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祐真キキ 米ドラマで“刀ガール”、世界が注目 国際派女優への道(1)

日経エンタテインメント!

2016/8/29

『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』で刀ガールことミコ・オオトモ役に抜てきされて脚光を浴びる日本人女優。女優をめざして23歳で渡米。オーディションにトライし続けて、今回の大役を得た。国際派女優への道を歩き出した祐真キキ。『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』の撮影現場でのエピソードを語ってくれた。

■日本の描写の違和感も含めて、楽しんでほしい

すけざね・きき 1989年4月5日、京都生まれ。23歳で渡米してアメリカで活動。オーディションで『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』のミコ役に抜てきされる。(写真:松川忍)

『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』で刀ガールことミコ・オオトモを演じた祐真キキです。『HEROES/ヒーローズ』のオリジナルは、日本で高校生のときに見ていましたが、まさか自分が出ることになるとは思いませんでした。

撮影はトロントでした。現場の雰囲気はとてもよくて、いい役者さんばかりだったので、本当に楽しかったですね。マシ・オカさんと内門徹くんとは、ロサンゼルスのお好み焼き屋さんで打ち上げもやりました。

今回もそうですが、『HEROES』シリーズは日本の描写が突っ込みどころ満載というのがよく話題になります。アメリカで撮影していると、それもしようがないのかなと思います。やはり、アメリカ人から見た日本なので。そもそも『HEROES』の設定自体がリアルじゃないですからね。だから、このシリーズにはあまりリアリティーを求めずに、独特の世界観を思う存分楽しむという見方がいいんじゃないかと思います。

最初にミコが登場する場面で、彼女が住んでいる丸窓のアパートも奇妙に見えるかもしれませんが、実はセットじゃなくて、都内に本当にある物件なんです。スタッフが探してきて、窓の外は渋谷の風景を合成しています。だからリアルなんですけど、ピンクと紫のどぎついライティングなので(笑)、日本人には違和感なのでしょうね。

撮影現場では、日本人からすると違うかなと思っても、意見を言えるときとそうじゃないときがあります。セットのようにできがっているものは、受け入れるしかないですね。

■殺陣を自分流にアレンジ

『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』NBCユニバーサル・エンターテイメントよりDVDレンタル中/DVD&ブルーレイBOX発売中

逆に、私のアイデアが反映しているのは、まずミコの前髪のVカットです。これはオーディションのときに思いついて、前髪をVにして行って受かって以来、ずっと通しています。ミコのトレードマークのようになりました。

日本語のセリフも、私と内門くんで翻訳をやり直しました。最初に送られて来た脚本の日本語が本当にひどかったので、全部自分たちでやることにしました。

今どきの若者の言い回しになったと思うし、そこはリアルじゃないかなと思います。ゲームの中で出てくるダークミコの関西弁も、全部私のオリジナルです。そこは、アメリカ人は誰も指導できないですから(笑)。

あと、現場で意見を言えたのは、家の中の場面で靴を履いてほしいと言われたのを断ったりとか、そのくらいでしょうか。

(C)2006-2010 Universal Studios. All Rights Reserved.

ミコのコスチュームは、デザイナーさんがいくつか描いた中からプロデューサーが選んだものです。よく見ると、シチュエーションによって違うのがわかると思います。父親がゲームから刀ガールをこの世に取り出してきたときと、内門くんが演じているプロゲーマーのレンと一緒に逃げたりしているときでは、コスチュームが違うんです。レンといるときのミコは、彼が作ったという設定なので、レンのオリジナルという感じになっています。そのあたり、よく見てもらえると面白いと思います。

殺陣は、振り付け師が決めてくれるのですが、一番大変だったのはスタントチームに殺陣のできる人がいなかったことです。中国の剣を使えたり、韓国のテコンドーができる人はいたのですが、日本刀を使えるのは私だけでした。なので、自分がやりやすい動きに変えてもらったりしました。殺陣は、けっこう自分流にアレンジされていると思います。日本にいたころから殺陣を習っていて、アメリカに来てからもトレーニングを続けていたので、それが役に立ちました。アメリカで女優をめざすなら、刀を使うアクションの機会が多いだろう、と思って準備していたのですが、思っていたよりも早くその機会を得られました。やはり、何でも備えは大事ですね。

■アクション場面が増えた

聞いたところだと、当初の予定では、私の出番はシーズン途中のエピソードまでだったそうです。でも、アクションを気に入ってくれて、出番が大幅に増えました。どんどん増やしてくれたそうで、ありがたかったです。アメリカならではだな、と思いました。気に入ったら増やすし、そうじゃなかったら平気で削る。ストーリーもどんどん変えるし、何事にも臨機応変に対応します。実際にできたものや周りの反応を見ながら、できる限りいいものをつくろうと追求するエネルギーやバイタリティーはすごいと思います。

その一方で、アメリカ人って本当におおざっぱで、刀の向きとかも全然気にしない。ゲームの中のミコの動きをモーションピクチャーで撮っているときは、私はちゃんと刀を構えているのですが、できた映像を見たら、刃の向きが逆になってたりします。編集の人が、そこまで細かくチェックしてないんです。うわーって思いましたが、しようがなかったですね。これも、アメリカドラマの面白さだと前向きに考えることにしましょう(笑)。

そんな、演じている側からの面白エピソードも多い『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』なので、細かなところにまで注目して見てもらえると、とても楽しめると思いますよ。

祐真キキ 国際派女優への道
(1)米ドラマで“刀ガール”に抜てき、世界が注目
(2)米ドラマのオーディションに合格する方法
(3)ドラマ撮影の現場で感じた日米文化の違い

[日経エンタテインメント! 海外ドラマSpecial 2016[夏]号の記事を再構成]

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編集:日経エンタテインメント!
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