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富士フイルム「X-T2」、3人の写真家の評価は

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NIKKEI STYLE

日経トレンディネット
富士フイルムが2016年9月に発売するミラーレス一眼の新製品「FUJIFILM X-T2」が写真ファンの間で話題になっている。一眼レフカメラ似のスタイルは、2014年2月発売の旧モデル「FUJIFILM X-T1」とほとんど変わらないが、X-T1で指摘されていたオートフォーカスの追従性や電子ビューファインダーの表示性能、誤操作しやすいダイヤル類の欠点を改善。一眼レフ並みの速写性能を備えることで、ミラーレス一眼では難しいとされてきたスポーツや野生動物などの動体もガンガン撮影できるようになった。いち早くX-T2を触る機会に恵まれた3人の写真家に、「X-T2のここが注目できる」「X-T1からこの点が改良されたのはうれしい」など、感じたことをファーストインプレッションしてもらった。

X-T2のおもな特徴は以下の通り。

有効2430万画素のX-Trans CMOS IIIセンサーを搭載


→2016年3月発売の「FUJIFILM X-Pro2」と同じローパスフィルターレスタイプのAPS-C型センサーを採用。X-T1は有効1630万画素だった

オートフォーカス性能を向上、AF-Cカスタム設定も用意


→像面位相差AFのカバー範囲や追従性を向上。被写体追尾時の粘り方などAF-Cのパラメーターを細かく変える専用の設定画面も用意

EVFのブラックアウト時間を短縮、表示も見やすく改良


→連写時の画像消失時間を短縮、モアレや偽色を低減

ダイヤルやボタンの改良で操作性を向上、誤操作も抑制


→シャッター速度などのダイヤルのロックボタンはプッシュするごとにロックと解除が切り替わるタイプに変更。背面にはスティック状のフォーカスレバーを追加し、フォーカスエリアを8方向で移動可能に

液晶パネルを3方向のチルト式に改良


→縦位置撮影時も上方向にチルトできる

起動時間や撮影間隔などのレスポンスを向上


→起動時間は約0.3秒、撮影間隔は約0.17秒、シャッタータイムラグは約0.045秒に短縮

Xシリーズ初の4K動画撮影に対応


→フレームレートは最大30P対応、100Mbpsの高ビットレート対応で圧縮ノイズを抑制

縦位置パワーブースターグリップ装着でパフォーマンスが向上


→バッテリーを内部に2コ搭載できる。BOOSTモードにすると、撮影間隔や連写速度、シャッタータイムラグなどのパフォーマンスが向上する。EVFは100fpsのなめらかな表示も可能に

SDカードスロットをデュアルスロットに改良

定評のある「写り」に「動体撮影能力」が加わり、もはや敵なし(落合カメラマン)

すごみのあるモデルチェンジだ。距離をとって見ているときに外観上の変化を感じることはなく、でも実際に手に取ってみるとISO感度ダイヤルの径と高さ、シャッターダイヤルの高さがX-T1とは微妙に異なっていることが分かる。動画ボタンの廃止やフォーカスレバーの新設などを含め、操作系への繊細かつ大胆なカツ入れが実施されているのだ。しかも、「あれ? 少し重くなった?」との印象も、実のところ気のせいなどではなかった。よくよく比べてみれば、ボディー自体も少し大きい。操作性向上、機能向上のためには、ボディーサイズと重さが(わずかであるとはいえ)アップすることをも厭わない、作り手の揺るぎなき自信とマジメさがみなぎるX-T2の"進化"なのである。

ボディーサイズに関しては、先にデビューを果たしているX-Pro2と同じく、小さくしすぎることを嫌う「海外目線」が活かされての結果であるようにも思うのだが、一方で基本"軽薄短小"がもてはやされてきたミラーレス機の今後に(α6300やLUMIX GX8などの他メーカー機の動向を含めつつ)何らかの一石を投じそうなニオイを感じる流れではある。「少々大きくなっても構わないから、より良いものを!」「いや、レンズ交換できるシステムとしてミニマムなボディーサイズで!」……今後のミラーレスには、対極をなすふたつの製品展開がこれまで以上に強く求められるようになるのではないだろうか。

