信託報酬1%未満 アクティブ投信に低コスト化の波

日経マネー

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信託報酬が高いイメージの根強いアクティブ型投信だが、ここにきて低コストのものが増えている。一定のルールに基づく機械的な運用手法を取り入れた、スマートベータ型の台頭もその一つだ。信託報酬が1%(税込み)を切る、注目の低コストアクティブ型投信を見てみよう。(注:各種データは注記のない限り2016年8月5日時点のもの。信託報酬は税込み)

信託報酬が税込みで1%を切るような低コストのアクティブ型投信は、これまで圧倒的に少なかった。多くは1.5%前後で、外国株式投信では2%近いものも珍しくない。しかし最近、インデックス型投信のコスト競争に呼応するように、アクティブ型でも“安い”投信がにわかに増えている。

投信に詳しいブロガーなどの間で少し前に話題になったのが、ピクテ投信投資顧問が2016年2月に立ち上げたネット専用の低コスト投信「iTrust」シリーズの一つ、「iTrust世界株式」だ。信託報酬は0.9612%。世界の優良企業に厳選投資するという、文字通りのアクティブ運用を行う投信としては、際立つ安さだ。

この投信と成績がほぼ連動するマザーファンドは07年から運用実績があり、これまで年平均で1.3%ほど市場平均(日本を含む先進国株式指数)を上回っている(16年6月末時点)。この成績が続けば、信託報酬を控除しても指数に勝てる計算。低コストはやはり有利なのだ。16年6月には、同じ信託報酬の「iTrust日本株式」も出ている。

【国内株式投信】

増えるスマートベータ型投信

こうした従来型アクティブの低コスト化の動きがある一方で、このところ増えているのが、スマートベータ(賢い指数)と呼ばれる運用手法を取り入れた投信。「高配当」「低ボラティリティー(価格変動が緩やか)」などの様々な切り口で銘柄を選ぶ。定量分析を用い、一定のルールに基づいて機械的に運用するためコストを抑えられる。

人的判断で銘柄を選ぶ従来型アクティブと、インデックス型との中間的な位置づけとなる低コストアクティブ型投信だ。16年3月以降、大和住銀投信投資顧問の「ひとくふう」シリーズ、DIAMアセットマネジメントの「たわらノーロードplus」シリーズが相次ぎ登場し、選択肢が一気に増えた。特に「ひとくふう」は、インデックス型並みの安さで注目を集めている。

価格変動を抑えつつ高配当株式で運用する戦略の「たわら~」は、「投信を長期保有する中で、特に下げ相場での値下がり抵抗力を発揮することで、市場平均からのプラスアルファを積み重ねていく。そのような『質の高いリターン』を投資家に提供したい」と、DIAMアセットマネジメント投信企画部次長の積木利浩さん。低コストゆえに、長期投資の主力投信の一つとして使ってほしいという。

【世界・外国株式投信】

【世界債券投信】

(日経マネー 小谷真幸)

[日経マネー2016年10月号の記事を再構成]

日経マネー2016年11月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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