検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

娘が就活、父は気づいた 男性管理職に意識改革

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

女性が活躍できる職場づくりの鍵を握るのが、男性管理職の意識改革だ。きっかけとなる出来事は人それぞれだが、娘が社会人になるのを機に女性が働くことへの認識を新たにしたというケースは少なくない。娘の就職活動を通じて父が得た気づきが、マネジメントに変化をもたらしている。

「接客業が本当に務まるのか」。積水ハウスの技術部技術渉外グループ部長、吉田元紀さん(52)は2年前、長女(23)が携帯電話販売会社に就職を決めたとき、ひそかに懸念した。音楽大学でデジタル音楽の作曲を学んでいた長女はゲーム会社への就職を目指していたが、狭き門。内定がもらえず苦労していた。

就活アドバイザーから接客に向いていると助言を受け、販売職も視野に就活を展開。今の勤務先から内定を得た。「決まったときの娘の安堵の表情は忘れられない」と吉田さん。一方で、「正直意外だった。大変な世界に飛び込んだな、と」。

管理職として、適性伸ばす環境つくる

働き始めると心配は吹き飛んだ。「非常にいきいきしている。営業成績も優秀で販売資格も取るなど前向き。こんな適性があることに気づいていなかった」

娘の就職をきっかけに、部下育成の考え方が変わった。「専門性だけにとらわれず、幅広い仕事を経験させることで新たな可能性が広がる。その中で適性を見つけ、伸ばしていくのがマネジメントの役割」。育児中の女性部下とは、どんなふうに働いていくかを話し合い、意思疎通を徹底する。部下にも娘にも、「できるだけ仕事を続けてほしいし、個人の生活も大切にしてほしい」と願う。

「やりたいことが見つけられなかったから、今年は留年する」。三井住友海上火災保険の金融事業部長、産本泰志さん(50)は6月末、就活中の長女(22)にそう告げられ言葉を失った。都内の有名私立大文学部の4年生。「普通に就活していた」はずだったが、選考開始後しばらくしても報告がない。「どうなの」と聞くと娘が明かした。

「自由に生きればいいと思う一方、『大学を出たら当然就職するもの』という価値観が自分の中にあった」。気持ちを抑え、娘の決断を受け入れた。

思わぬ留年 多様な「入り口」示したい

この春保険会社に就職した長男に比べ、「長女はやりたいことが具体的でない」と感じていた。「会社に入り出世するという単線経路の男性と違い、女性には多様な選択肢がある。選べるからこそ、決めるのも難しいのだと思った」。ロールモデルの重要性にも改めて気づかされた。

会社で率いる部署は7割が女性。新卒入社の正社員だけでなく、いったん退職してパートとして復職した人や転職組など多様なキャリアの女性が活躍している。「様々なロールモデルを、会社全体に発信すべきだと思うようになった」

管理職になりたての頃は「女性は早く帰してあげるのがいいマネジメントと思い込んでいた時期もあった」が、今では多様な価値観を尊重する。「仕事や職場に求めることは一人ひとり違う。コミュニケーションを取り、望むキャリアを実現できるようサポートしたい」

「娘たちにはずっと『手に職を』と言ってきた」と話すのは戸田建設の設備設計部長、早川和男さん(57)。生命科学を専攻した長女(26)は修士を終え製薬会社に就職。次女(23)は看護大学を出て看護師として働く。

2人の就活は対照的。すんなり希望の病院に就職が決まった次女に対し、長女は難航。研究職としての就職を望んでいたが「2013年は就活環境がまだ厳しかったうえ、研究室には女性も就職する人も少なく手探りだった」

研究職以外にも活動を広げた終盤、今の勤務先から採用の知らせが入った。研究職として働く。就職して2年目の次女は災害看護の道を目指す。「2人ともずっと仕事を続けたいようだ」と目を細める。

活躍する女性がまだ少ない建設業界。設計の中でも特に女性が少ない設備設計部門を率いるが、2人の女性部下を持つ。うち一人は、4月に復帰したばかりのワーキングマザーだ。「設計も『手に職』の仕事。とにかく続けてもらいたい」

両立支援制度を利用しやすい環境をつくることが自分の役割だと話す。「子どもを持って働き続けるのが当たり前、という風土を根付かせたい」

「女性部下は苦手」65% 意識改革なお途上

女性の登用に賛成する男性管理職は9割近くにのぼる一方、6割が子どもが3歳くらいまでは母親は育児に専念すべきだと考えている――。日本総合研究所が昨年、40代~50代の男性管理職516人を対象に行った意識調査では、根深い性別役割分業意識が浮き彫りになった。女性部下とは仕事がやりづらいと感じたことがある人も65%にのぼる。

「女性活躍推進は大切だと思っていても、行動や意識改革が伴わない男性管理職は依然多い」と調査を担当した小島明子ESGアナリスト。「長時間労働の許容姿勢や固定的な性別役割への理解、女性部下への苦手意識を変えていく必要がある」と指摘する。

女性の育成・登用やコミュニケーション方法について男性管理職向け研修を行う企業も増えているが、「自分事として捉えられない男性管理職は少なくない」(小島さん)。妻や娘が働き始める、介護を身近に意識するなど私生活の変化が意識改革につながることは多いが、きっかけを得られない人もいる。女性の活躍が、自身の評価や企業の成長につながるとの理解を促すことが重要だ。

女性が希望をもって働き続けられる組織づくりを

「女性には、やりがいを持って仕事を続けてほしい」。娘の就活を経験した男性管理職の多くが口をそろえる。女性の活躍をより身近な課題として捉え直し、職場環境やコミュニケーションの在り方、マネジメント手法を自ら問い直す契機につながっているようだ。

「夫の転勤などで仕事をどうするか悩んだとき、女性部下には『どうやったら会社に残れるか』と考えてほしい。そう考えてもらえる職場を提供したい」。三井住友海上火災保険の産本さんは話す。

会社を辞める女性たちの多くは、「仕事にやりがいを感じられない、期待されていない、先が見えないと感じている」と日本女子大学の大沢真知子教授は指摘する。女性活躍をさらに進めるには、9割を占める男性管理職が「男性中心の意識と働き方を変え、女性が希望をもって働き続けられる組織風土づくりに取り組む必要がある」(大沢さん)。居続けたいと思える組織なら、そこにとどまり貢献したいと願う女性は多い。

(女性面編集長 佐藤珠希)

〔日本経済新聞朝刊2016年8月27日付〕

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_