個人的には、フォーカスレバーでフォーカスエリアがダイレクトに移動できるようになったことと像面位相差AFエリアの拡大、およびそれに伴いAFエリア「ゾーン」+「AF-C」時のAF動作が明らかに気持ち良くなっている(像面位相差AFのカバー範囲が旧来よりも目に見えて広く、さらには測距点の移り変わり表示が段違いにきめ細かくスムーズに行われるようになっている)ところに新しさを実感することになった。縦位置パワーブースターグリップ「VPB-XT2」を装着すると、AF速度やEVFフレームレート、シャッタータイムラグ、高速連写のコマ速などがグーンとパフォーマンスアップするという遊び心満載の合体ロボ的な作りも(いや、作り手は遊んでいるワケではなく至極マジメなのだと思うが)、キヤノンAE-1から始まったシステム一眼レフブームのど真ん中を走ってきた身には、どこか懐かしくけっこう刺激的だ。

まだ実写はかなっていないのだが、X-Pro2と同様、撮像センサーが2430万画素のX-Trans CMOS IIIになった(X-T1は1630万画素のX-Trans CMOS IIセンサー)ことを考えると、APS-Cサイズのセンサーであることをまったく意識させない、X-Trans CMOSならではの奥行きと精細さを併せ感じさせる魅惑的な画作りにさらに磨きがかけられていることは間違いないだろう。

それに加え、どうやら動体撮影能力にも劇的な進化があるようだ。「この写りのテイスト(画質)が欲しいから」という理由で求められているカメラって、国内モノに限れば、富士フ イルムのXシリーズとシグマのフォビオンセンサー搭載機ぐらいだと思うのだが、その「ほぼ唯一無二の強さ」に、もし一眼レフにも比肩する動体撮影能力が加えられたのであれば、向かうところ敵なしのミラーレス機になっている可能性は十分にある。

α6300との比較でどちらが"使える"のか? 動体にピントを正確に食い付かせ続ける能力に関しては、一眼レフとの間にまだ少々の壁を感じざるを得ないミラーレスの現在ではあるのだが、X-T2の仕上がりいかんによっては、このワタクシもいよいよ富士の魅惑的なレンズ沼に身を投じることになりそうな気が…。

こ、こわいよー( ̄ー ̄)ニヤリ

落合憲弘(おちあいのりひろ)
街中スナップ大好きのしがない写真撮り&物書き。生まれながらの天の邪鬼。もともと機材関係には興味がなく、そもそもカメラにもこだわりはなかったハズなのだが、デジカメ時代に突入してからは「より自分にピッタリの一台を追い求める」という都合の良いイイワケのもと、年間5~10台のデジカメを購入するハメに陥りつつ、青息吐息で現在に至る。だが、カメラ好きではなく写真好きを自認。加えて、クルマにもチトうるさいと自分では思っている。カメラグランプリ2016選考委員。

X-T1ユーザーが感じた不満を根こそぎ解消、画質も期待できる(吉村カメラマン)

手にしたX-T2は、ある意味で期待を裏切られた感じだった。それは、フルモデルチェンジでありながら、スタイルやボタン類の配置があまりにもX-T1と変わらなかったから。ほんの少し大型化はしたものの、外観から分かる違いは間違い探し程度のものしかない。

だが、実際にX-T2を手に取って操作してみると、X-T1の良いところはそのままに、あらゆる部分が使いやすくなっている。連写をしてもスムーズな動きで見続けられるEVF、素早くAF測距点を変えられるジョイスティック型のフォーカスレバーの追加、カードのトラブルに備えてバックアップが取れるデュアルSDカードスロット、レンズの光軸の真下に備えられた三脚取り付けネジ穴、プッシュ機能が付いてよりファンクショナルに使えるようになった前後の電子ダイヤルなど。さらに、ダイヤルの高さや重さ、レバーの形状やキーの押し心地など、細かな部分も見事にブラッシュアップされていた。

