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星野佳路「旅は、幸せな家族の思い出に」

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こんにちは。旅行ジャーナリストの村田和子です。今回は家族連れに圧倒的な支持を得る「リゾナーレ」、日本初の温泉ブランド「界」、そしてラグジュアリーリゾート「星のや」と3つのブランドを軸に、国内では34カ所の宿泊施設を運営する、星野リゾートの星野佳路代表にファミリー旅をテーマにインタビュー。「なぜ星野リゾートがファミリーフレンドリーか」の意外な理由や、星野代表ご自身の家族旅行の貴重なエピソードを紹介します。

社長就任当時、一番困ったのは採用。その経験から家族旅行へ

星野佳路氏は1991年に株式会社星野温泉(現星野リゾート)代表取締役社長に就任。その際一番困ったのが「人の採用だった」といいます。星野リゾートといえば観光分野で注目の的。今となっては信じ難い話ですが、星野氏は「人集めが大変なのは観光産業全体の問題で、弊社もまさにその一つでした。今でこそ採用もスムーズですが、社長就任当初は、いい人材を採用できて喜んでいたら、すぐに辞めてしまうことも多かった」と当時を振り返ります。

「私はリクルーティングのポイントは『仕事が楽しいこと』だと思っています。なぜ辞めてしまうのか?という原因を探っていくうちに、原因はお客様にあるのではないかというところへ行き着きました」(星野氏)

就任当時に運営していた星野温泉旅館は、団体客や社員旅行も多いごく一般的な温泉宿。宴会もあり必然的に酔い潰れるお客様も多く「酔っ払ったお客様への対応は本当に大変。苦労して採用し、長野まで住まいを移して覚悟を決めて入社してくれたスタッフに、そんな仕事をさせるのが嫌で仕方なかった。だって楽しいわけがないじゃないですか」と星野氏。

社員旅行全盛期、予算が潤沢で効率良く稼げる団体客は、宿にとってはありがたい存在だったはずですが、星野氏は思い切った決断をします。

「団体客ではなく個人客へ、中でも家族旅行をターゲットにする方向へかじを切りました」(星野氏)

家族旅行の『幸せな瞬間』を共有、モチベーションが向上

「家族旅行はスタッフもサービスのやりがいがあるのです。家族旅行ではお父さんは酔っ払わないし、それどころか子どものために一生懸命。親子で様々な体験をする中で、子どもは成長し笑顔を見せる。それを見守りほほ笑むご両親。そんな家族の『幸せな瞬間』を共有できるのはリゾート運営の醍醐味です。スタッフもモチベーション高く、楽しみながら仕事ができる」と星野氏は理由を語ります。

筆者は息子が生後4カ月から旅をし、47都道府県を訪れ様々な宿に子連れで泊まりました。星野リゾートの宿に滞在したときの心地よさの理由を知り、改めて感心するとともに一つの疑問が湧いてきます。一般に家族旅行といえば、ケアも大変で受け入れを敬遠する宿も多くあります。星野リゾートではどう考えているのでしょうか。

「家族旅行を敬遠する理由は、他のお客様からのクレームを気にするからでしょう。クレームを気にすれば当然受け入れはできなくなる。弊社もクレームはもちろんありますし、オペレーションで対応できるところは日々改善しています。ただ必要以上にクレームは気にしません」と星野氏。

「誰のためのリゾートかを考えたとき、星野リゾートで一番大切なのは『スタッフ』です。スタッフが気持ちよく仕事ができる環境でなければ、お客様にも良いサービスは提供できない。そういう観点からいうと、家族旅行のお客さんは、スタッフ側もハッピーになれる良いお客様なのです。だから、星野リゾートでは家族旅行は大歓迎」(星野氏)

事実、星野リゾートでは、ラグジュアリーな宿を含めて、ほとんどの施設()で小さな子どもから利用でき、離乳食やグッズなどのサポートも充実しています。家族の幸せな姿はイメージがしやすく、スタッフから様々な魅力づくりやサービスの提案も多くあったといい、星野氏の狙い通りファミリー層から絶大な支持を得るリゾートに成長しています。

「宴会で訪れる人は、どこに泊まったか翌日には忘れてしまう。でも家族旅行での出来事は、幸せな思い出として記憶に残る。家族で訪れ、大学生になって今度は友人と再訪するなど、家族旅行の思い出が次の世代のお客様へつながっているのも感じます」(星野氏)

