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地球最後の秘境 南極大陸を旅する6泊10日

別世界旅行――地球を遊び尽くす旅へ(7)

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NIKKEI STYLE

地球を遊び尽くす! 北極から南極まで絶景に出合える究極の旅先ベスト22をガイドした書籍「別世界旅行」から、さらにえりすぐった旅先を連載7回にわたり、ご紹介します。ぜひ、次の旅行や今後の休暇のヒントにお役立てください。最終回となる連載第7回は、地球最後の秘境、南極大陸への旅。白銀の世界に生き生きと暮らす野生動物たちや巨大な氷河など、見どころが豊富です。秘境の地で体験できるクルーズやハイキングを、ご堪能ください。

無数の冒険家が目指した最後の秘境、南極大陸。今や人気の旅先だが、その魅力的な世界の前に立ちはだかるのが世界一の荒海ドレーク海峡。そんな海峡を飛行機で越えるという、優雅で快適な極地の旅へ。

飛行機を降り立つと、そこには白銀の世界が待っている

 飛行機は南極地域で最も北方に位置するサウスシェトランド諸島内、キングジョージ島に着陸する。降り立つと、今までに出合ったことがない異次元の景色に息をのむことになるだろう。最も北方といえども、ここは南極。諸島の8割から9割は氷河に覆われている氷の世界だ。この地域で最もアクセスが良いために8カ国が観測基地を設けているキングジョージ島だが、それでも周囲の大半は手つかずの大自然。沿岸には巨大なゾウアザラシの姿も。ついに最後の大陸にやってきたという感慨と高揚感に包まれる。

小ぶりな耐氷船で、魅力あふれる南極半島を巡る

 耐氷船オーシャンノバ号はもともとグリーンランドでフェリーとして活躍するために建造され、改装を経て、極地クルーズを得意とする客船となった。船内はカジュアルな趣きで生活に必要なものはすべてそろっている。トップデッキ前方には、天井まで大きなガラス窓を備えたオブザベーションラウンジがあるので、外のオープンデッキが寒ければ、船内から普段着で眺望を堪能できる。客室はすべて海側に面していて、各室にトイレ・シャワーを完備。乗客定員68人という小型船で、入り組んだ水路でも航行できる高い機動性が特徴で、この地域を巡る母船として適している。

人が暮らせない大陸だからこそ生存する、ペンギンなどの野生動物

 日々のアクティビティとしては、フランス軍が開発した強化ゴム製小型ボート、ゾディアックに乗って上陸、クルージングなどが行われる。最初の上陸は緊張するかもしれないが、初めて踏み入れた南極の陸の感触には感動するだろう。また、そこで出合うペンギンやアザラシ、オットセイといった野生動物の姿は格別だ。人に捕獲されなくなって長い時間が経過しているので、ほとんどの動物が恐れることなく、適度な距離で観察できる。

いつまででも眺めていたい周囲の風景、自然が織りなす造形美

 野生動物との出合いと同じくらい感動して目に焼き付くのは、南極が織りなす絶景だ。人に触られていないありのままの地球の姿。極地ならではのスケールの大きい氷の世界には圧倒される。幾多に流れ込む氷河の風景、切り立った山々の姿など、毎日ため息が出るほどの美しい景色が広がる。南極の景色というと氷の世界だけを想像するが、訪れているのは限られた夏のひと時。上陸すると数多くの花や草も目に映るだろう。旅行前は、ただただ氷に覆われた世界を想像するかもしれないが、行ってみると実に豊かな色彩と自然に包まれる。

TRAVEL INFORMATION ANTARCTICA

旅の予算|BUDGET

総予算180 万円~
※6泊10 日/成田発着のパッケージ料金(一部食費除く)、成田~プンタアレナス往復航空券、プンタアレナス市内ホテル1泊、オーシャンノバ号5泊、ホテル~港間の送迎が含まれた金額、1部屋(2人利用)の料金、1人分の総予算

旅のシーズン|BEST SEASON
 南極の短い夏は日本と季節が逆なので、通常クルーズは11月中旬から2月中旬くらいに運行している。シーズンの初めに行くと氷が多く残っていて、白銀の世界が美しく輝く。シーズン中盤~後半になるとペンギンの雛がふ化しており、愛くるしい姿を見ることができる。

行き方|HOW TO GET THERE

 成田/羽田から北米、ヨーロッパ、中東のいずれかを乗り継いでチリの首都サンティアゴへ。そこから国内線に乗り換えて南端の街プンタアレナスへ。フライトと待ち時間などを入れると片道30時間を超える。

問い合わせ先|CONTACT

 南極を熟知している専門旅行会社を通して手配するため、安心できる。
トライウエルインターナショナル http://www.polarcruise.jp
TEL:03- 5439-6267 

宿泊|ACCOMMODATION

Ocean Nova号
 運行会社アントアークティカXXI が利用している耐氷船。もともとはグリーンランドのフェリーとして建造された強固な設計を、カジュアルな客船に改装。トップデッキは全面窓のオブザベーションでラウンジがあり、寒いときでも、暖かい屋内から南極の姿を楽しめる。

プンタアレナスの宿
Hotel Cabo de Hornos
 市内の5つ星ホテル。ジムやジャグジーが併設されたシティホテルで、前日のオリエンテーションやウェルカムディナーも用意されている。

旅の見どころ|MUST NOT MISS

 キングジョージ島に到着して、再びフライトで飛び立つまでが見どころといってもおおげさではない。季節柄、日が沈まない白夜なので24時間絶景が見られる。各上陸地で異なる特徴を楽しめるので、飽きることなく旅を続けられる。

この旅の絶品|BEST GOURMET

 何も持ち帰ってはいけないという決まりの南極では、ご当地グルメは存在しない。そこで、ぜひ乗組員かエクスペディションスタッフにお願いしたいのが、南極の氷を船に持ち帰ってのオンザロック。ビックリするほど重く、気泡のない太古からの氷は解けにくく、何ともいえない気分を味わわせてくれる。

スケジュール例|TRAVEL SCHEDULE
1日目 成田発~ 北米/ヨーロッパ/中東 乗り継ぎ サンティアゴへ 【機内泊】
2日目 サンティアゴ着、国内線に乗り換えてプンタアレナスへ 着後、ホテルへ移動
 オリエンテーションとウェルカムディナー 【ホテル泊】
3日目 空港へ移動し、キングジョージ島に向かう飛行機へ 着後、陸路とゾディアックでオーシャンノバ号へ乗船 【オーシャンノバ号泊】
4~7日目 終日 クルーズ 【オーシャンノバ号泊】
8日目 下船 キングジョージ島発 プンタアレナスへ 着後、乗り換えてサンティアゴへ 国際線に乗り継いで、北米/ヨーロッパ/中東 乗り継ぎ
9日目 終日 フライト
10日目 成田/羽田 着 

周辺情報|OTHER NEAR BY DISTINATIONS

【サンティアゴ】
アンデス山脈のふもとに位置する首都。歴史的な建造物も多く、街中を散策するのが楽しい。南米の中では比較的治安も良い大都市。
【パタゴニア地方】
フライトが発着するプンタアレナスはチリ側のパタゴニアの中心。隣にはアルゼンチン側のパタゴニアも広がり、広大な土地に魅力あふれる大自然が残っている。
【アタカマ砂漠】
チリ北部の砂漠地帯。平均標高が2,000メートルと高く、世界で最も空気が澄んだ地域といわれている。そのため「世界一の星空鑑賞地帯」とも呼ばれている。

別世界旅行──地球を遊び尽くす旅へ

著者 : 日本経済新聞出版社編
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

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