書店員がおすすめ この夏に読んでおくべき6冊

八重洲ブックセンター木内恒人さんのおすすめは「不格好経営」とUSJ本
八重洲ブックセンター木内恒人さんのおすすめは「不格好経営」とUSJ本

ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今週はいつもと趣向を変えて定点観測している東京都心の3書店の書店員の方に夏休みに読んでおきたいビジネス・経済書をおすすめしてもらった。それぞれ2冊選んでもらったが、新刊にとらわれない本が並び、まとまった休みには少し読み応えのある本を読んでビジネス力を高めるのがいいようだ。

経営の現場をストーリーとして体感

八重洲ブックセンター本店2階フロア長の木内恒人さんがまずあげたのが南場智子『不格好経営』(日本経済新聞出版社)。言わずと知れたIT(情報技術)企業、ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者で現在は会長を務める南場氏が「DeNAがどうやって生まれ、どうやって今のDeNAに育ったのか」を赤裸々に書き起こしたものだ。刊行は3年前、2013年の6月。いったん離れていた経営の第一線に復帰した直後に執筆された。

「これでもかと言うぐらいの失敗の連続で、そこを率直に語っていく人柄が魅力的」と木内さん。経営について自ら語った本はたいていが自慢話、成功物語に陥りがちだが、失敗や大失敗を繰り返しながら成長していく姿はどんな人でも共感を覚えやすい。そんな軌跡を通して経営とは何かを考えていけるのが本書の読みどころだという。

もう1冊は森岡毅『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(角川文庫)。大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復を指揮した運営会社ユー・エス・ジェイのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の著書だ。本書の親本は2014年2月の刊行だが、この4月に文庫版が出た。「大きな投資ができないが崖っぷちの状態から、いかにアイデアを繰り出して業績を回復していったかというストーリーを楽しみながら、アイデアマンでなくてもロジカルに画期的なアイデアを生み出す方法論が学べる」と木内さんは推薦の弁を述べる。

心や思考を磨こう

リブロ汐留シオサイト店の大城優樹さん

リブロ汐留シオサイト店店長の大城優樹さんがすすめるのはアンドレ・クリストフ『はじめてのマインドフルネス』(紀伊国屋書店)。著者はフランスの精神科医。米国のグーグルやインテルが企業研修に取り入れているという心を整える手法「マインドフルネス」のトレーニング法を丁寧につづった1冊だ。「今、ここ」に意識を集中することで集中力や創造性を高め、ストレスを軽減するマインドトレーニングで、本書は26枚の名画を使ってのトレーニングを紹介している。「心を豊かにするトレーニングをしっかり体感できる内容。休みの間に心の垢(あか)を落とし、気持ちをリフレッシュするのにちょうどいいのでは」と大城さんは言う。

ビジネス書などの書評を紹介
注目記事
ビジネス書などの書評を紹介