画質については、まだフィールドでの詳しい実写はしていないが、個人的に不安は感じていない。というのも、この春に発売になったもうひとつのフラグシップモデル「X-Pro2」と同等とアナウンスされているからだ。

X-Pro2は、従来の1630万画素から一気に1.5倍の画素数アップを果たして2430万画素に進化したが、この画質がすこぶるいいのだ。通常、画素数をアップすれば解像力は上がるものの、ノイズが増えたり階調表現に影響を及ぼす可能性がある。だが、X-Pro2の画質はこれまでの1630万画素モデルからマイナス要素をまったく感じることなく、よりクリアできめ細かな描写が得られるようになったのだ。

最後に、僕個人がいちばんうれしいと感じているのが、スタイルはX-T1と変わらないのに、操作の自由度がとても広くなったこと。

Xシリーズは見ての通り、どれもクラシックカメラ的な意匠の製品群となっており、操作性もクラシックカメラに合わせているフシがあった。特に感じるのは、刻印ダイヤルの多用だ。カメラの電源を切っている時も各種設定ができ、確実な操作ができることを好む人が多いのは事実。だが、露出補正ダイヤルはファインダーをのぞきながら回すのにはいかんせん硬すぎるし、指が届きづらい。また、シャッター速度は1段おきの数字しか記されていないために大雑把な設定しかできず、1/3段単位の細かな設定は電子ダイヤルを併用し、ふたつのダイヤルを組み合わせて設定するロジックになっていた。「T」(タイム)モードに合わせれば電子ダイヤルのみで設定できるようになるが、この場合は刻印ダイヤルにロックをかけることができないなど、何かと中途半端さを感じる作りだった。

だが、X-T2ではシャッター速度、露出補正ともに電子ダイヤルだけで調整が可能になった(実はX-Pro2からだが)。目まぐるしく照明の変わるステージ撮影や、雲の動きが激しい屋外でのロケ撮影など、素早く柔軟な設定変更ができる電子ダイヤル主体の操作ができるようになったことは、思いのほか使いやすくなったと感じる。

液晶モニターがユニークな3方向チルト式になるなど、機能や装備、使い勝手では望んでいた装備がほぼ実現されたと感じるX-T2。実際のフィールドに持ち出して、どれだけ快適に使えるか試す日が来るのを楽しみにしている。

吉村永(よしむらえい)
カメラマン、ビデオカメラマン。小学5年生から写真部、高校で自主制作映画製作に目覚めてテレビ制作会社、カメラ雑誌の編集を経てフリーに。現在、年間80台以上の新型カメラ製品の評価や記事執筆、芸能誌、新聞などでの人物写真撮影、音楽PVなどのビデオ撮影を行なっている。

X-Pro2と画質は同等ながら、趣味性よりも実用性を重視したカメラ(塙カメラマン)

9月に発売予定のX-T2は、先に発売されたX-Pro2と同じセンサーと画像処理エンジンを搭載したモデル。Xシリーズといえば、発色の素晴らしさに定評があるカメラだが、この点に関してはX-Pro2と同等なのでまったく不満はない。レンジファインダースタイルのX-Proシリーズと、一眼レフっぽいデザインのX-Tシリーズは、今回のX-T2でさらなるすみ分けが進んだ印象だ。

X-Pro2では、光学ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)を切り替えて使えるハイブリッドビューファインダーが、光学ファインダー上にEVFを小窓化して同時表示できるアドバンスト・ハイブリッドビューファインダーに進化。趣味性の高いカメラとしての確固たるポジションを築いた。

