意外に便利 スマホから音声操作できる炊飯器

2016/8/17

モノ・フラッシュ

三菱電機「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107形」実勢価格は7万円前後。炊飯容量は0.09~1.0L(0.5~5.5合)
三菱電機「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107形」実勢価格は7万円前後。炊飯容量は0.09~1.0L(0.5~5.5合)
日経トレンディネット

三菱電機が発売した炊飯器「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107形」(以下NJ-VA107)は、実売価格7万円前後のミドルクラスながら、Androidスマートフォン(スマホ)のタッチ操作・音声入力による炊飯設定を実現したモデルだ。使い勝手はどうなのか、実際に炊き込みごはんを作ってみた。

スマホから音声で設定できる炊飯器は世界初

NJ-VA107は、音声入力でスマホから炊飯設定ができるIHジャー炊飯器。これは業界初(ということは世界初と言っていいだろう)で、三菱電機によるとフラッグシップモデルではなく、ミドルクラスの製品として投入したのは、視覚障がい者など目の見え方に不自由を感じている人にとっての買いやすさを考慮したためだという。Android OSには、視覚障がい者向けの音声読み上げ機能「トークバック機能」があり、スマホ普及率は想像以上に高いようだ。ちなみに老眼や白内障を含めると、視力に衰えのある人は、国内に約4000万人以上いるとされる。

NJ-VA107の本体はスクエアなフォルムで、見た目もシンプル。奥行きは292ミリと比較的短いので、とても設置しやすい。ボタン類の配置も整然としている。取扱説明書を読み込まなくとも、すぐに炊飯できるはずだ。

最近の炊飯器は奥行きが長くなりがちな傾向があるが、NJ-VA107は292mmと30cmを切る
背面はフラット

マイクやスピーカーといった音声機能は、炊飯器本体にはない。それらはスマホのアプリに任せ、本体価格を抑えた点がポイントだ。

文字が大きく、黒字に白文字で表示することで視認性を高めたディスプレー
内釜は3年保証。外側がダブル備長炭コート、内側がチタンハードコート(3層)+カーボンコート。ふた側の放熱板も炭コートされている

釜はダブル備長炭コートされた5層厚釜。炊飯機能としては、超音波で米の旨みを引き出す「可変超音波吸水」、火力を約15%アップした「連続沸騰」、リングで羽釜の構造を再現する「新・熱密封かまど構造」を採用したのが特徴といえる。

さらにスマホアプリにより、お米の銘柄に適した炊き方に設定する「銘柄芳潤炊き」が利用できる。厳密に比較したわけではないが、いつも食べているお米で試してみたところ、粒にふっくらとツヤのある、甘みを感じられる炊きあがりとなった。

熱密閉リング(赤いパーツ)により、内釜上部に空間ができることで羽釜のような状態となる。吹きこぼれが抑えられるため高火力で炊きあげることが可能だ
希望者には操作方法を解説した音声CDや、本体に貼るための点字シール、付属のしゃもじを水位確認用に使えるゴムリングが無料で送付される

炊き込みごはんなどの設定もスマホタッチで一瞬

スマホのアプリ「らく楽炊飯」は、Google Playからインストールする。対応機種はAndroid4.1以上で、おサイフケータイ(FeliCa)もしくはNFCに対応している必要がある。動作確認されている機種はこちらに掲載されている。iPhoneには対応していない。

アプリを起動すると、米種(白米、無洗米、玄米など)、銘柄(コシヒカリ、あきたこまちをはじめ10種類)、炊き方(ふつう、かため、やわらかめ)、予約(時間)の項目が表示される。それぞれの項目はタッチ操作で選択もできるが、音声入力も可能だ。その場合、「白米、あきたこまち、普通、18時」というように連続して声に出しても認識する。2~3秒の時間がかかることもあるが、認識すべき単語が限られているせいもあって、認識率はかなり高い印象だ。

メーン画面となる「炊飯の準備」。それぞれの項目をタップして選択するか、マイクボタンをタップして音声入力する。横にスワイプするとお気に入りに登録した設定が表示される
設定できる銘柄は、あきたほなみ、あきたこまち、おいでまい、きぬむすめ、コシヒカリ、つや姫、ななつぼし、はえぬき、ひとめぼれ、ひのひかり、の10種類
炊き方は、ふつう、かため、やわらか、から選択する

米種や炊き方であれば、たいていの炊飯器で設定できるが、銘柄ごとの特性を引き出す最適な炊き方「銘柄芳潤炊き」は、スマホならではの機能。現在は10銘柄だが、新たな銘柄が登場すればアプリのアップデートで対応できるだろう。ちなみに、銘柄には「おまかせ」があるが、これは全国でもっとも流通量の多い一般的なコシヒカリを基準にしているという。

設定が終わったら画面の「OK」をタップし、スマホを炊飯器の「スマートフォン通信部」に接触させる。スマホのFeliCaマークもしくはNFCマークがある位置を当てるとスムーズだ(ない場合は反応する位置を確認して、次からその場所を当てるようにすればよい)。反応したら音が鳴り画面が変わるので、炊飯器の「炊飯」ボタンを押せばセット完了。選択した設定はお気に入りや履歴に残せるので、次からの設定はよりスピーディーに行える。

設定が済んだら、アプリの「OK」ボタンをタップする
炊飯器本体にスマホをタッチするよう表示が出るので、「スマートフォン通信部」マークにスマホのFeliCaもしくはNFC部を接触させる

またアプリでは赤飯や炊き込みごはんといったメニュー用の炊飯設定もワンタップで炊飯器に送信できるようになっている。実は、取扱説明書にもレシピは掲載されており、炊飯器のボタンで同じように設定することは可能だが、アプリを使うほうがより簡単だ。

視覚障がい者、視力の衰えを感じている高齢者に使いやすいのはもちろん、日常的にスマホを使っている人であれば、アプリの利用頻度は多くなるのではないだろうか。

メイン画面からお茶わんのアイコンをタップすると赤飯や炊き込みごはんのレシピが表示される
材料や作り方が表示される。炊飯器に設定を送信するなら「OK」ボタンをタップ

「山菜おこわ」の設定を送信して調理。材料は多少アレンジしたが、米や水の量が変わらなければ問題ない

(ライター 小口覺)

[日経トレンディネット 2016年7月26日付の記事を再構成]

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