコミプランS」が追加されている。

「コミコミプランS」は、端末代金と月2GBのデータ通信、「5分かけ放題オプション」がセットで、1年目は月1880円(税別。以下同)。2年目は2980円になる。セットになる端末は「ZTE BLADE E01」のみで、スペックはやや見劣りする印象。また、2年以内の契約解除料は1万2000円と高い。

楽天モバイルで実質ゼロ円になるのはこの端末

これらの価格戦争が従来のMVNOと一線を画するのは、無料通話分が付き、端末も「実質ゼロ円」で手に入る点。さらに、インターネットでの申し込みだけでなく、実店舗での契約・開通作業にも対応している。一般的なMVNOのように、SIMフリー端末や中古端末を別途購入し、自分で開通作業をする必要はない。つまり、使い勝手は大手キャリアに極めて近く、スマホ初心者にも向く。

■iPhone 5sも格安で

ワイモバイルとUQモバイルは「実質ゼロ円」ではないものの、iPhone 5sも取り扱いを始めており、中古品を購入するより格安で入手できる。

ワイモバイルは2016年3月からiPhone 5sの取り扱いを始めた。16GBモデルの場合、機種の分割代金は毎月2268円(税込み。以下同)。これに対して通信料金が月1512円割り引かれるため、実質負担額は24カ月で1万8144円となる。状態にもよるが、総じて中古品より安価だ。

UQモバイルは7月からiPhone 5s(16GBモデル)の取り扱いを開始。機種の分割代金は月2100円(税別。以下同)で、通信料金からの割引は月1400円。実質負担額は1万6800円で、ワイモバイルと同程度となっている。

■各種制限に注意しよう

ただ、デメリットがないわけではない。いずれも大手と同様の“2年縛り”となり、中途解約には1万円前後の契約解除料が必要となる。また、ゼロ円で手に入る端末の大半は、SIMフリーではない。

加えて注意が必要なのは、あくまでも割引施策で1980円になっているということだ。ワイモバイルの場合、ワンキュッパ割は1年間で終わり、2年目は月2980円に。さらに月2GBの「データ容量2倍キャンペーン」は2年間のため、3年目以降はデータ通信が本来の1GBに戻る。また、ソフトバンクからのMNPはそもそも割引の対象外だ。

UQモバイルも同様で、2年目はイチキュッパ割の終了で月2980円。3年目以降は「スマトク割」も終わって月3980円まで上がるうえ、データ通信は1GB、無料通話分は1200円分(最大30分)に“半減"する。なお、auと、auの回線を利用したMVNO「mineo(auプラン)」からのMNPは、当初から割引が適用されない。

とはいえ、大手キャリアと比べるとかなり安価。他のMVNOと比較しても、端末が“タダ"で手に入ることを考慮すれば、割安になる場合もある。2年間使い続ける前提なら有力な選択肢になるだろう。

オススメ得ワザ
ワイモバイルなら通話料の心配なし
ソフトバンクユーザーはUQを選ぶ

料金は各社ほぼ横並び。使い勝手では、10分までの通話が月300回無料になるワイモバイルが最も有利。スペックも高めの端末が実質ゼロ円で手に入る。ただし、ソフトバンクからのMNPでは割引が受けられない。その場合はUQモバイルが候補。アプリで高速通信をオン・オフすることで、月2GBに収めやすくなる。SNSの閲覧なら300kbpsでもそれほどストレスなく使える。

(日経トレンディ 佐藤嘉彦)

[日経トレンディ2016年9月号の記事を再構成]

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