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介護する部下、どう支える?

離職防ぐ上司は「聞き上手」 本人の意向、尊重して

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NIKKEI STYLE

高齢化が進むなか、仕事と介護の両立をどう支えるかは企業にとって大きな課題だ。単に制度があればいい、というものではない。相談や制度の利用がしやすい職場環境を整えることが欠かせない。ニッセイ基礎研究所の生活研究部主任研究員、松浦民恵さんに、介護離職を防ぐ上司の心得を聞いた。

――育児との両立と介護との両立。異なる難しさがあるのでしょうか。

「2つの大きな違いがある。育児の場合、『1年後には少しは落ち着く』というように、先の見通しがつきやすい。だが介護は、人によりどんなプロセスをたどるか極めて多様だ。しかも先がみえない」

「もう1つ、介護には『大人が大人を支援する』難しさがある。介護者が『こうした方がいい』と思っても、要介護者が拒絶することもある。たとえばおむつを使うか使わないか、認知症外来に行くかどうかなど、意見をすり合わせねばならない。さらにケアマネジャーも加わって、3者の間でコミュニケーションを取りながら、調整する必要がある」

――企業はどう支援にあたるとよいのでしょうか。

「介護休業の取得率が低いと心配する企業の人がいる。もちろん制度が利用しにくいなら問題だ。だが休業が長引くと1人で介護を担うことが基本になり、かえって仕事に戻りにくくなる面もある。休業はあくまで両立体制を構築するために使うものだ」

「大切なのは、働きながらの介護がしやすいよう支援することだ。来年1月から改正育児・介護休業法が施行される。制度をうまく使えるようにしてほしい」

――上司は具体的にどうしたらよいでしょうか。

「介護をしているかは、本人が言わないと分からない。分からない限り、適切な支援にはつながらない。『親の様子を見なければならず、毎週末、実家に戻っている』。そう言ってもらえる雰囲気をつくることが、まずは最初の役割だ」

「相談を受けたときに、心がけてほしいことは2点ある。1つは、本人の意向を聞き、多様な価値観を尊重することだ。自らの介護経験をもとに『こうした方がいい』と話してしまうと、かえって離職につながる危険がある」

「もう1つは、基本的な知識を持っておくことだ。管理職自身に知識がなく、『仕事はとうてい続けられない』と思っていると、そういう言葉がつい出てしまう。会社の支援制度をきちんと伝え、専門家に相談するようにアドバイスしてほしい。いろんな手がある、それを使えば両立できる、と伝えてほしい」

――NGワードは?

「介護休業の相談をしてきた男性の部下に『奥さんは見てくれないの?』と言う。よくあるケースだが、部下は非常に落胆してしまう。本人は家族で相談し、悩んだ末に相談している。やはり理解は得られないのか、と思ってしまう」

「『施設に預けたらいいのでは』。上司にこう言われて離職した人もいる。『預ければ仕事に影響が出ないはず。今まで通り働いてくれ』というメッセージに受け取ってしまう。そもそも施設が部下の意向と異なることもあるはずだ」

「介護を担う年代は、職場で中心的な役割を担っていることも多く、自分が仕事をセーブすればどんな影響があるか重々分かっている。とどめを刺すようなことを言ってはいけない」

――逆に、かけるとよい言葉はありますか。

「『期待の表明』は、介護に限らずマネジメントで非常に重要だ。『自分は必要とされている』と感じられるメッセージを伝えることが大切になる」

「2015年11月に、中央大学大学院の研究プロジェクト(代表・佐藤博樹教授)の成果報告会があり、労働政策研究・研修機構主任研究員の池田心豪氏とコミュニケーション法について分科会をした。家族が急に倒れ、社員が2週間休んでいるケースについて、企業の人事担当者と議論したところ、『職場の方は大丈夫だから安心して』がNGワードにあげられた。自分がいなくても大丈夫だといわれると、さみしくフェードアウトしたくなる」

「『確かに困ってはいるけれど、戻ってきてくれるまで、皆で何とか頑張ってみるから』という方が望ましいだろう。『これまで支えてもらったから、お互いさまだと、みな言ってくれているよ』と補足することも考えられる」

――そもそも日常的に取り組むべきことは?

「働き方改革が大切だ。職場が恒久的に長時間労働であれば『到底続けられない』と思ってしまう。残業せずに働ける職場にしなければならない。今は介護に限らず、時間に制約のある社員が増えている。時間を意識したマネジメントが管理職に求められている」

 ◇   ◇

介護休業、3回まで分割可能に

高齢化に伴い、要介護・要支援の認定を受けた人の数は増え続けている。2014年度は606万人で、初めて600万人を超えた。

政府は「介護離職ゼロ」を目標に掲げる。大きな柱の一つが、17年1月の改正育児・介護休業法施行だ。原則1回だった介護休業は、3回までの分割が可能となる。残業免除制度ができるほか、介護休暇も半日単位で取れるようになる。

制度を使うための基準も変わる。「要介護2以上」なら対象となり、要介護1以下でも「外出すると戻れない」など一定の場合は使うことができる。従来より範囲が広がり利用しやすくなる。

生命保険文化センターの15年の調査では、介護の期間は平均59.1カ月で、10年以上という人も15.9%いた。年間約10万人いる介護離職を減らすには、時間的な制約があっても職場で力を発揮できるよう、企業の働き方や風土を変えていく必要がある。

(編集委員 辻本浩子)

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