「大人のためのファミリーリゾート」は軽井沢がヒントに

星野リゾートが宿の再生事業を始めたのは2001年。リゾナーレ八ヶ岳を皮切りにこの15年で施設数は急増し、現在運営を手掛けるのは海外も含めると34施設になります。最初の八ヶ岳の再生事業を決めたとき「ここは絶対ファミリーに向いていると確認した」と星野氏。ただ現場が納得しなければうまくいかないと、1年かけてコンセプト委員会を開き再生の方法をスタッフと検討したとのこと。

コンセプト会議で、星野氏は「家族旅行で、親は本当に楽しめているのか」「旅行中に大人と子どもがずっと一緒に過ごす必要性はあるのだろうか」という2つの疑問を投げかけたそうです。

「軽井沢の星野温泉旅館では、1994年から顧客満足度調査を実施していました。その内容から、家族旅行がいかに大変で手間がかかるか、旅なのに疲れて帰っていくご両親の様子が浮き彫りになっていました」(星野氏)

加えて軽井沢の星野エリアにある、エコツアーや環境教育など自然体験ツアーを実施するピッキオでの経験も「親子一緒に過ごす必要性」を考えるきっかけになったという。

「ピッキオは1992年にオープンし、野鳥の観察や環境問題、夏休みの宿題から、川遊びやキャンプ、ドラム缶風呂まで、子どもが喜ぶ様々なプログラムを実施しています。軽井沢という土地柄もあって、実はオープン当初から、近くの別荘へ避暑に来た子ども達がプログラムに参加することが多かったのです。その間、親は別荘の手入れをしたり、自分の趣味を満喫したり自由に過ごす……その光景から、こんな家族旅行のスタイルがあってもいいなあと考えていました」(星野氏)

リゾナーレは八ヶ岳をはじめ、現在北海道トマム、熱海、沖縄の小浜島など全国で4施設を展開しています。リゾナーレのコンセプト「大人のためのファミリーリゾート」のヒントにもなった軽井沢のピッキオは、2016年8月に大きくリニューアル。野鳥の森に隣接した池の周りを散策できるビジターセンターには、カフェや図書スペースも併設、冬には凍った池でスケートも楽しめるとか。

冒険心あふれる父子旅。世界観や将来を変えるインパクトも

星野氏ご自身は、仕事を兼ねて、現在中学生の息子さんを連れて「父子の旅」へ多く出かけたといいます。

「私と一緒の旅のほうが息子は面白かったようです。家内がいると反対されることも、男同士ならできる。大胆で冒険心にあふれているというか……迫力があったのだと思います」(星野氏)

運動神経抜群の星野親子。旅ではスキー、サーフィン、スキューバとスポーツを一緒に楽しむことが多かったそう。

「運営をしているトマムに仕事があり当時5、6歳だった息子を連れていったときのこと。私は仕事だったので、息子を一人スキースクールに入れたのですが、夕方迎えに行ったら劇的に上達していて……親がいないところで短時間に成長したことにびっくりしたしうれしかった」と星野氏。今もスキーは息子さんとの共通の趣味だといいます。

「家族旅行が多い子どもは、旅行好きになるというデータもあります。旅に出るということは、外に出ていく力……最近盛んにいわれるグローバル人材へも通じるものがあるでしょう。旅はぜいたくやレジャーというイメージで語られることも多いが、子ども達にとっては世界が変わり、将来をも変えるインパクトがあるもの。世界的には旅は教育とみるところも多い。ぜひ旅へ出て、色々な体験をさせてあげてほしい」と星野氏は語ります。

(注)設備や過ごし方の観点から「界 熱海 別館ヴィラ・デル・ソル」「星のや京都」については、未就学児の受け入れはしていない。

村田和子
 旅行ジャーナリスト。1969年生まれの一児の母。会社勤務を経て、2001年All Aboutスタート時より旅行ガイドに従事。2006年に独立し、子連れ、女性がテーマの旅をメーンに、各種媒体で情報提供・執筆を行う。全国各地を子連れで旅をした経験から、旅で親子の絆と生きる力を育む「旅育」を推奨し、「家族deたびいく」を運営。

[日経DUAL 2016年7月28日付記事を再構成]

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