一方のX-T2は、AF速度やシャッタータイムラグ、EVFのフレームレートなど各所のレスポンスを高速化することで、メーンカメラとしてのポテンシャルをより高めた形のようだ。X-Pro2にはない縦位置グリップ(縦位置パワーブースターグリップ「VPB-XT2」)が用意されているのも、X-Tシリーズの特徴。前モデルのX-T1では、単なるバッテリー持続時間の増強と縦位置撮影時の操作性を向上させるためだけにあったが、X-T2ではバッテリーの装着個数を2個へと増やし、これらを同時に使用することで連写速度を8コマ/秒から11コマ/秒へとアップしたり、シャッタータイムラグの短縮、撮影時のブラックアウト時間の短縮などを実現している。フィルム時代の一眼レフカメラのモータードライブのような役割となっているのだ。

とはいえ、縦位置グリップを常時装着するかといえば、私はNOだ。せっかくコンパクトで軽量なボディーをわざわざ重たく大きくしてしまうのはもったいないと考えるからだ。常備しておいて、必要なときだけ装着するという使い方になるだろう。

X-Pro2と比較してのアドバンテージとしては、EVFのファインダー倍率の大きさが挙げられる。光学ファインダーと切り替えて利用するX-Pro2では、EVF使用時のファインダー倍率は0.59倍 (35mm判換算50mmレンズ、無限遠のとき)。これに対し、X-T2では0.77倍 (同)となっている。両者をのぞき比べても、明らかにX-T2のほうがファインダー像が大きい。X-Pro2が持つ光学ファインダーの楽しさも捨てがたいが、実際の撮影ではEVFのファインダー像が大きなX-T2のほうが被写体をしっかりと見ながら正確なフレーミングができる。楽しさよりも実用をとるなら、ダントツでX-T2がいいだろう。

また、X-T2から新搭載されたAF-Cカスタム設定だが、ミラーレス一眼でここまでのパラメーターを用意してくるとは相当な自信の表れなのだろう。実際に、AF-Cモードの基本セット1でこちらに向かって走ってくる電車を連写モードで撮影してみたが、ほぼパーフェクトといっていい合焦率であった。不規則な動きをする被写体まではテストできなかったが、少なくともかなりの高水準の動体性能といってよさそうである。

もちろん、AF-SモードでのAF速度にも不満はない。X-Pro2やX-T2の顔認識機能は横顔などの認識率も高く、ピントはとても正確だ。AFエリアも広いため、ポートレートなどには最適なAFシステムだと感じている。Xシリーズは、人肌の再現性も非常に良く、ポートレート撮影がメーンの私にとってはメーンカメラとして十分なポテンシャルを持つ。

画質や基本性能にはまったく不満がないX-T2だが、気になる点もある。ISO感度やシャッターダイヤルにロック機構が設けられているのだが、押すたびにロック状態、ロック解除という動作に変わってしまった。X-T1やX-Pro2では、ロックボタンを押しながらダイヤルを回すという操作だったため、いつでも押しながらダイヤルを回すというクセが付いている。だが、X-T2では今がロック状態なのか解除状態なのかをいちいち確認しながらダイヤル操作をすることが強いられる。慣れの問題かもしれないが、ちょっとやりにくさを感じる。

X-T2になって進化した点といえば、背面の液晶モニターが縦位置方向にも動くようになったこと。縦位置方向の可動範囲はちょっと少なめだが、それでも動かないよりはずっといい。レンズの光軸上から左右にずれないのもよい。人物撮影など、ローアングルからの撮影では重宝すること間違いなしだ。

ほかにも、SDカードスロットがデュアルになったり、4K動画が撮影可能になったりと、基本性能は確実にアップしている。現在のところ、X-Pro2をメーンカメラの1つとして使っている私にとっては、X-T2の発売が待ち遠しすぎるという感じだ。ポートレート撮影のメーンカメラとなることは間違いないだろう。

塙真一(はなわしんいち)
人物をメーンの被写体とするフリーランスのフォトグラファー。カメラ誌に写真や記事を寄稿するほか、役者、タレント、政治家などの撮影も行う。また、海外での肖像写真撮影、街風景のスナップ、夜の街を撮る「夜スナ!」をライフワークとする。写真展の開催も多数。日本写真家協会(JPS)会員。

[日経トレンディネット 2016年8月13日付の記事を再構成]

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