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2020年から見える未来

ポスト五輪の東京再開発 超高層30棟超す摩天楼に

2016/8/22 日経MJ

JR東京駅付近には地上390メートルのビルが完成する(東京都千代田区)

 ポスト五輪・パラリンピックの東京。息の長い再開発事業が相次いで日の目を見ることになりそうだ。特に山手線東側の街並みが変貌する。東京都や民間が力を入れる水上バスに乗り、「2030年の東京」の姿を想像してみた。

 東京モノレールの発着駅がある浜松町。不祥事に揺れた東芝のビルを、野村不動産などが五輪後に再開発する方針だ。周辺の運河に船着き場もつくる計画。ここから乗船してみることにした。

 品川方面をみると、これまでなかった高層ビル群が見えてくる。JR山手線の「新駅」。私たちが足を踏み入れたことがなかった車両基地に、六本木ヒルズを上回る“街”が誕生する。街開きは23年度ごろからで、7棟のビルが建つ計画だ。

 「新駅」の隣の品川駅には27年、リニア中央新幹線の駅がオープンする。開業効果をあてこんで、近隣では森トラストが再開発を計画しており、西武ホールディングスも品川・高輪のプリンスホテルの再開発を検討中。

 北に進むと、ビルが林立する汐留がみえる。その西側に新たな高層ビルが建っている。新橋駅西口の「SL広場」そばにある「ニュー新橋ビル」などの跡地だ。

 野村不動産などが複数のビルを計画しており、早ければ20年代半ばにも完成する見通し。SL広場がどうなるかは未定。南口ではパリのシャンゼリゼ通りのようにする「東京シャンゼリゼプロジェクト」を森ビルが進めている。会社帰りのサラリーマンがはしご酒を楽しむ姿は消えてしまうのだろうか。

 居住エリアへと様変わりしている湾岸地区を通過し、さらに北上する。隅田川と合流する日本橋川をさかのぼると、日本橋の上空は青空がのぞいているかもしれない。

 いまは上空を首都高速道路が走る。前回の東京五輪で整備されたが、国や都は日本橋周辺の首都高を地下に通して撤去する方向で検討中。実現すれば、新たに親水空間が設置され「水の都」がよみがえる。日本橋では三井不動産が東京五輪の直前に高層ビル2棟を完成させ、20年以降も複数の再開発計画が走り出す。

 東京駅方面をみると、ひときわ高いビルを見上げることになりそうだ。27年に完成するこのビルの高さは地上390メートルで日本一だ。かつて舛添要一前都知事が「国際金融センター構想」を唱え、三菱地所がこれに沿って街づくりを進めている。

 日本一の近くにも250メートル級のビル2棟が建つ。完成は21~23年度。事業主は三井不動産や東京建物で、うち1棟は地元の小学校が入る。

 バブル時代に浮上した「東京マンハッタン構想」を思い出す。マンハッタンまでとはいかないが、ざっと数えて30年ごろまでに35の超高層ビルが新たに生まれている。

 事業費が分かっている開発計画の金額を足し上げると軽く3兆円を超える。このほか東日本旅客鉄道(JR東日本)が2千億円超をかけて駅の改良工事を進めており、東京地下鉄(東京メトロ)も500億円を投じて22年までに銀座線のすべての駅をリニューアルする。

 高層ビルの並ぶ景色はキレイだけど味気ない街になりかねない。人はあえて路地裏に行き、雑多な雰囲気に魅力を感じる。神楽坂や秋葉原、麻布十番……。個性をどう残し生かすかは東京再生の欠かせないテーマだ。

(岩本圭剛、広井洋一郎)

[日経MJ2016年8月22日付]

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